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ダイセットとは

読み: だいせっと

ダイセットとは、プレス金型において上型と下型を正しい位置関係に保ちながら上下運動を案内する基礎構造で、上型プレート・下型プレートとそれらを結ぶガイドポスト・ガイドブシュから構成される部品である。

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概要

プレス金型は上型と下型がずれずに噛み合って初めて狙った形状を打ち抜き・成形できる。ダイセットはこの上下位置関係を保証する土台で、金型本体(パンチ・ダイ)はこのダイセットの上に取り付けられる。ダイセット自体は製品形状を作る部分ではないが、ここでの位置精度が崩れると製品側の寸法・バリ・かじりに直接影響する。

構成要素は上型プレート、下型プレート、両者を連結して案内するガイドポスト(円柱状の軸)と、ガイドポストが摺動するガイドブシュである。ガイドポストが下型プレートに固定され、ガイドブシュが上型プレート側で摺動する組み合わせが一般的である。

ガイドポスト穴の精度が重要な理由

ガイドポストとガイドブシュは、プレス動作中に上型を正しい軌道に案内する役割を持つ。この案内が甘いと、パンチとダイの間に生じるクリアランス(隙間)が上下運動のたびに変動し、打ち抜き面のバリや型の片当たりの原因になる。

ガイドポストを固定する穴、ガイドブシュを圧入する穴はいずれも位置度・同軸度の要求が厳しい。特に複数本のガイドポスト穴がある場合、穴同士の相対位置がずれると、組み立て時にガイドポストが斜めに入ってしまい、摺動抵抗の増加や早期摩耗につながる。

深穴加工との関係

大型のダイセットでは、ガイドポスト穴に加えて、型内部の冷却水路やエア抜き穴など、板厚方向に長い穴を複数本あけるケースがある。板厚が大きくL/D比(穴径に対する深さの比)が大きい穴は、通常のドリルでは真直度が出しにくく、ガンドリル加工やBTA加工が使われる。

既存のダイセットに後から冷却水路を追加する改造・補修の依頼では、既にある穴や段差を避けて新規の穴を通す必要があり、位置決めの制約が新規加工より厳しくなる場合が多い。

補修・メンテナンスでの注意点

ダイセットは金型の中でも消耗が少ない部品とされるが、ガイドポスト穴の摩耗やかじりが進むと、上型プレート全体の交換ではなく穴部分の補修(ブシュの打ち替え、穴の拡大・再仕上げ)で対応できる場合がある。摩耗した穴をそのまま拡大加工する際は、既存穴の中心軸に対する真直度・同軸度を保ったまま径を広げる必要があり、新規穴あけとは異なる技術が求められる。

よくある誤解

ダイセットは金型の土台に過ぎないので、精度要求は本体(パンチ・ダイ)より緩くてよい。

ダイセットのガイドポスト穴の位置精度が甘いと、パンチとダイのクリアランスが運動中に変動し、製品のバリや型の早期摩耗という形で精度要求以上の悪影響が出る。土台こそ精度の起点になる。

摩耗したガイドポスト穴は、径を大きくして新しいブシュを入れれば元通りになる。

穴を拡大する際に中心軸の真直度や既存穴との同軸度がずれると、かえって摺動不良を招く。既存穴を基準にした精密な再加工が必要で、単純な拡大加工では解決しないことがある。

よくある質問

ダイセットのガイドポスト穴はどのくらいの精度が必要ですか?+
求められる公差は金型の用途や打ち抜き精度の要求によって異なりますが、ガイドポストとガイドブシュのはめあいはすきまばめが基本で、位置度・同軸度が緩いと運動中のがたつきの原因になります。図面での公差指定を確認したうえで加工方法を決めるのが確実です。
既存のダイセットに冷却水路を追加加工することはできますか?+
可能な場合が多いですが、既存のガイドポスト穴や補強リブなどを避けて穴を通す必要があり、新規加工より位置決めの制約が厳しくなります。現物または図面を確認したうえで可否と工法を判断します。
ダイセットの材質にはどのようなものが使われますか?+
S45CやSS400などの構造用鋼が一般的です。摺動部であるガイドポスト・ガイドブシュには、耐摩耗性を高めるためSUJ2(軸受鋼)や浸炭焼入れを施した鋼材が使われることもあります。

関連用語

出典

  1. プレス金型工学における一般的なダイセット構造・ガイドポスト機構の解説(金型技術教科書的知見)

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