金属加工会社にガラス加工を依頼できるのか、どこまで同じ相手に出してよいか?
ガラス加工そのものと、ガラスに接する金属部品の加工は別の仕事です。まず、図面のどこがガラスでどこが金属かを分けて確認します。弊社が公開している事業内容は鋼材の販売と金属の切削や研削で、ガラス側は板厚、外形、穴の条件、材料の指定と要求公差が決まってから、対応可否と費用を回答します。[7]
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図面がまだ固まっていなくてもかまいません。ガラス部品と金属部品のどちらから決めるべきか迷っている段階でも、板厚、外形、穴の条件が分かる資料があれば確認を始められます。とりあえず相談してみる形で、対応の分担から整理できます。
まず確認すること
ガラスと金属が一枚の組立図に同居していると、発注先を一つにまとめたくなります。ただし、素材としての板ガラスに公的な規格があることと、切って穴を開けたあとの仕上がりが決まることは別です。JIS R 3202は板ガラスの厚さ許容差(厚さ2ミリなら±0.2mm)や泡ときずの許容量を定めていますが、切断や穴あけ、強化、研磨といった加工工程、強度試験、耐熱性は規定していません。[1] つまり加工後の寸法と外観をどの基準で検査するかは、素材規格を持ち出しても決まらず、加工先との個別の取り決めになります。[1]
納期が遅れやすいポイント
- ガラス部品と金属部品が一枚の組立図に混在していて、どこまでを同じ相手に出せるか決まらない[7]
- 板ガラスの厚さ許容差は規格にあるが、切断や穴あけをしたあとの仕上がりを何で合否判定するのか社内基準がない[1]
- 穴の位置と間隔を金属部品と同じ感覚で指示してよいのか、ガラス側の制約が分からない[2]
- 強化ガラスを使うと決めたあとで、穴位置を動かせるのかどうかが判断できない[2]
- ガラスと金属の接合部を、材料の手配も含めてどちらが持つのか見積前に決められない[2]
Q. 板ガラスの規格に合っていれば、加工後の仕上がりも決まるのか?
A. 決まりません。JIS R 3202が定めているのは素材としての板ガラスの厚さ許容差、辺の長さ許容差、外観の許容量までで、切断や穴あけ、強化、研磨といった加工工程は対象外です。[1] 厚さの許容差は区分ごとに決まります。厚さ2ミリで±0.2mm、3ミリから6.5ミリで±0.3mm、8ミリから10ミリで±0.6mm、12ミリから15ミリで±0.8mm、19ミリから25ミリで±1.2mmです。[1] 辺の長さも、厚さ区分と3000mmを境にした寸法区分の組み合わせで決まり、厚さ2.5ミリから8ミリなら3000mm以下で±2mm、3000mm超で±3mmです。[1] これらの数値は素材の受け入れ検査には使えますが、切断して穴を開けたあとの寸法公差を縛るものではありません。 外観の基準も、金属部品の感覚とは違います。泡や異物の許容個数はガラス面積S(平方メートル)に比例した式で決まり、きずの許容長さは面積1平方メートル未満で60mm、1から4平方メートル未満で60×S mm、4平方メートル以上で240mmです。[1] 面積が変われば許容量も変わるので、検査範囲を先に決めないと合否の判定ができません。 この規格は、ガラスと金属を組み合わせた部品について何も述べていません。[1] 金属フレームに入るのぞき窓のような部品で、接合部の公差、気密性、熱膨張差をどう扱うかは、素材規格ではなく設計側と加工先の取り決めで決まります。この規格の適用範囲は建築用に限られておらず、金属筐体ののぞき窓のような各種用途の板ガラスにも及びます。[1]
Q. 金属部品と同じ感覚で穴の位置を指示してよいのか?
A. ガラス側は板厚と穴径から最小距離が決まるため、金属側で成立している穴配置でも、そのままでは通らないことがあります。[2] 板ガラス加工の公開仕様では、穴の端からガラス端までの最小距離を、板厚の2倍か穴径の1.5倍のうち大きいほう(上限50mm)としています。穴径が60mmから300mmの範囲では一律50mmです。[2] 穴どうしの最小間隔は、穴径60mm以下なら板厚の4倍です。[2] 板厚8mmの板にφ10の穴を二つ開けるとすると、端からは16mm、穴どうしは32mm離す計算になります。金属板なら詰められる配置でも、ガラスでは端が欠けます。ガラスは局所的な引張応力を塑性変形で逃がせないため、穴の縁に集中した応力がそのまま残るからです。 穴あけそのものの公差は、金属加工の感覚から遠くありません。径3.5mmから100mmで径公差±0.5mm、位置公差±0.3mm、径100mmから300mmで径公差±1.0mm、位置公差±0.3mmとされ、径0.5mmから40mmの精密穴あけでは±0.05mmという値も示されています。[2] 効いてくるのは公差の細かさより、穴を置ける場所のほうです。 工程の順序も先に決めます。強化は加熱後に急冷して内部に応力を入れる処理で、加工工程の並びでは切断、端面加工、穴あけ、印刷、コーティングのあとに置かれています。[2] 応力が入ったあとに穴を追加できないため、強化を使う設計では穴位置と外形を強化の前に確定させます。 ここで挙げた数値は、海外のガラスメーカーが自社の生産拠点について公開している標準仕様です。[2] 国内の加工先が同じ値をそのまま出すとは限らないので、実際の可否は板厚、穴径、穴位置を渡してから確認します。
Q. 弊社に依頼いただくとき、ガラスと金属のどこまでを引き受けるのか?
A. 金属側は自社設備で加工します。ガラス側は、板厚、外形、穴条件、強化の要否が決まってから、対応可否と費用を回答します。[7][6] 会社概要に掲げている事業内容は、特殊鋼と一般鋼材の販売、そしてBTA深穴、ガンドリル、マシニング、旋盤、フライス、研削加工です。[7] ガラスの切断や成形、光学研磨はこの中にありません。一方で、自社で削らない条件の案件でも、対応可否と見積をまとめて回答する形は通常の受け方です。ガラス部品と金属部品が混ざった図面を、二社に分けて出し直す必要はありません。 ガラスに接する金属部品は、実例を出せる領域です。公開している加工事例では、半導体向けのコバール気密封止パッケージ(KV-6、Fe-29Ni-17Co)を25×15×8mm、公差±0.005mm、封止面Ra0.2で加工し、封止面の平面度0.003mmを達成しています。[3] この部品の合否は、ガラス封止をしたあとにリークが出ないかで決まります。コバールが選ばれるのは熱膨張率が5.1ppm/℃でガラスやセラミックスと整合するためで、封止後の温度変化でガラス側にクラックが入るのを防ぐ働きを持っています。[4] ただしこの事例でも、ガラスを封止する工程そのものは弊社の外にあります。[3] ガラスそのものの研削は、寸法と要求精度によって対応が分かれます。研磨と研削のコラムでは、対応材質として金属、カーボン、ガラス、樹脂を挙げています。[5] 設備一覧に載っている研削盤は、テーブル200×300×600mmの平面研削盤PSG-63DXと、230mm×φ1100のNC立軸円テーブル形研削盤SVR110です。[6] ガラスの研削を今の設備で受けられるかは、寸法、要求精度、数量が決まってから回答します。
図面で見ておきたい条件
- ガラス素材の切断や穴あけ、強化、光学研磨は、公開している事業内容の工程に含まれていません。含まれるのは鋼材の販売と、BTA深穴、ガンドリル、マシニング、旋盤、フライス、研削加工です。[7]
- ガラスに接する金属部品は自社設備の経路に乗ります。封止面の平面度と面粗度が要求の中心になるため、公差指示は寸法だけでなく面精度まで分けて受け取ります。[3]
相談前に知っておきたいこと
- 示せるのはガラス封止面と接する金属部品側の事例です。ガラス材料そのものを切断や穴あけ、強化した加工の対応可否と精度は、寸法、材質、数量が決まってから回答します。[3]
- 研磨と研削のコラムが挙げる最大2,500×4,000mmの門型平面研削盤は、公開している設備一覧の記載と一致しません。ガラスの研削を受けられるかは、寸法、要求精度、数量が決まってから回答します。[5][6]
関連するものづくりトピックス
業界での実機事例(参考)

コバール気密封止パッケージの精密加工

Kovar超電導磁石用気密フランジのマシニング加工
よくある質問
図面がまだ固まっていなくても相談できますか?+
ガラス部品と金属部品が混ざった案件を、まとめて依頼できますか?+
ガラスの材質が決まっていない段階でも見積は出ますか?+
強化ガラスに、あとから穴を追加できますか?+
のぞき窓のように、金属枠にガラスを組む部品も相談できますか?+
ガラスと金属の接合は、どちらが持ちますか?+
板ガラスの外観検査は、どの基準で合否を決めますか?+
光学用途の薄いガラスでも、同じ判断でよいですか?+
材料の手配も含めて依頼できますか?+
短い納期の案件でも回答をもらえますか?+
コバール以外の金属でも、ガラス封止面の加工を相談できますか?+
あわせて読みたい情報
参考事例・文献
内部事例
- [3] Meta-Navi: コバール気密封止パッケージの精密加工
設備・会社情報
- [4] Meta-Navi: 非鉄金属材料ページ(コバール)
- [5] Meta-Navi: 大物の研磨と研削への対応
- [6] Meta-Navi: 設備一覧
- [7] Meta-Navi: 会社概要(事業内容)
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