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高圧クーラントとは

読み: こうあつくーらんと

高圧クーラントとは、切削油を高い圧力で刃先へ送り込み、切りくずの排出と刃先の冷却を高める給油方式である。

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概要

切削加工では、刃先で発生した熱と切りくずをどう処理するかが工具寿命と加工精度を左右する。切削油を低い圧力でかけるだけでは、切りくずが加工点にとどまりやすく、特に穴あけ加工では切りくずが穴の中に滞留して工具の摩耗や欠損を招きやすい。

高圧クーラントは、切削油を通常より高い圧力で刃先に噴出させることで、切りくずを強制的に押し流し、同時に切削熱を効率よく持ち去る給油方式である。深穴加工のように切りくずの排出経路が限られる加工で、特に効果を発揮する。

役割としくみ

ガンドリル加工では、工具先端から切削油を噴出させることで安全で高精度な深穴加工を可能にしている。切削油を高圧で噴出することで切りくずを効率的に排出でき、加工面と切りくずの接触によるワークの損傷を防ぎながら、優れた表面粗さを得やすくなる。

豊富な切削油を供給することは切削温度の上昇を抑える効果もあり、工具摩耗の減少や仕上げ面精度の向上にもつながる。噴出した切削油は切りくずとともにワーク外へ排出され、循環設備を通じて再びタンクに戻される。

深穴加工における位置づけ

深穴加工では、ガンドリル加工・BTA加工のいずれの工法でも切削油の圧力と流量が加工能率と品質を左右する中心的な要素になっている。ガンドリル加工では工具内部の油穴から刃先に切削油を送り、切りくずは工具外周の溝を通って手前に排出される。BTA加工では逆に外側から給油して内側から切りくずを排出する構造になっており、いずれの方式でも高圧での供給が排出性を高める役割を担う。

穴が深くなるほど切りくずの移動距離が長くなるため、圧力が不足すると穴の途中で切りくずが詰まりやすくなり、工具の摩耗や穴曲がりの原因になる。

圧力と流量の考え方

必要な圧力・流量は、穴径・加工深さ・材質によって変わる。粘りが強く切りくずが分断されにくい材質では、より高い圧力や流量が求められることがあり、逆に切りくずが分断されやすい材質では過剰な圧力がかえって加工の妨げになる場合もある。

このため、高圧クーラントの条件は一律の数値で決められるものではなく、加工先が保有設備の性能とこれまでの加工実績に基づいて材質・穴径ごとに調整している。発注時にはワークの材質と穴の径・深さを伝え、対応可能な条件かどうかを確認するのが確実である。

よくある誤解

クーラントの圧力は高ければ高いほど加工がうまくいく。

材質や穴径によっては圧力が高すぎることで切りくずの挙動が乱れたり、ワークや工具への負担が増すことがある。適切な圧力・流量は材質・穴径・深さの組み合わせで決まり、一律に高くすればよいわけではない。

高圧クーラントは冷却のためだけに使われている。

冷却効果に加えて、切りくずを穴の外へ押し流す排出の役割が深穴加工では特に重要である。冷却と排出のどちらが欠けても加工精度・工具寿命に影響する。

よくある質問

高圧クーラントの圧力は何MPa程度が標準ですか。+
材質や穴径、加工設備によって適切な圧力が異なるため、一律の標準値はない。粘りの強い材質や深さの大きい穴ではより高い圧力が必要になることが多く、具体的な条件は加工先に材質・穴径・深さを伝えて確認するのが確実である。
水溶性クーラントと不水溶性切削油、どちらを高圧で使いますか。+
どちらも高圧供給に対応できるが、材質や求める仕上げ面によって選び方が変わる。難削材や高い面品位が求められる加工では不水溶性切削油が選ばれることが多いが、最終判断は加工先の設備と実績による。
高圧クーラントに対応していない設備で深穴加工を依頼するとどうなりますか。+
浅い穴やL/D比の小さい加工では問題にならないこともあるが、深さが増すほど切りくずの排出が追いつかず、工具摩耗や穴曲がりのリスクが高まる。深穴加工を依頼する際は、対応する給油圧力・流量を事前に確認するとよい。

関連用語

出典

  1. BTA・ガンドリル加工.com 技術コラム「ガンドリルマシンの特徴と構造について」(深江特殊鋼、クーラントの循環システムについて)

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