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理化学・ライフサイエンス機器の部品加工は、どの数値を発注条件として確認すべきか?

理化学・ライフサイエンス機器の部品加工では、まずその部品が装置のどの数値を担っているかを確認します。安全キャビネットの作業台のように装置として測る性能値から降りてくる部品[2]と、試験室用電気機器に共通の安全要求(金属製つまみの表面温度55℃以下など)に関わる部品[1]では、図面で押さえる条件が変わります。

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その部品が装置のどの数値を担っているか分からない段階でも、装置名と分かっている条件だけで送ってください。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!要求精度の切り分けから一緒に進めます。

まず確認すること

理化学機器の部品加工で最初に決まるのは、加工方法ではなく、その部品が装置のどの数値を担っているかです。安全キャビネットの作業台なら振動5μm RMS以下[2]、滅菌器の容器なら温度精度±1.5℃以下[3]という装置側の達成値が上流にあり、図面の公差はそこから配分された結果です。深江特殊鋼は、この配分が図面へどう落ちているかの確認から入り、材料と数量をうかがったうえで対応可否と見積を回答します[12]。

装置区分: 安全キャビネット(JIS K3800)[2]、高圧蒸気滅菌器(JIS T7322)[3]、その他の試験室用電気機器(JIS C1010-1)[1]のどれに載る部品か
材料: SUS304、SUS316L、アルミ合金などの材質指定と、薬液や試料に触れる面かどうか、材料証明の要否[14]
面粗度: 封止面や接液面のRa指定値と測定箇所。封止面Ra0.2、内面Ra0.3という加工事例の数値を物差しに判断します[13][14]
寸法公差: 合わせ面の平面度、ボアのはめあい記号(H6など)、位置公差の指定[14]
設置環境: クリーンルームの清浄度クラス(クラス5なら0.5μmの粒子で3,520個/m3)と、発塵に関わる角部処理や表面処理の指定[4]
ガラス部品との組み合わせ: すり合わせ接手の呼び(19/38、24/40など)と、金属側で受ける合わせ面の範囲[5]
数量と納期: 交換部品の単品か量産か、素材は支給か手配込みか、検査記録の要否[12]

納期が遅れやすいポイント

  • 安全キャビネットの整流板やフィルタフレームの図面を渡されたが、規格側にある数値は前面開口の平均流入風速0.50m/s以上や作業台の振動5μm RMS以下といった装置としての達成値で、部品一つに割り付けられた公差の形では書かれていない[2]。
  • 滅菌器の容器やシール部の図面で、温度精度±1.5℃以下という装置側の要求[3]が容器内面の仕上げや扉まわりのどこまでを縛るのかを読み切れない。
  • クリーンルームのクラス5に入る機器だと言われたが、清浄度の基準は空間の粒子数濃度(0.5μmで3,520個/m3)で書かれており、筐体表面をRaいくつに仕上げるかは規格側に書かれていない[4]。
  • ガラス器具と組み合わせる金属部品で、ガラス側のテーパー許容差(長さ10mmに対し±0.006mm)[5]をそのまま金属側の合わせ面へ転記してよいのか判断できない。
  • 生産中止になった分析装置の交換部品を作れる加工先が廃業し、図面と現物だけが手元に残っている。後継者難倒産は2024年1〜10月で455件と、この事情は例外的な事故ではない[8]。

Q. 理化学機器の部品図面に載る数値は、どの規格から降りてくるのか?

A. 装置区分ごとに別の規格が数値を持ちます。試験室用の電気機器に共通する安全要求が一段あり[1]、安全キャビネットや高圧蒸気滅菌器には、さらに個別の性能値が置かれています[2]。 共通の一段にあたるのが、測定用と制御用、試験室用の電気機器の安全性を定めるJIS C1010-1です。対応国際規格はIEC 61010-1:2010とAmendment 1:2016で、対応の程度はMOD(修正)とされています[1]。この規格が持つのは、正常状態の感電保護の電圧限度(交流実効値30V、ピーク値42.4V、直流60V)、周囲温度40℃での表面温度限度(コート金属製外装80℃、プラスチック製外装85℃、金属製つまみ55℃)、機械的ハザードに対する継続的接触圧力50N/cm2以下(力150N以下)といった限度値です[1]。 金属製つまみ55℃という限度は、加工の話に見えないかもしれません。外装や操作部の材料を金属にするか樹脂にするかで限度値が80℃と85℃に分かれる以上[1]、放熱の経路と材料選定は同じ図面の上で決まります。ただしこれらは電気安全の側の限度値であって、部品の寸法公差や面粗度を直接与えるものではありません[1]。 装置区分ごとの規格は、もっと直接に加工へ効く数値を持ちます。バイオハザード対策用クラスIIキャビネットのJIS K3800:2009はNSF/ANSI 49:2007に基づいて作られ、気流とフィルタ、作業台の数値を規定します[2]。高圧蒸気滅菌器のJIS T7322:2005は、温度精度±1.5℃以下、下限積算滅菌温度115℃以上、無菌性保証レベルが10のマイナス6乗以下という達成を求めます[3]。もっともT7322は医療用の滅菌器を対象とした規格で、ウォッシャステリライザとバイオハザード対応滅菌器は適用範囲から外れます[3]。研究用や検査用の滅菌器に同じ基準が当てられているかは、機器メーカーの設計方針によります[3]。 どの規格を持ち出すかは、その機器がどの制度の下で使われるかでも変わります。非臨床安全性試験のデータは、医薬品の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令(GLP省令)に沿って作られたかを医薬品医療機器総合機構が調査する枠組みの下にあります[6]。試験に使う機器の校正や記録の要求はこの枠組みから来るもので、機器の寸法や公差を定めた基準ではありません[6]。隣接する医療機器の側は21の工業会が集まった連合会という構成で[9]、業界の側から単一の標準が降りてくる形にはなっていません。

Q. 面粗度や公差は、装置側のどの数値から決まるのか?

A. 気流や清浄度、滅菌温度といった装置としての達成値が上流にあり、部品の公差はそこから配分されます。規格の側が部品ごとの公差を書いているわけではありません[2]。 クラスIIキャビネットの数値は、まず気流に集まっています。前面開口部の平均流入風速はタイプA1で0.40m/s以上、タイプA2とB1、B2で0.50m/s以上とされ、選定した風速値の±0.025m/sの範囲に収めることが求められます[2]。間口1m当たりの平均排気風量はタイプA1で0.066m2/s以上、その他のタイプで0.100m2/s以上です[2]。HEPAフィルタには、粒径0.3μmの粒子に対して99.97%以上の捕集率と、初期圧力損失245Pa以下が求められます[2]。 この±0.025m/sという幅が、加工側へ効いてきます。フィルタフレームや排気ダクトの接続部にすきまが残れば、そこを通る空気の分だけ開口部の風速分布が動くためです。とはいえ規格が縛っているのは装置として測ったときの値で、フレームの合わせ面をどの公差で作るかまでは書かれていません[2]。配分するのは装置メーカー側で、加工側が受け取るのは配分後の図面です。作業台の振動を3方向で5μm RMS以下、騒音を67dB(A)以下、平均照度を650lx以上(個別値430lx以上)とする要求も同じ形で、作業台の剛性と支持構造の作り方へ降りてきます[2]。 クリーンルームに入る機器では、清浄度クラスが条件として先に来ます。JIS B9920-1:2019はISO 14644-1:2015に対応し、粒径0.1〜5μmの粒子を光散乱式の気中粒子計数器で測って分類します[4]。クラス5なら0.5μmの粒子で3,520個/m3、1μmで832個/m3、クラス7なら0.5μmで352,000個/m3という許容濃度です[4]。ここで注意が要るのは、この表が空間側の基準だという点です。クラス5対応の機器だから筐体をRaいくつに仕上げる、という対応関係を規格自体は示していません[4]。発塵を抑えるための面粗度や角部の処理は、図面での取り決めになります[10]。 ガラス器具と組み合わせる部品では、ガラス側に数値の規格があります。化学分析用ガラス器具の共通テーパーすり接手を定めるJIS R3646:1997は、円すい母線の角度を5°43′30″、テーパーの許容差を長さ10mmに対し±0.006mmとし、19/38の呼びなら大径18.8mm、小径15.0mm、長さ38±1mmと寸法まで決めています[5]。表面粗さはRa1μmを超えないこと、0.5μm未満が望ましいとされます[5]。この±0.006mmはガラス側の接手の規格であり、組み合わせる金属側の治具やフランジに同じ許容差がそのまま課されるわけではありません[5]。金属側で持てる精度の目安は、精密研削でRa0.1〜1.6、寸法精度±0.005mmというレンジです[10]。

Q. 深江特殊鋼に理化学機器の部品加工を相談すると、何がどこまで進むのか?

A. 部品が担う数値と図面の条件を確認したうえで、対応可否と見積を回答します[12]。 最初に伺うのは、材質、面粗度と公差の指定、数量、希望納期の4点です。薬液や試料に触れる面があるかどうかも、材料証明と仕上げの取り決めに関わるため先に確認します[14]。図面が固まる前でも、装置区分と狙っている性能値が分かれば、押さえるべき条件の整理から進められます[12]。 面粗度と平面の管理は、公開している加工事例の数値を物差しにして判断します。コバール気密封止パッケージでは、封止面の平面度0.003mm、面粗度Ra0.2、寸法公差±0.005mmで月産200個を加工しています[13]。薬液や試料が触れる内面の仕上げでは、SUS304のサニタリーバルブボディでボアのはめあいH6、内面Ra0.3を電解研磨まで含めて仕上げた事例があります[14]。精密研削の対応レンジはRa0.1〜1.6、寸法精度±0.005mmです[10]。 ガラスと組み合わせる部品では、金属側の封止面と治具までを受け持ちます[11]。のぞき窓や観察窓のように板ガラスと金属枠を組む部品は、穴と端の距離や強化の工程順といったガラス側の制約と、金属枠の合わせ面の精度を分けて扱います[11]。 生産中止部品や単品の相談には、加工条件より手前の事情が絡むことがあります。長年の加工先が廃業し、図面と現物だけが残っている場合です。2024年の全国の後継者不在率は52.1%、後継者難倒産は2024年1〜10月で455件でした(全産業の統計)[8]。分析装置の交換部品は少量で特殊な寸法のものが多く、図面と過去の検査記録が残っていれば、寸法と材料をたどって再現の可否を判断できます[14]。素材の手配や表面処理を含む案件も、国内認定パートナー150社超のネットワークで、材料と精度、ロット、納期の4軸に合わせて一括で受けます[12]。

図面で見ておきたい条件

  • 相談の最初に、その部品が装置のどの性能値に関わるかをお知らせください。前面開口の流入風速や作業台の振動のように装置として測る数値[2]と、図面が部品へ割り付けた公差では、加工側から提案できる範囲が変わります。
  • クリーンルームに入る機器の部品は、清浄度クラスが分かると表面処理と角部の指定を詰めやすくなります。クラス分類は空間側の粒子数濃度の基準で、部品のRa値を導く式は規格側に置かれていません[4]。図面のRa指定と測定箇所を併せてお知らせください[10]。

相談前に知っておきたいこと

  • 対応可否と費用は、図面と要求精度を確認してから回答します[12]。
  • 装置としての性能値(風速、振動、無菌性保証レベル)の達成可否は装置全体の設計で決まるため、加工側で判断することはできません。部品側で担保できるのは、図面に書かれた寸法公差と面粗度の実現と、取り決めた検査記録の提出です[2][3]。
  • GLPのような信頼性保証の枠組みへの適合そのものは、試験施設と機器メーカー側の手続きです[6]。加工側が受け持つのは、図面指定の寸法と面粗度、材料証明や検査記録の提出範囲です[14]。

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よくある質問

図面が固まっていない段階でも相談できますか?+
相談できます。装置名か用途、材料の見込み、数量、希望納期のうち、分かるものだけで構いません。装置側の性能値と部品の公差の切り分けが未確認の場合は、その整理からお手伝いします。図面や仕様がまだ固まっていなくても、条件を詰める段階から進められます。
安全キャビネットの筐体部品だけの加工も頼めますか?+
部品単位で見積できます。整流板やフィルタフレームのように気流に関わる部品は、合わせ面の平面度とすきまの指定が回答の分かれ目になります。装置として達成する風速の値ではなく、図面がその部品へ割り付けた公差をお知らせください。
クリーンルームに入る機器の部品で、表面処理はどこまで指定すればよいですか?+
清浄度クラスと、発塵を抑えたい箇所を教えてください。清浄度の規格は空間の粒子数濃度の基準なので、部品側のRa値と角部の処理は図面で取り決める条件になります。電解研磨やパッシベーションなど処理の候補も、材質と併せて確認します。
生産中止になった分析装置の交換部品を、1個だけ作ってもらえますか?+
単品から見積できます。図面と、あれば過去の検査記録や現物を添えていただくと、寸法と材料をたどれるため回答が早くなります。図面に面粗度やはめあいの指定が残っているかも先に確認してください。
薬液や試料に触れる部品の材料証明は出せますか?+
材質と要求される証明の範囲が決まれば、ミルシートなど提出できる書類を含めて回答します。SUS316Lのように耐食性で選ぶ材料は、材質の指定と表面仕上げの指定が対になるため、両方を図面で明記してください。
ガラス部品を含む装置の部品も見てもらえますか?+
ガラスを含む案件も受けます。板ガラスは穴と端の距離や強化の工程順に制約があるため、ガラス側の形状と、金属枠や封止面の精度を分けて確認します。すり合わせ接手の呼びが決まっていれば、その情報も添えてください。
GLPに対応した試験施設で使う機器の部品でも受けられますか?+
図面に書かれた要求(材料、公差、面粗度、検査)を確認して、対応可否を回答します。試験施設としての適合の手続きは施設側と機器メーカー側のものなので、加工側が担う範囲は、寸法と面粗度の実現と、取り決めた検査記録の提出として切り分けます。
滅菌器の圧力容器まわりの部品も加工できますか?+
材質と要求精度が決まれば、対応可否と見積を回答します。容器やシール部は、温度と圧力の条件から材料と肉厚が決まっているため、図面の材料指定と検査項目をそのままお知らせください。溶接構造の場合は、溶接後にどこを機械加工で仕上げるかも確認します。
見積のとき何を伝えると初回の回答が早くなりますか?+
装置区分(安全キャビネット、滅菌器、分析装置など)、図面、材質、数量、希望納期の5点です。薬液や試料に触れる面がある場合は、その面の面粗度指定と表面処理の希望も併せてお知らせください。
検査成績書や測定データは付けてもらえますか?+
図面で要求される測定項目(寸法、面粗度、平面度など)を確認してから、どの測定記録を付けられるかを含めて回答します。封止面や接液面のように測定箇所の指定が効く部品は、測定方法の指定があるかどうかで検査の段取りが変わります。

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