六面加工とは
読み: ろくめんかこう
六面加工とは、直方体状の素材が持つ六つの面すべてを、面同士の平行度・直角度を保ちながらフライス加工で削り出す加工である。
概要
鋳造品や圧延材から機械部品を作る場合、まず素材の外形を整える工程が必要になる。六面加工はその代表で、直方体の6つの面をすべて削り、寸法・平行度・直角度の基準を確保する。
単に6回削るだけではなく、どの面を最初の基準にするか、どの順で反転させるかによって精度の出やすさが変わる。大型プレートや金型部品では、この段階の精度が後工程全体の基準になるため、六面加工は仕上げ加工と同じくらい工程設計が重要になる。
工程の流れと段取り替え
六面加工は次のような流れで進むことが多い。まず1面を基準面として粗く削り、その面を基準にチャッキングまたは治具で固定して隣接する2面を削る。この時点で3面の直角が確保される。次に反転させ、残りの3面を先に削った面を基準に仕上げていく。
この反転作業が段取り替えであり、反転のたびに固定のずれが精度誤差として乗る。段取り替えの回数が多いほど誤差が累積しやすいため、可能な限り少ない反転回数で済む治具設計や機械選定が実務上重視される。
求められる精度
六面加工で管理する精度は主に平行度と直角度である。対向する2面の平行度がずれると、その面を基準にした後工程の穴あけや溝加工の位置がずれる。隣接する面の直角度がずれると、部品同士の組み付けや位置決めに影響する。
寸法公差だけでなく幾何公差の管理が必要になる点が、単純な平面加工との違いである。管理値は図面の指示に従うが、大型部品ほど反り・自重変形の影響を受けやすく、削る順序や固定方法の工夫が求められる。
深穴加工の前工程としての位置づけ
六面加工を終えた素材に深穴加工を行うケースは多い。黒皮材のまま穴をあけると、穴の位相を素材のどこに合わせるかという基準がとりにくいが、六面加工で基準面を作っておけば、その面を基準に穴位置を正確に出せる。
このため深穴加工を発注する際は、六面加工まで済んだ状態で渡すか、素材から一貫して依頼するかで、後工程の工数や精度確認の手間が変わってくる。
主な用途
金型のベースプレート、産業機械の架台・フレーム部品、大型の構造用ブロックなど、直方体形状の部品全般で必要とされる。材質は構造用鋼、ステンレス鋼、アルミニウムなど幅広く、素材のサイズが大きくなるほど反り対策や固定方法の重要性が増す。
よくある誤解
✕ 六面加工は6回同じように面を削るだけの単純作業である。
○ 反転のたびに固定のずれが誤差として乗るため、基準面の選び方と段取り替えの順序が精度を左右する。単純な繰り返しではなく工程設計が必要な加工である。
✕ 寸法さえ合っていれば六面加工は完了している。
○ 六面加工で管理すべきは寸法だけでなく平行度・直角度である。寸法が合っていても面同士の直角がずれていれば、後工程の穴位置や組み付け精度に影響する。
よくある質問
六面加工と単なる平面加工はどう違いますか。+
六面加工まで済ませてから深穴加工を依頼したほうがよいですか。+
大型のプレートでも六面加工は対応できますか。+
関連用語
出典
- 一般的な機械加工工学の知見(六面加工の工程設計と幾何公差管理)
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