SS400とは
読み: えすえすよんひゃく
SS400とは、JIS G3101に定める一般構造用圧延鋼材(SS材)の代表的な等級で、引張強さの下限値(400N/mm²級)を規格の目安とした鋼材である。炭素量の上限は管理されるが、機械構造用炭素鋼(S_C材)のように狭い範囲では規定されていない。
概要
SS400は、建物の骨組みや機械のフレーム、架台など幅広い用途に使われる構造用鋼材である。「400」は引張強さのおおよその目安であり、S45CやS50Cのように炭素含有量そのものを狭い範囲で管理した鋼材とは設計思想が異なる。
流通量が非常に多く、板材・形鋼・丸棒など様々な形状で入手しやすい。熱処理をせずにそのまま使う前提の材質のため、コストを抑えたい大型部品や、溶接を伴う構造物によく使われる。
特徴と粘りの強さ
SS材は粘りのある材質で、切削時に切りくずが長くつながりやすい性質を持つ。深穴加工でこの性質が問題になるのは切りくずの排出で、長く繋がった切りくずが穴の中に滞留すると内面を傷つけたり、工具に絡んだりする原因になる。
深江特殊鋼の加工事例では、自動車用プレス金型のスペーサーブロック(サイズ400×435×580、φ26・深さ350の穴を21穴)や、シート成形機用熱板(φ26・深さ350の穴を片側から700mm超の深さまで貫通)にSS400が使われている。いずれも大型のブロック材への多穴・深穴加工である。
S45Cとの違い、熱処理の要否
S45Cは炭素量が0.42〜0.48%の範囲で管理され、焼入れ・焼戻しによって硬度を変えられる機械構造用鋼である。これに対しSS400は炭素量の規定が緩く、熱処理による硬度向上を前提としない。強度や耐摩耗性が必要な軸部品にはS45Cが、熱処理を必要としない構造材・フレーム・スペーサーにはSS400が選ばれる、という使い分けが実務上の目安になる。
この違いを踏まえずに図面上でSS400とS45Cを安易に置き換えると、熱処理指定がある場合に強度が出ない、または溶接性が想定と異なるといった問題につながる。
大型部品での調達・加工の注意点
SS400が使われる部品は大型・重量物になりやすく、素材調達と加工先が別々になると運搬・納期管理でコストが余分にかかることがある。素材調達から深穴加工までを一貫で依頼できると、お客様側の管理項目がトータル価格と最終納期に絞られ、管理コストの低減につながる。
片側からしか貫通させられない形状(内部に段差を作れない用途)では、加工深さが700mmを超えるような深穴加工が必要になる場合もある。この場合は専用のガンドリル加工機・BTA加工機での対応が前提になる。
よくある誤解
✕ SS400とS45Cは同程度の強度なので、図面指定を無視して置き換えてよい。
○ SS400は熱処理を前提としない一般構造用鋼、S45Cは炭素量が管理され熱処理で性質を変えられる機械構造用鋼である。熱処理指定がある図面での安易な置き換えは強度不足につながる。
✕ SS材は粘りがあって加工しやすいので、深穴加工でも特別な配慮は不要である。
○ 粘りが強いために切りくずが長く繋がりやすく、深穴の内部に滞留すると内面を傷つける原因になる。工具形状や切削条件を切りくず排出に合わせて調整する必要がある。
よくある質問
SS400は焼入れして使えますか?+
SS400の大型ブロックに多数の穴をあける場合、何に注意すればよいですか?+
SS400の素材調達と加工をまとめて依頼できますか?+
関連用語
出典
- BTA・ガンドリル加工.com 技術コラム「ガンドリル加工が可能な素材〜構造用鋼〜」(深江特殊鋼)
- JIS G3101(一般構造用圧延鋼材)
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