Oリング溝の精密加工で、真空シール面の面粗度と公差はどこまで指定すべきか?
真空シール面のOリング溝は、まず溝底面の面粗度をRa0.4程度、側面をRa1.6程度に分けて確認します。幅・深さの公差とコーナーR、削り目の方向まで図面で指定すると、加工後のリーク再加工を防ぎやすくなります。[1][3]
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図面や具体的なアイデアがなくてもOK!溝径、材質、真空用か液体用かのメモだけでも、粗度・公差の目安から相談を始められます。とりあえず相談してみる、くらいの温度感で大丈夫です。
まず確認すること
Oリング溝の相談で最初につまずくのは、粗度と公差を「溝」という一つの数値で考えてしまうことです。実際には、溝底面、側面、幅、深さ、コーナーRはそれぞれ役割が違い、真空・ガス用と液体用でも要求が変わります。[1][3] 社内では、油圧ピストンのOリング溝を幅公差±0.02mm・深さ公差±0.01mmで全数管理した量産事例と、金属シール溝の幾何精度(同軸度0.003mm・真円度0.002mm)がそのまま真空リーク性能の実測値に跳ね返った事例を、判断材料として使います。[4][5]
納期が遅れやすいポイント
- 図面にOリング溝の面粗度だけ書いてあり、溝底面と側面で分けた指定がない
- 液体シールと同じ粗度指定のまま真空・ガス用の溝を発注してしまい、加工後にリーク確認や再加工が発生する[3]
- 幅・深さの公差だけが指定されていて、コーナーRや削り目の方向まで図面に書かれていない[1]
- 旋盤加工かエンドミル加工かで溝の削り目方向が変わり、シール性に影響することが知られていない[1]
- Oリング溝やシール面だけを切り出して加工相談できるのか分からない
Q. 真空用Oリング溝の面粗度は、液体シールと何が違うのか?
A. 真空・ガス用の溝底面はRa0.4程度、液体用はRa0.8程度が目安になります。溝側面はどちらの用途でもRa1.6程度が目安です。[1][3] 真空・ガスをシールする場合、液体をシールする場合よりも微細なリーク経路まで塞ぐ必要があるため、溝底面と側面で粗度の要求水準が分かれます。[1] 半導体の超高真空・清浄環境向けでは、さらに細かい粗度(目安として0.2〜0.3μm Ra程度)が要求される場合があるという整理もあります。[2] もう一つ見落としやすいのが加工方法です。旋盤で加工すると削り目がOリングの周方向に沿う向きになり、多少粗度が粗くてもシールしやすい一方、エンドミルのように削り目がOリングを横切る加工では、同等の粗度でもリークしやすいとされています。[1] つまり、粗度の数値だけでなく、どの加工方法で仕上げるかまで図面か発注時のやり取りで確認する必要があります。
Q. 溝の幅・深さ公差やコーナーRは、どこまで細かく指定すべきか?
A. 幅・深さはOリング断面寸法に対する比率で決まり、コーナーRも合わせて指定します。真空用の溝は内径基準、加圧用の溝は外径基準で公差を管理する考え方もあります。[1][2] 目安として、溝の深さはOリング断面寸法の75〜80%程度、幅は100〜120%程度に収める設計が一般的なガイドラインとして示されています。[2] コーナー部を鋭角にすると、Oリングの挟み込みや押し出し(ニブリング)につながるため、コーナーRを目安R0.15mm前後で指定します。[1] 社内の公開事例では、油圧ショベル用ピストンのOリング溝を幅公差±0.02mm・深さ公差±0.01mmでNC旋盤の専用プログラムを組み、インプロセス測定で全数管理した結果、Cpk1.8・組み付け後の漏れゼロを達成しています。[4] 用途は油圧機器で真空環境ではありませんが、幅・深さ公差を全数管理で追い込む加工の考え方自体は、真空用Oリング溝でも共通して使えます。
Q. 精度の高いOリング溝を安定して量産するには何を確認すべきか?
A. 図面上の粗度・公差の指定だけでなく、加工方法と検査体制まで含めて確認します。[4][6] 溝底面で微細な粗度(Ra0.4以下)を狙う場合は、研削仕上げの対応レンジを事前に確認します。社内の研削設備は粗度Ra0.1〜1.6、寸法精度±0.005mmの範囲に対応しています。[6] 旋盤加工だけで粗度が出ない場合は、溝入れ後に研削で仕上げる工程を組み合わせることになります。 近い考え方の事例として、超電導磁石クライオスタット用Kovarフランジのシール溝加工があります。同軸度0.003mm、真円度0.002mm、粗度Ra0.1まで作り込み、要求値の5倍良いヘリウムリーク率を達成しました。[5] これはエラストマーのOリングではなく金属ガスケットのシール溝ですが、「溝の幾何精度と粗度が、そのまま気密性能の数値に跳ね返る」という点は、真空用Oリング溝でも同じように確認すべき考え方です。量産の安定性を見るなら、幅・深さ公差をインプロセスで全数測定しているか、抜取りかも合わせて聞いてください。[4]
図面で見ておきたい条件
- 図面にOリング溝の粗度だけ書いてあり、真空・ガス用か液体用かの区別がない場合、加工後にリーク確認や再加工が発生しやすくなります。真空・ガス用の溝底面は液体用より微細な粗度が必要になるためです。[1][3]
- 溝側面の粗度は底面と別条件で決まるため、粗度記号を一括で指定すると、狙った気密性能が出ない場合があります。[1]
- 幅・深さの公差だけでなく、コーナーRの範囲まで指定しないと、Oリングの挟み込みや押し出し(ニブリング)のリスクが残ります。[1]
相談前に知っておきたいこと
- 深江特殊鋼はOリング(エラストマー)自体の製造・供給は行っていません。加工対象は金属またはPEEK等の溝側の母材です。
- JIS B 2401など特定のOリング規格への社内適合実績は本ページ時点で確認できていません。規格指定がある場合は、その規格と該当寸法を図面に明記してください。
業界での実機事例(参考)
よくある質問
図面が確定していなくても、Oリング溝だけの加工相談はできますか?+
溝の粗度だけ指定すれば、加工方法はお任せでよいですか?+
Oリングの材質(NBR、FKM、FFKMなど)によって、溝の指定は変わりますか?+
JIS B 2401などの規格に合わせた溝寸法で加工できますか?+
溝だけでなく、フランジ面やチャンバー本体もまとめて相談できますか?+
初回相談で何を伝えると回答が早くなりますか?+
リーク試験や気密試験まで対応してもらえますか?+
アルミやSUS316L以外の材料でも相談できますか?+
少量・試作でも溝加工の相談はできますか?+
既存の外注先でリークが出ている案件も相談できますか?+
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参考事例・文献
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