素材調達と粗加工を一社に一貫発注すべきか、何を確認して判断すればよいか?
素材調達と粗加工を分けるか一貫発注するかは、手配先の数、材料証明の種類、粗加工代の3点で判断します。手配先を1社にまとめると中間物流と調整の手間が減りますが、その効果は材料証明と粗加工代が事前に決まっている場合に限られます。[2][3]
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素材調達と粗加工を分けるか一貫発注にするか迷うなら、現在の手配先数と材質をメモにして、Meta-Naviのお問い合わせから送ってください。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!条件の整理から一緒に進められます。
まず確認すること
「材料と加工を一社にまとめるべきか」を判断する材料は、抽象的なメリット論ではなく実績の数字です。深江特殊鋼の公開事例では、SCM440油圧シリンダー案件で手配先を3社から1社に集約して納期を40%短縮し、SKD61金型冷却穴案件では材料調達、切断、6面フライス、深穴、熱処理と分かれていた手配を一貫化して納期を30%短縮しています。[2][3] どちらも、材料調達から粗加工までの間に発生していた横持ちと調整のやり取りを1つの手配窓口に集約した結果です。自社案件がこの2件とどこまで似ているか(工程数、材質、手配先数)を比べることが、一貫発注を検討する最初のステップになります。
納期が遅れやすいポイント
- 材料商社と加工業者が別々で、納期遅延の原因がどちらにあるか切り分けられない[2][3]
- 材料手配から粗加工までの手配先が3社に分かれ、進捗を電話で追いかけている[2]
- 材料証明書の種類(3.1か3.2か)を発注時に指定していなかったため、後から取り直しになった[6]
- 粗加工代(削り代)を決めずに材料を発注し、脱炭層が残ったまま仕上げ工程に回ってしまった[5]
- 横持ち(材料を業者間で運ぶ手間)のコストが見積書のどこにも出てこない[3]
Q. なぜ材料調達と粗加工を分けると、コストと納期が読みにくくなるのか?
A. 材料証明書の種類と粗加工代の取り決めが業者間で共有されず、手戻りが起きやすいからです。[5][6] 熱間圧延・鍛造された鋼材の表面には脱炭層が生じます。JIS G 0558はこの層の深さを測定する方法を定めた規格で、粗加工でこの層を除去できているかどうかを確認する際の根拠になります。[5] 材料商社と加工業者が別々だと、粗加工代(どこまで削るか)が加工業者側の判断任せになり、脱炭層が十分に除去されないまま次工程に流れるリスクが残ります。 また、材料を発注する際は検査証明書の種類(JIS G 0415の3.1または3.2)を注文時に指定する必要があり、指定がない場合は3.1が既定になります。[6] 材料商社と加工業者が別発注だと、この証明書の種類が加工業者側に伝わっていないことがあり、後から証明書を取り直す、または証明内容が足りずに再検査になるといった手戻りにつながります。 深江特殊鋼の公開事例でも、材料調達から加工・めっきまでの手配が煩雑だった案件(SCM440油圧シリンダー)と、材料調達から切断、6面フライス、深穴、熱処理までの手配先が分散していた案件(SKD61金型)が、いずれも一貫発注への切り替えで納期を30〜40%短縮しています。[2][3]
Q. 一貫発注にする場合、何を数値・書類で確認すべきか?
A. 材料規格、検査証明の種類、粗加工代、工程順の4点です。[6][7] まず材料規格です。S45Cのような一般構造用炭素鋼でも、粗加工の送り・切込みは材質・工程(旋盤、フライス、穴あけ)ごとに標準的な条件があり、これを外れると工具摩耗や加工時間が想定より増えます。[7] 一貫発注する相手には、材質規格と熱処理状態を伝え、粗加工の標準条件をどう決めているか確認します。 次に検査証明です。JIS G 0404は鋼材の一般受渡し条件を定めた規格で、検査証明書の種類(3.1・3.2)の指定、試験・測定機器の校正とトレーサビリティ、試験片から試験単位(ロット)までの追跡管理を求めています。[6] 一貫発注先には、この証明書の種類を発注時にどう確認しているか、校正記録をどう管理しているかを聞きます。 粗加工代は、脱炭層の除去分を見込んだ削り代を指します。[5] 工程順は、材料切断→粗加工→(熱処理)→仕上げ→検査のどこまでを一括発注に含めるかです。深江特殊鋼の設備では、24時間無人切断ライン(丸棒最大φ500mm)から6面加工+穴あけ一貫ライン(最大加工サイズ100×200×300mm)へ横持ちなしで接続する経路があり、材料切断から粗加工までの手配先を分けずに確認できます。[4]
Q. 外注先には何を聞くべきか?
A. 一括発注できる工程の範囲と、在庫材か調達材かの区別です。[1] 「材料調達から加工まで一貫対応できますか」と聞くと、多くの業者が対応できると答えます。確認すべきなのは、それが自社在庫材のことなのか、協力企業ネットワーク経由の調達材のことなのかです。深江特殊鋼は、特殊鋼・一般鋼材の販売と加工設備を1964年の創業から段階的に自社で持ち、1975年にBTA深穴加工事業を追加した経緯があります。[1] 在庫にない材質・特殊材は、国内300社超の協力企業ネットワークから調達しますが、これは自社在庫材とはリードタイムの前提が異なります。[1] あわせて、材料証明書の種類、粗加工代の決め方、工程順のうちどこまでを一括発注に含められるかを、事例ベースで確認します。深江特殊鋼が示せる公開実例は、SCM440油圧シリンダー案件(手配先3社→1社、納期40%短縮)とSKD61金型案件(材料調達から切断、6面フライス、深穴、熱処理までの一貫手配、納期30%短縮)です。[2][3] この2件と自社案件の工程数・材質を比べると、一貫発注でどこまで短縮できそうかが見えます。
図面で見ておきたい条件
- 材料証明書の種類(3.1・3.2)は発注時に指定する。指定がない場合は3.1が既定になる。[6]
- 粗加工代(削り代)は、素材の脱炭層深さを除去できる量を見込んで決める。脱炭層の深さ自体はJIS G 0558の測定方法で確認する。[5]
- S45Cのような一般構造用炭素鋼でも、粗加工の送り・切込みは材質・工程ごとの標準条件を確認してから決める。[7]
- 在庫にない材質・特殊材は協力企業ネットワークからの調達になり、社内在庫材とはリードタイムの前提が変わる。[1]
相談前に知っておきたいこと
- 一貫発注による納期短縮率(30〜40%)は公開済み2事例の実績であり、すべての材質・形状で同じ短縮率になるとは限らない。[2][3]
- 深江特殊鋼が自社在庫として常時保有する材質・サイズには限りがあり、在庫外の材質は協力企業ネットワーク経由の調達になるため、在庫材と比べてリードタイムの前提が異なる。[1]
業界での実機事例(参考)
よくある質問
図面や具体的な仕様がまだ固まっていなくても相談できますか?+
材料は支給材でも一貫発注の相談はできますか?+
一貫発注にすると必ず納期が短くなりますか?+
少量・試作でも一貫発注の相談はできますか?+
検査証明書の種類(3.1・3.2)はどちらを選べばよいですか?+
材料商社と加工業者を分けたまま、証明書と粗加工代だけ揃えることはできますか?+
在庫にない材質でも一貫発注できますか?+
海外調達材でも一貫発注の対象になりますか?+
粗加工だけを一貫発注に含めず、材料調達のみを依頼することもできますか?+
短納期案件でも一貫発注の対応可否を見てもらえますか?+
あわせて読みたい情報
参考事例・文献
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