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チップブレーカとは

読み: ちっぷぶれーか

チップブレーカとは、切削工具のすくい面に設けた突起や溝によって、発生した切りくずを細かく分断する構造である。深穴加工では切りくずが穴の中に長くつながったまま滞留すると工具の摩耗・欠損や穴の内面損傷につながるため、切りくずの分断性を高める目的で使われる。

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概要

切削加工で発生する切りくずは、材質によっては長くつながった状態のまま排出されやすい。特に深穴加工では、切りくずが穴の内部を通って排出されるため、長くつながった切りくずが工具の溝に詰まったり、穴の内面を傷つけたりする問題が起きやすい。

チップブレーカは、刃先のすくい面に突起や溝を設けることで、切りくずに強制的に曲げや折れの力を加え、細かく分断する構造である。分断された切りくずは詰まりにくく、排出性が向上する。

深穴加工での役割

ガンドリルの高送りタイプには、すくい面にチップブレーカとしての機能を持つ突起や溝が設けられている。これにより切りくずの分断性が向上し、標準タイプの2〜3倍の送り速度でも精密な加工が可能になっている。

切削抵抗が低く保たれることも高送り加工を支える要素であり、チップブレーカによる分断性の向上と合わせて、深穴加工の能率を高める工夫の一つになっている。材質によって切りくずのつながりやすさが異なるため、対象材料に応じたチップブレーカの形状選定が必要になる。

よくある誤解

チップブレーカは切削油の排出経路のことである。

チップブレーカは切りくずを分断するための刃先形状(突起・溝)であり、切削油の排出経路(V溝やボーリングバー内部の流路)とは別の構造である。

チップブレーカがあれば送り速度をいくらでも上げられる。

チップブレーカは切りくずの分断性を高める構造だが、送り速度は工具剛性や材質の切削条件との兼ね合いで決まる。分断性が向上しても、工具や設備の許容範囲を超えた送り速度は工具摩耗や精度悪化につながる。

よくある質問

チップブレーカはどの工具にも付いていますか?+
標準的な工具にも刃先形状としてある程度の分断機能を持つものはありますが、深穴加工の高送りタイプのように、明確にチップブレーカとしての突起や溝を持たせた工具は用途に応じて選定されます。
銅合金のような切りくずがつながりやすい材質にも効果がありますか?+
材質ごとに切りくずのつながりやすさが異なるため、チップブレーカの形状や切削条件を材質に合わせて調整する必要があります。銅合金は粘りがあり切りくずが長くつながりやすいため、工具側の対策が特に重要になります。
チップブレーカがあれば切りくずの排出トラブルはなくなりますか?+
分断性は向上しますが、切削油の供給条件や送り速度など他の要素との組み合わせで初めて安定した排出が実現します。チップブレーカだけで全ての排出トラブルが解消するわけではありません。

関連用語

出典

  1. BTA・ガンドリル加工.com 技術コラム「ガンドリル加工で使用されるドリルについて」(深江特殊鋼)

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