A7075とは
読み: えーななまるななご
A7075とは、アルミニウムに亜鉛・マグネシウムを添加した7000系アルミニウム合金であり、通称超々ジュラルミンと呼ばれる、アルミニウム合金の中で最高クラスの強度を持つ材質である。
概要
A7075は亜鉛・マグネシウムを主要添加元素とする7000系アルミニウム合金で、熱処理(溶体化処理と時効処理)によってアルミニウム合金の中でも最高クラスの引張強さを得られる。銅添加の2000系(A2017等)よりもさらに高い強度が出せることから、通称「超々ジュラルミン」と呼ばれる。
軽量でありながら鋼材に迫る強度比(比強度)を持つため、軽量化と高強度を同時に要求される分野で重宝されてきた材質である。材質によるガンドリル加工の違いをまとめた資料でも、アルミ合金は軽量で耐蝕性と加工性が高い一方、耐摩耗性では劣るとされている[1]。
強度が高い理由と耐食性の弱点
亜鉛とマグネシウムはMgZn2という化合物を作り、熱処理でこれを微細に析出させることで強度を高める。この析出強化の効果が2000系・6000系より強く出るため、A7075はアルミニウム合金として最高クラスの強度を持つ。
一方で、強度を優先した組成のため耐食性は他のアルミニウム合金より劣り、特に応力腐食割れ(引張応力と腐食環境が重なったときに割れが進む現象)を起こしやすい傾向がある。屋外使用や腐食環境では表面処理や調質選定による対策が必要になる。
A2017・A6061との違い
A2017(ジュラルミン)は銅添加の2000系で、A7075(超々ジュラルミン)はそれを上回る強度を持つ7000系である。A6061はマグネシウム・ケイ素添加の6000系で、A7075より強度は低いが耐食性・溶接性・加工のしやすさで優れる。
最高強度が必須の航空機構造部品にはA7075、耐食性・溶接性とのバランスを取りたい部品にはA6061やA2017というように、強度以外の要求条件も含めて選定する必要がある。
加工上の注意点
A7075は強度が高い分、切削抵抗もアルミニウム合金の中では大きくなる。加えて応力腐食割れの感受性が高いため、荒加工での残留応力が大きいまま放置すると、後工程や使用中に割れが進行するリスクがある。
大物・長尺部品では、荒加工後に応力を開放する工程を挟むか、加工順序・取り代の設計で歪みと残留応力を管理することが実務上重要になる。
よくある誤解
✕ A7075はアルミニウム合金の中で万能に優れた材質である。
○ 強度は最高クラスだが、耐食性は他のアルミニウム合金より劣り、応力腐食割れを起こしやすい弱点がある。屋外使用や腐食環境では表面処理や調質選定などの対策が必要になる。
✕ A7075は加工性が高いので通常のアルミ合金と同じ条件で加工してよい。
○ 強度が高い分、切削抵抗もアルミニウム合金の中では大きくなる。荒加工時の残留応力管理を怠ると、応力腐食割れのリスクが高まるため、加工順序や取り代の設計に注意が必要である。
よくある質問
A7075はなぜ強度が高いのですか。+
A7075は屋外で使えますか。+
A7075の加工で気をつけることはありますか。+
関連用語
出典
- BTA・ガンドリル加工.com 技術コラム「材質によるガンドリル加工の違い」(深江特殊鋼)
- JIS H 4040(アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線)
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