仕上げ加工とは
読み: しあげかこう
仕上げ加工とは、荒加工・中仕上げによって形状を近づけた素材に対し、図面の最終寸法公差と表面粗さを満たすように行う最後の切削工程である。
概要
機械加工の最終段階を担うのが仕上げ加工である。除去する体積は荒加工・中仕上げに比べてわずかだが、要求される精度はこの工程で決まる。切込み量と送り速度を小さくとり、工具の切れ味と機械の剛性を最大限に活かして寸法・面粗度を作り込む。
仕上げ加工の良し悪しは検査結果に直結するため、荒加工以上に工程条件の管理が厳密になる。1つの仕上げ加工で狙いの精度に届かない場合、再仕上げが必要になり工数が増える。
荒加工との違い
荒加工が「除去効率」を優先するのに対し、仕上げ加工は「精度と面品位」を優先する。そのため使用する工具、切削条件、場合によっては機械そのものが荒加工と異なることもある。荒加工で使った切込み・送りをそのまま仕上げに流用すると、要求精度に届かないことが多い。
取り代の量にも違いがあり、仕上げ加工での取り代は最終寸法に対する数分の一以下に絞り込まれることが一般的である。取り代を残しすぎると仕上げ工具への負荷が増え、面粗度が悪化する。
仕上げ精度を左右する要因
仕上げ加工の精度は、工具摩耗・熱変位・びびり振動の3つに大きく左右される。工具が摩耗した状態で仕上げを続けると刃先の形状が変化し、寸法が徐々にずれていく。切削熱による工具や素材の熱変位も、加工中に寸法が変わる原因になる。
びびり振動が発生すると、加工面に周期的な模様が残り、面粗度の規格を満たせなくなる。機械剛性、工具の突き出し長さ、切削条件のバランスが崩れるとびびりが起きやすくなるため、仕上げ加工ではこれらの調整が特に重要になる。
深穴加工における内面仕上げ
深穴加工では、BTA加工やガンドリル加工そのもので必要な面粗度を達成できる場合もあるが、より高い面品位や真円度が求められる場合は、リーマ加工やホーニング加工による内面仕上げを追加で行う。深い穴の内部は工具アクセスが限られるため、通常の仕上げ加工以上に工具の剛性と切りくず排出の設計が精度に影響する。
検査との関係
仕上げ加工が完了した部品は、寸法公差・幾何公差・表面粗さについて検査で確認される。仕上げ加工の条件と検査結果は表裏の関係にあり、検査で不合格になった場合は仕上げ加工の条件(工具・切削条件・固定方法)を見直すことになる。検査成績書の提出が必要な案件では、仕上げ加工の再現性そのものが評価対象になる。
よくある誤解
✕ 仕上げ加工は荒加工の延長で、切込みを小さくするだけでよい。
○ 切込みを小さくするだけでなく、工具摩耗・熱変位・びびり振動への対策を合わせて行わないと要求精度に届かない。仕上げ加工は荒加工とは別の管理項目を持つ工程である。
✕ 仕上げ加工さえ丁寧に行えば、荒加工の歪みは関係ない。
○ 荒加工や中仕上げの段階で素材内部に残った歪みは、仕上げ加工中や加工後に解放されて寸法を動かすことがある。仕上げ加工の精度は前工程の状態に依存する。
よくある質問
深穴加工そのもので仕上げ面粗度は達成できますか。+
仕上げ加工でびびり振動が出るのはなぜですか。+
仕上げ加工の精度が出ないとき、原因は仕上げ工程だけにありますか。+
関連用語
出典
- 一般的な機械加工工学の知見(仕上げ加工の精度要因)
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