中空シャフトとは
読み: ちゅうくうしゃふと
中空シャフトとは、断面が中実(無垢)ではなく内部に貫通穴や止まり穴を持つ軸部品で、回転運動の伝達という機能を保ちながら、軽量化や内部配管の確保を目的にあけられる部品である。
概要
シャフト(軸)は本来、無垢の丸棒から削り出すのが最もシンプルだが、回転体としての強度を保ったまま軽くしたい、あるいは軸の内部を配管や配線の通路として使いたいという要求から、中心に穴をあけた中空シャフトが使われる。産業機械の回転軸、印刷機のロール軸、油圧・空圧配管を内蔵する軸などが代表的な用途である。
無垢材シャフトと比べると、同じ外径であれば中空シャフトの方が軽量だが、断面二次モーメント(曲げ・ねじりに対する強さの指標)は穴の分だけ小さくなる。軽量化と剛性はトレードオフの関係にあり、設計段階で穴径と肉厚のバランスを決める必要がある。
深穴加工との関係
中空シャフトの中心穴は、シャフトの長さに対して穴径が小さいほどL/D比(穴径に対する深さの比)が大きくなり、通常のドリルでは真直度を保てなくなる。このため長尺の中空シャフトの中心穴には、ガンドリル加工やBTA加工が使われることが多い。
シャフトは回転部品であるため、中心穴が外周に対して偏心していると回転時の振れやアンバランスの原因になる。外周と中心穴の同軸度は、無垢材の外形加工以上に管理が難しく、深穴加工の工程と旋盤加工の工程をどの順序で組むかが最終精度を左右する。
加工順序と精度確保の考え方
一般的には、外周をある程度荒加工した状態で中心穴をあけ、その後に外周の仕上げ加工を行う順序が取られる。これは、中心穴をあけた後の素材はわずかにたわみやすくなるため、先に外周を仕上げてしまうと穴あけの振動で外周精度が崩れるおそれがあるためである。
穴あけ後に熱処理を行う場合は、熱処理によるひずみで穴の真直度や外周との同軸度が変化することがあり、熱処理後に仕上げ加工の工程を追加するかどうかも設計上の判断点になる。
よくある誤解
✕ 中空シャフトは、無垢材シャフトの中心に後から穴をあければ同じように作れる。
○ 中心穴の位置は外周に対する同軸度が回転精度を左右するため、無垢材の外形を先に仕上げてから穴をあけると、加工時の振動で外周精度が崩れることがある。加工順序を含めた工程設計が必要になる。
✕ 軽量化のためには、中心穴はできるだけ大きくした方がよい。
○ 穴を大きくするほど断面二次モーメントが下がり、曲げ・ねじりに対する剛性が落ちる。軽量化と強度はトレードオフであり、必要な剛性を満たす範囲で穴径を決める必要がある。
よくある質問
中空シャフトの中心穴はどのくらいの精度が求められますか?+
中空シャフトの材質にはどのようなものが使われますか?+
既存の無垢材シャフトを中空化する改造は可能ですか?+
関連用語
出典
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