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ノックピン穴とは

読み: のっくぴんあな

ノックピン穴とは、部品同士を組み立てる際に位置決め用のノックピン(ダウエルピン)を挿入するための穴で、締結力を受け持つボルト穴とは別に、位置の再現性を担保する目的であけられる精密穴である。

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概要

ボルトだけで部品を固定すると、締め付け時のボルト穴とボルトのすきまの分だけ部品の位置がずれる余地が残る。金型や治具、機械部品の組み立てでは、この位置ずれが製品精度に直結するため、位置決め専用のノックピンと、それを通すノックピン穴が使われる。

役割を分けると、ボルトとボルト穴は締結力(部品を押さえつける力)を受け持ち、ノックピンとノックピン穴は位置の再現性を受け持つ。一度組んだ部品を分解して再度組み立てても、同じ位置に戻せることがノックピン穴の存在意義である。

はめあい公差の考え方

ノックピン穴は、ノックピンの外径に対してすきまがほとんどない、あるいはわずかに締めしろを持つはめあいで仕上げることが多い。一般的なボルト穴が「通ればよい」精度であるのに対し、ノックピン穴は穴径の公差そのものが位置決め精度に直結するため、H7クラスなど精密なはめあい公差で指定されることが多い。

穴径がわずかに大きいだけでもピンとのすきまが生じ、位置決め精度が失われる。逆に小さすぎるとピンが入らず、無理に圧入すれば穴やピンを傷める。図面での公差指定と、それに対応した加工・仕上げ方法(リーマ加工など)が精度を左右する。

加工順序と複数穴の位置関係

ノックピン穴は多くの場合、上下または左右で組み合わさる部品の両方に、対になる位置であける必要がある。片方の部品の穴位置を基準にもう片方を加工する、あるいは組み立てた状態で両方に通し穴を加工する(合わせ加工)など、加工順序によって最終的な位置精度が変わる。

1つの部品に複数のノックピン穴がある場合は、穴同士の相対位置(ピッチ)の精度も重要になる。ピッチがずれると、片方のピンは入ってももう片方が入らない、あるいは無理に力をかけて組むことになり、繰り返し分解・組み立てをする用途では摩耗や位置ずれの原因になる。

よくある誤解

ノックピン穴とボルト穴は、どちらも部品を固定するための穴なので同じ精度でよい。

ボルト穴は締結力を受け持ち、多少のすきまを許容する。ノックピン穴は位置決めそのものを担うため、穴径の公差が製品精度に直結し、より精密なはめあい公差(H7クラスなど)で仕上げる必要がある。

ノックピン穴が入らなければ、径を少し大きくして通ればよい。

径を緩めると位置決め機能そのものが失われる。入らない原因が穴位置のずれかピン径の選定違いかを先に切り分け、位置決め精度を保ったまま対処する必要がある。

よくある質問

ノックピン穴の公差はどのくらいが一般的ですか?+
用途によりますが、精密な位置決めが必要な金型・治具ではH7クラスのはめあい公差で仕上げることが多いです。求める再現性の精度に応じて公差指定と加工方法(リーマ仕上げなど)を検討します。
ノックピン穴とボルト穴、どちらを先に加工しますか?+
決まった順序があるわけではありませんが、位置決め精度を優先する場合はノックピン穴側の基準を先に確定させ、それに合わせてボルト穴を加工する手順が取られることが多いです。組み合わせる部品双方の加工順序を事前にすり合わせる必要があります。
既存部品にノックピン穴を追加加工することはできますか?+
可能な場合が多いですが、追加する位置が既存の穴や形状と干渉しないか、加工時の治具固定が安定するかを事前に確認する必要があります。現物または図面の提供があると判断がしやすくなります。

関連用語

出典

  1. JIS B 0401(寸法公差及びはめあい)

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