A6061とは
読み: えーろくまるろくいち
A6061とは、アルミニウムにマグネシウムとケイ素を添加した6000系アルミニウム合金であり、熱処理(溶体化処理と時効処理)によって強度を高められる一方、耐食性・溶接性のバランスも良い材質である。
概要
A6061はマグネシウムとケイ素を主要添加元素とする6000系アルミニウム合金である。マグネシウムとケイ素はMg2Siという化合物を作り、熱処理(溶体化処理後の時効処理)によってこの化合物を微細に析出させることで強度を高める。
2000系(A2017等)や7000系(A7075等)に比べると熱処理後の強度は控えめだが、耐食性・溶接性・押出成形性のバランスが良く、構造用アルミ材として幅広く使われる。
熱処理による強度調整
A6061は熱処理の有無・条件によって強度クラスが変わり、材料記号にT4(溶体化処理後自然時効)、T6(溶体化処理後人工時効)などの調質記号を付けて区別する。T6の方がT4より高い強度が得られる。
熱処理型合金であるため、非熱処理型のA5052に比べるとロット間の強度ばらつきに調質管理が影響しやすい。発注時には材質記号だけでなく調質記号(T6など)まで指定することが望ましい。
A5052・A7075との違い
A5052は非熱処理型で溶接後の強度低下が小さく、A6061は熱処理型で高い強度を出せる代わりに調質管理が必要になる。A7075はさらに高強度な7000系だが、耐食性・溶接性ではA6061の方が扱いやすい。
強度・耐食性・溶接性・コストのバランスを取りたい構造部品にはA6061、溶接後の強度低下を避けたい部品にはA5052、最高強度が必要な部品にはA7075という使い分けが実務上の目安になる。
主な用途
構造部品、治具、半導体製造装置の部品、押出形材を使った枠組み構造など、強度と加工性のバランスが求められる幅広い用途に使われる。押出成形性が良いため、複雑な断面形状の形材にも採用される。
深穴加工の対象になる場合は、装置フレームや冷却プレートなど、耐食性を保ちつつ一定の強度も必要な部品が代表例である。
よくある誤解
✕ A6061は材質記号だけ指定すれば強度が決まる。
○ A6061は熱処理型合金のため、T4・T6などの調質記号によって強度が大きく変わる。材質記号だけでなく調質記号まで指定しないと、想定した強度が得られない場合がある。
✕ アルミニウム合金は熱処理してもあまり強度が変わらない。
○ A6061のような6000系や、2000系・7000系の熱処理型合金は、溶体化処理と時効処理によって強度が大きく変わる。非熱処理型のA5052とは強度の作り方そのものが異なる。
よくある質問
A6061のT6とT4はどう違いますか。+
A6061とA5052はどちらを選べばよいですか。+
A6061の深穴加工を依頼するときの注意点はありますか。+
関連用語
出典
- JIS H 4040(アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線)
このページの情報は役に立ちましたか?