圧延ロールとは
読み: あつえんろーる
圧延ロールとは、金属の板材や線材を2本一組のロール間に通し、圧力を加えて厚みを薄くしたり形状を整えたりする工業用の円筒部品で、冷却や軽量化のために中心に穴(芯抜き穴)をあけるものがある。
概要
圧延加工は、回転する2本以上のロールの間に金属素材を通し、圧力で厚みや断面形状を変える加工である。圧延ロール自体は非常に大きな荷重を繰り返し受けるため、表面硬度と芯部の靭性を両立させた材質・熱処理が選ばれる。
中実(無垢)のロールに加えて、内部を中空にした圧延ロールもある。中心穴を通すことで、ロール内部に冷却水を循環させて表面温度を一定に保ったり、ロール自体を軽量化して駆動負荷を下げたりする目的で使われる。
中心穴(芯抜き穴)と深穴加工の関係
圧延ロールの中心穴は、ロール径に対して長さが長い大径長尺の深穴になることが多い。深江特殊鋼の実績例として、SCM440材でφ560×長さ6,800mmのロール部品の加工がある。このような大径・長尺の穴あけは通常のドリルでは対応できず、BTA加工のような専用工法が使われる。
圧延ロールは高速で回転しながら荷重を受けるため、中心穴が外周に対して偏心しているとロール表面の圧延圧力にムラが生じ、圧延される製品の板厚精度にまで影響が及ぶ。中心穴の真円度・同軸度は、通常の軸物以上に厳しく管理される。
材質と加工上の注意点
圧延ロールにはSCM440などの構造用合金鋼のほか、表面の耐摩耗性を高めるための鋳鉄(チルド鋳鉄など)や、表面のみ焼入れした複合構造のロールもある。芯抜き穴をあける工程は、多くの場合、表面の焼入れ・研削などの仕上げ加工より前、素材に近い段階で行われる。
これは、穴あけ加工による内部応力の変化や熱の影響を、後工程の精密仕上げより先に落ち着かせておくためである。加工順序を誤ると、後工程の研削で外周精度を出しても、内部応力の変化で徐々に真円度が崩れることがある。
よくある誤解
✕ 圧延ロールの中心穴は、単に軽量化のための穴なので精度はそれほど問われない。
○ 中心穴の同軸度がずれると、回転中のロール表面の圧力にムラが出て、圧延される製品の板厚精度にまで影響する。中心穴は軽量化だけでなく回転精度そのものを左右する。
✕ 大径ロールの中心穴あけは、表面の焼入れ・研削仕上げの後に行っても問題ない。
○ 穴あけによる内部応力の変化が後から表面精度を崩すことがあるため、通常は焼入れ・研削などの精密仕上げより前に穴あけを行い、応力を落ち着かせてから仕上げ工程に進む。
よくある質問
圧延ロールの中心穴はどのくらいの大きさまで対応できますか?+
圧延ロールの中心穴あけと外周の仕上げ加工は、どちらを先に行いますか?+
圧延ロールにはどのような材質が使われますか?+
関連用語
出典
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