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偏心穴とは

読み: へんしんあな

偏心穴とは、部品の外形やほかの基準穴の中心軸に対して、意図的に中心をずらして配置した穴である。

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概要

穴は多くの場合、部品の外形中心や既存の基準穴と同軸に配置される。しかし、カムやクランク軸、偏心工具のように回転運動を直線運動やずれた軌道に変換する部品では、基準となる中心から意図的にずらした位置に穴をあける必要がある。この中心をずらした穴を偏心穴と呼ぶ。

種類と用途

代表例は、内燃機関のクランクシャフト、偏心カム、位置調整用のブッシュなどである。偏心量(基準中心からのずれ量)と偏心方向は図面で座標、または角度と距離の組み合わせで指定される。用途によっては偏心量を変えた複数個体を段階的に用意し、組み付け時に微調整することもある。

加工方法

偏心穴の加工では、ワークを本来の中心からずらした位置でチャッキングし、外形の回転中心と穴の加工中心を意図的にずらす。旋盤では偏心ジグやオフセットチャックを使い、マシニングセンタではワーク座標系の原点を偏心量に合わせて設定する。深穴領域まで偏心穴を通す場合は、ガイド穴の位置精度が加工全体の偏心精度に直結するため、下穴の位置決め工程がより重要になる。

実務での注意点

偏心穴は偏心量だけでなく、回転方向の角度基準(キー溝や基準面からの角度)も併せて指定しないと、組み付け時に意図した動作が得られない。図面では偏心量・角度・許容差の3点をセットで確認するのが実務上の基本になる。

よくある誤解

偏心穴は、穴の位置をずらすだけの単純な穴あけである。

偏心量に加えて回転方向の角度基準が合っていないと、カムやクランクとしての機能を果たさない。位置と角度の両方を基準面に対して管理する必要がある。

偏心穴の精度は穴径の公差だけで決まる。

偏心穴の機能を左右するのは、穴径よりも基準中心からの偏心量とその角度の精度である。検査でも偏心量・角度を測定項目に含める必要がある。

よくある質問

偏心穴の加工にはどんな設備が必要ですか?+
旋盤であればオフセットチャックや偏心ジグ、マシニングセンタであればワーク座標系を偏心量に合わせて設定する方法が一般的である。偏心量が大きい場合や深穴を含む場合は、対応可否を個別に確認したほうがよい。
偏心量の精度はどう検査しますか?+
三次元測定機で穴の中心座標を測定し、基準中心からの距離と角度を算出する方法が一般的である。偏心量が小さい場合は測定誤差の影響が相対的に大きくなるため、測定方法もあわせて確認する。
深穴の偏心穴は対応できますか?+
偏心量や穴径、深さの組み合わせによって難易度が変わる。下穴の位置決め精度が最終的な偏心精度に影響するため、図面段階で偏心量と許容差を明確にしたうえで相談するのが確実である。

関連用語

出典

  1. 幾何公差における位置度・偏心量の一般的な考え方(機械設計分野の一般知識)
  2. BTA・ガンドリル加工.com 技術コラム「深穴加工とBTA・ガンドリル方式について」(深江特殊鋼)

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