もみつけとは
読み: もみつけ
もみつけとは、穴あけ加工の前に工具の位置ずれを防ぐため、あらかじめ浅いくぼみを加工しておく下ごしらえの工程である。
概要
ドリルで穴をあけるとき、平らな面にいきなり先端を当てると、刃先が滑って狙った位置からずれることがある。これを防ぐため、本加工の前に工具の刃先が逃げないよう浅いくぼみを先にあけておく工程をもみつけと呼ぶ。センタードリルと呼ばれる専用工具を使うことが多いため、センタリングと呼ばれることもある。
加工方法
もみつけには、先端角が大きく短いセンタードリルを用いることが一般的である。先端角を大きくすることで、ドリルの外周部が先に材料に接触し、中心の刃先が逃げにくくなる。もみつけの深さは、本加工に使うドリルの先端角より浅く、かつドリルの外径が確実に案内される程度に留める。深すぎるもみつけは、逆に本加工のドリルの逃げ場を作ってしまい、位置精度を悪化させる場合がある。
深穴加工での役割
深穴加工では、加工開始点の位置精度がその後の穴の直進性全体に影響する。もみつけを行わずに深穴用のドリルやガンドリルを直接打ち込むと、加工開始直後に工具が逃げて穴曲がりの起点になりやすい。そのため深穴加工の前工程として、もみつけやパイロット穴でのガイドを設けることが多い。
実務での注意点
もみつけの角度や深さは、後工程で使う工具の先端形状に合わせて選ぶ必要がある。工具メーカーやセンタードリルの規格ごとに先端角が異なるため、本加工の工具仕様と揃っていないと、もみつけの効果が十分に出ない。
よくある誤解
✕ もみつけは省略しても、ドリルの位置決め精度に大きな影響はない。
○ 平面にいきなりドリルを当てると刃先が逃げやすく、特に深穴やロングドリルでは加工開始時のわずかな位置ずれがそのまま穴曲がりに広がる。もみつけは位置決めの起点をつくる工程である。
✕ もみつけは深ければ深いほど、後工程のドリルが安定する。
○ もみつけが深すぎると本加工のドリルの逃げ場ができてしまい、かえって位置精度が悪化する場合がある。本加工の工具の先端角に合わせた深さに留めるのが基本である。
よくある質問
もみつけとセンタードリルは同じものですか?+
深穴加工では必ずもみつけが必要ですか?+
もみつけの角度は何度が標準ですか?+
関連用語
出典
- BTA・ガンドリル加工.com 技術コラム「深穴加工における問題点とその対策」(深江特殊鋼)
- JIS B 4304(センタドリル)
このページの情報は役に立ちましたか?