鋳巣とは
読み: いす
鋳巣とは、鋳造品の内部や表面近くに残るガスや収縮に起因する空洞状の欠陥である。
概要
鋳巣は、溶けた金属が型に注がれてから凝固するまでの過程で生じる空洞状の欠陥である。溶湯中に巻き込まれたガスが抜けきらずに残る「ガス巣」と、凝固の際に体積が収縮することで生じる「引け巣」に大別される。鋳鋼・鋳鉄・アルミ鋳物など、鋳造で作られる素材に共通して起こりうる欠陥である。
発生する場所と影響
鋳巣は素材の内部に残ることが多く、外観だけでは分からない場合がある。加工で表面を削っていくと、内部にあった鋳巣が加工面に現れて初めて発見されることもある。圧力を受ける部品や、深穴加工でその鋳巣を貫通してしまう部品では、強度や気密性に直接影響するため、鋳巣の有無・大きさが品質上の重要な確認項目になる。
確認方法
表面に現れた鋳巣は目視やボアスコープで確認できるが、内部に残る鋳巣は非破壊検査(超音波探傷、放射線透過検査など)でなければ検出できない。深穴加工で穴をあける前に鋳巣の有無を確認しておくと、加工中に鋳巣を貫通して不良になるリスクを事前に把握できる。
よくある誤解
✕ 鋳巣は加工前の外観確認で全て見つかる。
○ 鋳巣は素材内部に残ることが多く、外観だけでは分からない場合がある。内部の鋳巣を確認するには超音波探傷や放射線透過検査といった非破壊検査が必要になる。
✕ 鋳巣が見つかったら必ず素材不良である。
○ 鋳造品には一定の欠陥基準(許容できる大きさ・数)が規格や仕様で定められている場合があり、基準内であれば不良として扱わないこともある。判定は図面・仕様書の基準に照らして行う。
よくある質問
鋳巣はどんな素材で起こりやすいですか?+
鋳鋼、鋳鉄、アルミ鋳物など鋳造で作られる素材で起こりうる欠陥である。鍛造材や圧延材にはこの種の欠陥は基本的に生じない。
深穴加工で鋳巣が問題になるのはなぜですか?+
穴あけの途中で鋳巣を貫通すると、内面に空洞が現れて気密性や強度に影響する。圧力を受ける部品では特に注意が必要で、事前の非破壊検査で鋳巣の有無を把握しておくことが望ましい。
鋳巣が見つかった場合、加工は続けられますか?+
大きさや位置、部品の要求品質によって判断が変わる。許容基準内であれば加工を続けられる場合もあるが、圧力・気密性が求められる部品では素材の交換が必要になることもある。
関連用語
出典
- 鋳造欠陥の分類(ガス巣・引け巣)に関する一般的な鋳造工学の知見
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