表面粗さとは
読み: ひょうめんあらさ
表面粗さとは、切削・研削などの加工によって部品表面に生じる微細な凹凸の度合いを表す指標の総称である。RaやRzといった具体的なパラメータで数値化され、加工面の機能(摺動性、シール性、疲労強度など)を左右する。
概要
どんな加工面も、拡大すれば工具の刃先の跡や切削条件に応じた微細な凹凸を持つ。この凹凸の度合いを客観的に評価するために定義された指標が表面粗さで、輪郭曲線(表面の断面形状)から算出されるいくつかのパラメータのうち、算術平均粗さRaと最大高さ粗さRzが実務でよく使われる。
表面粗さは単なる見た目の滑らかさではなく、摺動部の摩擦・摩耗特性、シール面の密閉性、疲労強度、塗装やめっきの密着性など、部品の機能に直接関わる指標である。
深穴加工での重要性
深穴の内面は工具が届きにくく目視での確認も難しいため、表面粗さの管理が特に重要になる。BTA加工やガンドリル加工では、切削油の流路設計や刃先の状態によって内面の表面粗さが変わり、切りくずの排出が良好であるほど加工面と切りくずの接触による損傷を防ぎやすく、優れた表面粗さが期待できるとされる。
油圧シリンダのように内面を摺動面として使う部品では、表面粗さが摩耗特性やシール性能に直結するため、深穴加工だけでは要求水準に届かない場合にホーニングなどの内面仕上げ加工を追加することがある。
図面での指示方法
表面粗さは、面粗さ記号にRaやRzなどのパラメータと上限値を併記して図面に指示する。全面に同じ値を指定する場合と、機能上重要な面だけに個別の値を指定する場合がある。
過度に厳しい表面粗さを全面に一律指定すると、加工方法が限定されコストと納期に跳ね返る。実際に機能上必要な面を見極め、必要な箇所にだけ厳しい値を指定するのが実務上の基本になる。
よくある誤解
✕ 表面粗さは数値が小さいほど常に良い。
○ 表面粗さが小さすぎると、逆に潤滑油の保持性が落ちて摺動面の焼き付きが起きやすくなる場合がある。機能に応じた適切な範囲を狙うべきで、闇雲に小さい値を指定するとコストだけが増えることもある。
✕ 深穴の内面は見えないので表面粗さの管理は諦めるしかない。
○ ボアスコープなどの内面観察機器や表面粗さ測定機で内径側の粗さを確認できる場合がある。加工条件の管理に加え、必要に応じてホーニングなどの内面仕上げ加工を追加することで要求水準に近づけられる。
✕ 表面粗さの図面指示は全面に同じ値を書けば安全である。
○ 全面に厳しい値を一律指定すると加工方法が限定されコスト・納期が悪化する。機能上重要な面を見極めて必要な箇所にだけ値を指定する方が、コストと品質のバランスが取れる。
よくある質問
表面粗さはどのように測定しますか?+
深穴加工だけで十分な表面粗さは得られますか?+
表面粗さの数値はどのくらいを指定すればよいですか?+
関連用語
出典
- JIS B 0601(表面性状のパラメータ)
- BTA・ガンドリル加工.com 技術コラム「ガンドリルマシンの特徴」(深江特殊鋼)
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