段取り替えとは
読み: だんどりがえ
段取り替えとは、工作機械で扱う部品や加工内容を切り替える際に、治具・工具・加工プログラムなどを入れ替え、機械を新しい加工に対応できる状態に整える作業である。
概要
一台の工作機械で複数の部品や工程を扱う場合、加工対象が変わるたびに、部品を固定する治具の交換、工具の入れ替え、加工プログラムの呼び出しといった準備作業が必要になる。この一連の準備作業を段取り替えと呼ぶ。
段取り替えの間、機械は実際の加工を行っていないため、加工全体に占める段取り時間の割合が大きいほど、機械の稼働効率は下がる。特に多品種少量生産では、一つの部品あたりの加工時間よりも段取り替えの回数が納期やコストに与える影響が大きくなりやすい。
段取り替えが発生する場面
同じ工作機械で異なる部品を交互に加工する場合はもちろん、同じ部品でも面ごとに加工内容が変わる場合にも段取り替えが発生する。例えば、六面すべてに加工が必要な部品では、上面を加工した後に部品を裏返したり回転させたりして別の面を機械に向ける必要があり、この向き直しも段取り替えの一種である。
段取り替えのたびに、部品を基準面に対して正確に位置決めし直す必要があり、この位置決めのずれが面同士の直角度や位置度の誤差につながることがある。段取り替えの回数が多いほど、こうした誤差が蓄積するリスクも高まる。
段取り替えを減らす工夫
門型マシニングセンタや五軸加工機のように、一度の段取りで複数面を加工できる設備を使うと、段取り替えの回数を減らせる。六面加工を前提とした専用治具を用意し、部品の向きを変えても基準がずれない構造にする方法もある。
段取り替えの回数と時間は、見積もりの中で加工時間そのものと同じくらい重要な要素である。発注時には、要求する面の精度や仕上げ範囲を明確に伝えることで、加工先が段取り替えの回数を見積もりやすくなり、結果として納期やコストの見通しが立てやすくなる。
よくある誤解
✕ 段取り替えは機械の準備作業にすぎず、加工品質には影響しない。
○ 段取り替えのたびに部品を基準面に対して位置決めし直すため、その位置決めにわずかなずれが生じることがある。面同士の直角度や位置度の誤差は、段取り替えの回数と精度に左右される。
✕ 段取り替えの回数が多くても、加工時間さえ短ければコストは変わらない。
○ 段取り替えの間、機械は実際の加工を行っておらず、その時間も加工費用に反映される。特に多品種少量や多面加工では、段取り替えの回数がコストと納期に大きく影響するため、見積もり検討時に軽視できない要素である。
よくある質問
段取り替えの回数が多いと見積もりはどう変わりますか?+
段取り替えの回数を減らすと精度も上がりますか?+
多品種少量生産では段取り替えがどのように影響しますか?+
関連用語
出典
- 機械加工における段取り・工程管理に関する一般的な生産技術用語
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