Meta-NaviProduced by 深江特殊鋼株式会社

銅の粗加工を外注するとき、変形・工具溶着・歩留まりで何を確認すべきか?

銅は柔らかく展延性が高いため、粗加工では工具への溶着(ビルドアップエッジ)とワークのたわみ・変形が主な失敗要因になります。まず切り込み量、支給材の公差、変形対策の3点を数値で確認します。[1][2]

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とりあえず相談してみる元 topic: /topics/metal/copper-rough-machining-outsourcing

まず確認すること

最初に確認すべきなのは、変形や工具溶着が起きるかどうかという結果だけではありません。公開実例では、C1020-O軟化銅のブスバー(800×120×t20mm)で平面度0.1mm/800mmの要求に対し、通常条件のまま加工した場合は守れなかったところを、専用治具を使い、低送り高速切削で加工したうえで応力除去熱処理をかけ、0.06mm/800mmまで確保しています。[6] 銅は柔らかく展延性が高いため[2]、切り込み量や支持方法を誤ると、粗加工の段階でこの種の変形が起きます。

材料: 無酸素銅(C1020)、タフピッチ銅(C1100)、りん青銅(C5191)など銅合金の種別、調質状態、ミルシート[3]
素材公差: JIS H 3250の丸棒径公差クラス(標準級・特殊級)と長さ指定時の公差+10/-50mm[3]
粗加工条件: 切り込み量の目安3〜10mm、仕上げ代0.1〜0.5mm、旋削速度100〜400m/min、送り0.1〜0.5mm/rev[5]
切断・二次加工代: 切断面のすくい角15度以上、旋削前の取り代1〜5mm[4]
変形対策: 張り出し・薄肉部の支持方法、治具、応力除去熱処理の要否[2][6]
工程: 調達・切断、粗加工、仕上げ、検査順、ロット数と納期

納期が遅れやすいポイント

  • 粗加工後にワークが反り、仕上げ代が足りなくなる
  • 工具に銅が溶着(ビルドアップエッジ)して面が荒れる[2]
  • 支給材の公差が図面と合わず、粗加工の取り代を読み違える[3]
  • 薄肉・張り出し形状で加工中にたわみ、寸法がばらつく[2]
  • 図面に無酸素銅かタフピッチ銅かは書いてあっても、りん青銅を含めた合金ごとに加工条件がどう変わるかまでは社内の誰も把握していない

Q. なぜ銅は粗加工で変形や工具溶着が起きやすいのか?

A. 銅は柔らかく展延性が高いため、工具への溶着(ビルドアップエッジ)とワークのたわみ・変形が主な原因になります。[2] 銅はアルミより比重が重い一方、柔らかく展延性が高い材料です。この性質が、工具への溶着による面荒れと、張り出し・薄肉形状でのたわみの主な原因になります。張り出し部分がある形状では、加工中の曲がりに注意する必要があります。[2] 一方で、切削力そのものは表面の酸化状態にほとんど左右されず、条件が同じであれば比較的安定して推移することが確認されています。[1] つまり、材料ロットの表面状態を疑う前に、まず工具への溶着と支持方法を確認したほうが、原因を早く切り分けられます。 公開済みの加工事例では、C1020-O軟化銅のブスバー(800×120×t20mm)で、通常条件のまま加工した場合に平面度0.1mm/800mmの要求を守れなかった実例があります。[6] 深江特殊鋼側では、専用治具、低送り高速切削、加工後の応力除去熱処理(250℃×2h)を組み合わせ、平面度0.06mm/800mmを達成しています。[6]

Q. 粗加工でまず何を数値で確認すべきか?

A. 切り込み量、支給材の公差、切断代、工具のすくい角の4つです。[3][5] 非鉄材料の旋削では、粗加工の切り込み量3〜10mmに対し、仕上げ代0.1〜0.5mmという目安があります。[5] 切り込み量を大きく取りすぎると、銅の柔らかさと相まってワークがたわみやすくなります。 切断工程では、無酸素銅・タフピッチ銅は粘りが強くチップの分断が悪いため、すくい角15度以上を確保し、切断面には旋削の取り代を1〜5mmほど見込みます。[4] 支給材そのものの公差も見ておく必要があります。JIS H 3250では、丸棒の径公差が寸法帯ごとに標準級・特殊級で分かれ、長さ指定時の公差は+10/-50mmです。[3] この公差を粗加工前の取り代計算に織り込まないと、歩留まりを読み違えます。 自社の切断ライン、6面フライス自動ライン、大型NC旋盤(最大φ1,200×15m)の対応範囲に、今回の素材寸法と数量が収まるかも合わせて確認します。[7]

Q. 外注先には何を聞くべきか?

A. できますという回答ではなく、近い材質・形状での実例、変形対策、公差の確認方法まで聞いてください。 外注先に「銅の粗加工はできますか」と聞くと、多くの場合はできますという返答になります。聞くべきなのは、無酸素銅かタフピッチ銅か、あるいはりん青銅か、どの銅合金でどんな形状を粗加工した実例があるかです。張り出しや薄肉部がある形状で、変形をどう抑えたか、治具や送り条件、熱処理の要否をどう判断したかを確認します。[2][6] あわせて、支給材のミルシートで合金番号・調質状態を確認しているか、JIS H 3250のような公差規格を前提に取り代を計算しているかも聞きます。[3] 切断からの二次加工代(旋削前の取り代1〜5mm)をどう見積もっているかも、歩留まりに直結します。[4] 深江特殊鋼側で示せる公開実例は、C1020-O軟化銅ブスバーの粗加工で、専用治具を使い、低送り高速切削で加工したうえで応力除去熱処理をかけ、平面度0.06mm/800mmを達成した事例です。[6] この事例と自社図面を比べると、形状の張り出し具合や公差の厳しさがどの程度近いかが見えます。設備面では、切断ラインから6面フライス、大型NC旋盤までを自社で対応できる範囲も確認材料になります。[7]

関連するものづくりトピックス

業界での実機事例(参考)

よくある質問

図面がまだ固まっていなくても相談できますか?+
はい。材質、寸法、公差、数量、希望納期がすべて固まっていなくても、現時点の図面、手書きメモ、既存品の写真から確認できます。銅は合金の種類(無酸素銅かタフピッチ銅か)と張り出し・薄肉部の有無で加工条件が変わるため、その2点だけ先に分かれば見積前の確認が進められます。
無酸素銅かタフピッチ銅か、材質の呼び方があいまいでも相談できますか?+
相談できます。C1020、C1100、無酸素銅、タフピッチ銅など呼称が混在する場合でも、ミルシートや材料規格が分かれば確認できます。支給材か材料手配込みかも合わせて見ると判断しやすくなります。
銅合金の種類によって粗加工の条件を変える必要がありますか?+
変わります。無酸素銅・タフピッチ銅は粘りが強くチップの分断が悪く、りん青銅や黄銅は比較的機械加工性が良いなど、合金の種類によって切り込み量や工具の考え方が変わります。図面の合金番号を先に確認します。
変形対策として熱処理は必ず必要ですか?+
形状と公差次第です。張り出しや薄肉部があり、平面度や真直度の要求が厳しい場合は、専用治具や低送り条件に加えて応力除去熱処理を検討します。要求が緩い場合は治具・送り条件の見直しだけで収まることもあります。
支給材と材料手配込み、どちらでも相談できますか?+
どちらも相談できます。支給材の場合は事前にミルシートで合金番号、調質状態、寸法公差を確認します。材料手配込みの場合は、JIS H 3250などの規格を前提に取り代を見込んだ発注ができます。
見積もり初回に何を伝えると回答が早くなりますか?+
材質(合金番号)、素材寸法、仕上がり寸法と公差、数量、希望納期、変形が問題になりやすい形状(張り出し・薄肉部の有無)があると早いです。すべて揃っていなくても、図面があれば不足条件を確認できます。
納期はどれくらいかかりますか?+
形状、数量、支給材か材料手配込みか、熱処理の要否で変わります。近い条件の実例をもとに目安を伝えられるため、まず現時点の条件で確認してください。
短納期案件でも対応可否を見てもらえますか?+
見られます。短納期では、材料が支給か手配込みか、粗加工だけか仕上げ・検査まで含むかで回答速度が変わります。まず現時点の条件で確認できます。
銅以外の非鉄材料でも同じ考え方で確認できますか?+
できます。黄銅、りん青銅、アルミなどでも、材料公差、切り込み量、変形対策で切り分ける考え方は共通です。ただし材料ごとに柔らかさやチップの出方が違うため、条件は個別に見ます。
既存の外注先で反りや寸法不良が出ている案件も相談できますか?+
相談できます。現在の切り込み量、支持方法、材質の調質状態、発生している不良の内容が分かると、原因の切り分けがしやすくなります。外注先名は不要です。

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参考事例・文献

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