Meta-NaviProduced by 深江特殊鋼株式会社

中仕上げとは

読み: なかしあげ

中仕上げとは、荒加工で粗く削った形状を、仕上げ加工に必要な最終の取り代まで詰めておくために間に挟む切削工程である。

Meta-Navi bridge

まずはお気軽にご相談ください

図面や仕様が固まっていなくても構いません。条件を整理しながらMeta-Naviで相談できます。

概要

荒加工から仕上げ加工へ一足飛びに進めない場合、その間に中仕上げを挟む。荒加工で除去した直後の素材は、切削熱や切削力によって局所的に変形していることがあり、仕上げに必要な精度をいきなり狙うと寸法が安定しない。

中仕上げは、荒加工より切込みと送りを小さくして形状を整え、仕上げ加工が必要とする取り代(多くの場合0.1〜数mm程度)まで寸法を詰める役割を持つ。すべての加工で必須の工程ではなく、素材形状や公差要求に応じて省略されることもある。

なぜ荒加工から仕上げへ直接行けないのか

荒加工では大きな切込みで削るため、切削熱による熱変位や、切削力による工具・ワークのたわみが生じやすい。この状態のまま仕上げに移ると、冷えて収縮した後の寸法が図面と一致しない、あるいは仕上げ工具に急激な負荷がかかって精度が出ないといった問題が起きる。

中仕上げを挟むことで、荒加工直後の変形をある程度均し、仕上げ加工にかかる負荷を予測しやすい範囲まで抑えられる。特に薄肉部品や長尺部品、公差の厳しい部品では中仕上げの有無が最終精度に直結する。

管理する取り代

中仕上げでは、仕上げ加工がその後の1回の切削で狙いの寸法・面粗度に到達できるだけの取り代を、均一に残すことが目的になる。取り代が偏っていると、仕上げ工具の片側だけに負荷が集中し、寸法や面粗度がばらつく原因になる。

取り代の目安は素材・工具・要求精度によって異なるため、荒加工・中仕上げ・仕上げ加工それぞれの段階でどこまで詰めるかを工程設計の段階で決めておく必要がある。

深穴加工での位置づけ

深穴加工では、下穴(パイロット穴)をあけた後、ボーリングバーやリーマで穴径を仕上げていく工程がある。この下穴から仕上げ径に至る間の工程を、広い意味での中仕上げととらえることができる。段階的に径を詰めることで、一度に大きく削るより真直度や真円度を安定させやすい。

省略できるケース

公差が緩い部品、素材の変形量が小さい小型部品、あるいは荒加工の段階から十分に精度が出せる設備・条件がそろっている場合は、中仕上げを省略して荒加工から直接仕上げ加工に進むこともある。工程を減らせば納期とコストは下がるが、精度が出ない場合の手戻りリスクとのトレードオフになる。

よくある誤解

中仕上げは荒加工と仕上げ加工の中間の作業なので、省いても品質に大差はない。

荒加工直後は熱変位や切削力による変形が残っていることが多く、それを均さずに仕上げると寸法が安定しない場合がある。薄肉部品や長尺部品、厳しい公差の部品では省略のリスクが大きい。

中仕上げの取り代は荒加工と同じ考え方で決めればよい。

中仕上げの取り代は、後工程の仕上げ加工が1回で狙いの寸法・面粗度に到達できるかどうかで決める。荒加工の取り代の考え方をそのまま当てはめると、仕上げ工具に過大な負荷がかかることがある。

よくある質問

中仕上げを省略すると何が起きますか。+
荒加工直後の変形が残ったまま仕上げ加工に入ることになり、寸法が図面と合わなかったり、仕上げ工具に負荷が集中して面粗度が安定しないことがあります。公差の厳しい部品では影響が出やすいです。
深穴加工にも中仕上げに相当する工程はありますか。+
下穴(パイロット穴)から最終径まで、ボーリングバーやリーマで段階的に径を詰める工程が広い意味での中仕上げに相当します。一度に大きく削るより真直度・真円度が安定しやすくなります。
中仕上げを入れるかどうかは誰が決めるのですか。+
多くの場合、加工を担当する会社が素材・公差・形状から工程設計時に判断します。公差が厳しい、変形しやすい形状であるといった条件を伝えておくと、中仕上げの要否も含めて相談しやすくなります。

関連用語

出典

  1. 一般的な機械加工工学の知見(工程分割と取り代設計)

このページの情報は役に立ちましたか?

Meta-Navi bridge

ここまでご覧いただいた方へ

条件が固まっていなくても大丈夫です。図面や仕様が手元になくても、まずはMeta-Naviにご相談ください。