工具摩耗とは
読み: こうぐまもう
工具摩耗とは、切削加工の進行に伴って工具刃先が徐々に削れたり損傷したりする現象で、加工精度と工具寿命を左右する。
概要
切削加工では、工具刃先とワークの接触面に高い圧力と温度が生じ、工具材料が少しずつ失われていく。これが工具摩耗である。摩耗が進むと切れ味が落ちて切削抵抗が増加し、加工面の粗さや寸法精度が悪化するほか、びびり振動を誘発しやすくなる。
摩耗の進行度合いは工具交換のタイミングを決める主な判断材料になる。
摩耗の種類
工具摩耗には、工具の逃げ面がワーク表面と擦れて削れる逃げ面摩耗、切りくずが工具すくい面を擦ることで生じるすくい面摩耗、すくい面上に溝状の摩耗が生じるクレータ摩耗などがある。
逃げ面摩耗は寸法精度への影響が直接的で、工具交換の判断基準としてよく使われる。クレータ摩耗は刃先の強度を弱め、進行すると刃先の欠損につながることがある。
深穴加工特有の摩耗管理
深穴加工では工具が穴の奥で加工を続けるため、摩耗の進行状況を目視で随時確認しにくい。そのためガンドリル加工では、高圧の切削油を刃先へ供給し続けることで切削温度の上昇を抑え、工具摩耗を減らす設計になっている。
豊富な切削油の供給は、切りくず排出だけでなく工具摩耗の抑制と仕上げ面精度の維持にも役立っている。
摩耗を抑える条件
工具摩耗を抑えるには、切削速度・送り速度を材質に合った範囲に収めること、切削油剤による冷却・潤滑を十分に行うこと、工具材質やコーティングを被削材に合わせて選ぶことが基本になる。
難削材では摩耗の進行が速いため、条件設定と工具選定のノウハウが工具寿命に直結する。
よくある誤解
✕ 工具摩耗は工具の材質だけで決まる。
○ 工具摩耗は工具材質だけでなく、切削速度・送り速度・切削油剤の供給状況、被削材の性質など複数の条件が組み合わさって進行速度が決まる。
✕ 摩耗が進んでも刃先が欠けていなければ交換不要である。
○ 逃げ面摩耗のように目に見えにくい摩耗でも、寸法精度や面粗さに影響が出る場合がある。摩耗量を基準にした計画的な工具交換が必要である。
よくある質問
工具摩耗が進むとどんな影響が出ますか?+
深穴加工では工具摩耗をどう管理しますか?+
難削材の加工で工具摩耗が早いのはなぜですか?+
関連用語
出典
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