スピンドルシャフトとは
読み: すぴんどるしゃふと
スピンドルシャフトとは、工作機械や産業機械において、ワークまたは工具を回転させる主軸を構成する軸部品で、回転精度と剛性が加工機全体の性能を左右する部品である。
概要
旋盤ではワークを、フライス盤やマシニングセンタでは切削工具を、それぞれ回転させて加工が行われる。この回転を生み出す軸がスピンドルシャフトで、工作機械の心臓部にあたる部品といえる。スピンドルシャフトの精度・剛性がそのまま、その工作機械で作れる製品の精度限界を決める。
スピンドルシャフトは中空構造のものも多く、内部に工具の着脱機構や配管を通す穴を持つ。この中心穴の精度は、外周の回転精度と並んで管理される。
剛性と精度の両立
スピンドルシャフトの材質選定では、剛性の高いSCM440などの構造用合金鋼が選ばれることが多い。剛性が不足すると、加工中の切削抵抗でシャフトがたわみ、加工精度や面粗度が悪化する。
剛性に加えて重要なのが同軸度と内外径の寸法精度である。加工中にびびりや振れ、たわみが起きないよう、専用治具でのチャック方法や、断続切削ではなく連続切削にするといった工夫が加工時に求められる。
大径スピンドルの深穴加工
一般に穴径φ100以上を大径と呼ぶことが多く、ここまでの径になる中心穴を高精度に加工できる設備は限られる。深江特殊鋼にはSCM440材でφ290×長さ591mmの素材にφ118の穴を貫通加工した旋盤用スピンドル、φ246×長さ1,393mmの素材にφ173の穴をあけた地質調査機械用スピンドルなどの実績がある。
スピンドルの加工方式は、旋盤加工(外形)、BTA加工(比較的大径の長尺穴)、ガンドリル加工(比較的小径の長尺穴)、研削加工(切削よりさらに高精度な仕上げ)の4種類が使われることが多く、径・長さ・要求精度の組み合わせで工法を選ぶ。
よくある誤解
✕ スピンドルシャフトは剛性の高い材質を使えば、加工精度も自動的に確保できる。
○ 剛性は材質選定の段階で確保するものだが、実際の回転精度は同軸度や内外径の寸法管理、加工中のびびり・振れ対策によって決まる。材質選定と加工方法の両方が精度を左右する。
✕ 大径のスピンドルほど、穴あけ加工は簡単になる。
○ 大径になるほど対応できる設備自体が限られ、長尺になれば工具のたわみや同軸度の管理がむしろ難しくなる。大径・長尺のBTA加工に対応できる保有設備の有無が発注先選定の条件になる。
よくある質問
大径スピンドルとはどのくらいの径からですか?+
スピンドルシャフトの材質はSCM440以外も選べますか?+
スピンドルシャフトの中心穴はどの工法で加工されますか?+
関連用語
出典
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