最大高さ粗さRzとは
読み: さいだいたかさあらさ
最大高さ粗さRzとは、加工面の輪郭曲線のうち基準長さの範囲内で最も高い山と最も深い谷の高さの差を取って表す表面粗さのパラメータである。凹凸を平均化するRaと異なり、局所的に突出した山や深い谷の影響がそのまま数値に現れる。
概要
Rzは、輪郭曲線の基準長さの中から最も高い山の頂点と最も深い谷の底を選び、その高低差を粗さの値とする。平均化を行わないため、ある一箇所にだけ深い傷や突起があると、その一箇所の影響がそのまま値に反映される。
以前の日本のJIS規格ではRzに近い考え方の「十点平均粗さ」が使われていた経緯があり、現行のRzは国際規格に整合させた最大高さのパラメータを指す。旧規格の資料を参照する際は、どちらの定義に基づくRzかを確認する必要がある。
Raとの違いと使い分け
Raは輪郭全体を平均化するため、加工面全体としての滑らかさの傾向をつかみやすい。一方Rzは局所的な最悪値を拾うため、突起や深い傷が機能に致命的な影響を与える面(シール面、疲労強度が重要な面など)の管理に向いている。
実務では、全体的な滑らかさをRaで指定しつつ、機能上特に重要な面には追加でRzの上限値を指定するという併用のしかたも使われる。片方だけを見て他方を判断することはできないため、面の機能に応じてどちらを重視するかを決める必要がある。
深穴加工での注意点
深穴の内面は目視での確認が難しく、加工中に発生した局所的な傷や工具の食い込み跡がRaの平均値には出にくくても、Rzでは検出されることがある。油圧シリンダの摺動面やOリングが接触するシール面のように、局所的な傷が漏れや早期摩耗に直結する部位では、Rzでの管理が特に重要になる。
深穴加工の標準工程だけでRzの要求水準に届かない場合は、ホーニングなどの内面仕上げ加工を追加して局所的な傷を除去する対応が取られることがある。
よくある誤解
✕ Raの数値が良ければRzも自動的に良好である。
○ Raは平均値、Rzは局所的な最悪値であり、必ずしも連動しない。局所的な深い傷があってもRaの平均値には出にくいため、機能上重要な面ではRzも別途確認する必要がある。
✕ 旧JISの十点平均粗さと現行のRzは同じ数値になる。
○ 現行のRzは最も高い山と最も深い谷の差を取る定義であり、旧規格の十点平均粗さ(上位・下位5点ずつの平均を使う定義)とは算出方法が異なる。古い資料の数値を現行のRzとしてそのまま比較すると誤差が生じる。
✕ 深穴内面のRzは目視確認できないので保証できない。
○ ボアスコープなどの内面観察機器や、対応可能な範囲では表面粗さ測定機を使ってRzを確認できる場合がある。対応可否は設備に依存するため、要求水準がある場合は加工先に事前確認するのが確実である。
よくある質問
RaとRz、両方を図面に指定する必要はありますか?+
深穴内面のRzはどうやって確認しますか?+
古い図面のRzの数値をそのまま参照してよいですか?+
関連用語
出典
- JIS B 0601(表面性状のパラメータ、最大高さ粗さRz)
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