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油穴付きドリルとは

読み: あぶらあなつきどりる

油穴付きドリルとは、工具内部に切削油を通す通路を持ち、刃先まで直接給油しながら穴あけができるドリルである。

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概要

一般的なツイストドリルは、外部からノズルで切削油をかけながら加工するのが基本で、切削油は工具の外側を伝ってワークと工具の隙間に入り込む。穴が浅いうちは問題にならないが、穴が深くなるほど切削油が刃先まで届きにくくなり、切りくずの排出も追いつかなくなる。

油穴付きドリルは、この問題を工具内部に設けた通路(油穴)で解決する。主軸側から供給された切削油が工具内部を通って刃先近くから噴出するため、外部給油よりも刃先の冷却と切りくずの排出を安定させやすい。

通常ドリルとの違い

通常のツイストドリルと油穴付きドリルは、外形上は似ているが、内部構造が異なる。油穴付きドリルは工具の中心軸に沿って、あるいはらせん状に切削油の通路が設けられており、この通路を通じてスルースピンドルクーラントなど主軸側の給油設備と接続して使う。

通常ドリルより工具自体の製造コストは高くなるが、深めの穴や難削材の加工では、切りくずの排出性と工具寿命の向上によってトータルでのコストメリットが出ることが多い。

適用範囲と深穴加工との境界

油穴付きドリルは、通常のツイストドリルでは対応が難しくなる深さの手前から、専用のガンドリル加工に切り替わるまでの中間的な領域で使われることが多い。目安として、ツイストドリルで対応できる深さは穴径の30倍程度までとされ、それを超える深穴や高い真直度が求められる穴では、ガンドリル加工やBTA加工といった専用工法が使われる。

油穴付きドリルは、通常のマシニングセンタに装着できる汎用性を保ちながら、切削油の給油経路だけを深穴向けに強化した工具という位置づけであり、専用機を必要とするガンドリル・BTA加工とは適用できる深さの目安が異なる。

使用上の注意点

油穴の内径は工具の外径に比べて細いため、切りくずが油穴自体に詰まることは通常ないが、油穴の出口周辺に切りくずが絡みつくと給油が妨げられ、急激な工具摩耗や折損につながることがある。切削条件(送り速度・回転速度)と切削油の圧力・流量を、工具の油穴の仕様に合わせて設定する必要がある。

また、油穴付きドリルを使うには、機械側がスルースピンドルクーラントに対応している必要があり、対応していない設備では工具本来の性能を発揮できない。

よくある誤解

油穴付きドリルを使えば、深穴加工の専用工法(ガンドリル・BTA加工)は不要になる。

油穴付きドリルは通常のツイストドリルより給油性能を高めた工具だが、対応できる深さには限界がある。穴径の30倍程度を大きく超える深穴や高い真直度が求められる加工では、依然として専用工法が必要になる。

油穴付きドリルはどの機械でも性能を発揮できる。

工具内部の油穴に切削油を送るには、機械側がスルースピンドルクーラントなど主軸内給油に対応している必要がある。対応していない設備では外部給油と大差ない使い方になり、工具本来の性能を発揮できない。

よくある質問

油穴付きドリルはどのくらいの深さの穴まで対応できますか。+
工具径や材質、切削条件によって変わるため一律には決められないが、通常のツイストドリルの限界(穴径の30倍程度)を多少超える範囲までが目安になる。それ以上の深さはガンドリル加工やBTA加工が適する。
油穴付きドリルとガンドリルは何が違いますか。+
油穴付きドリルは通常のマシニングセンタに装着できる汎用工具に給油機能を加えたものであり、ガンドリルは専用機で使うことを前提に設計された深穴専用工具である。対応できる深さと真直度の水準が異なる。
油穴付きドリルでの加工を外注する場合、何を伝えればよいですか。+
材質、穴径、深さ、要求精度を伝えると、油穴付きドリルで対応できる範囲か、専用の深穴加工工法に切り替えるべきかを加工先が判断しやすくなる。

関連用語

出典

  1. 油穴付きドリルの構造と通常ドリルとの給油方式の違い(工具工学に関する一般的な知見)

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