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航空宇宙品質(JIS Q 9100相当)が求められる加工を発注するとき、何を確認すべきか?

JIS Q 9100はAS9100・EN9100と内容がほぼ同一の航空宇宙品質規格で、Nadcapは別の特殊工程認証です。まず認証の保有主体と適用範囲、FAIの記録方法を確認します。[1][3]

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要求規格や適用範囲、FAIの記録形式など、分かっている条件だけメモにして、Meta-Naviのお問い合わせから送ってください。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!条件の整理から一緒に進められます。

まず確認すること

「AS9100対応可否」を一問一答で聞くだけでは、発注先の品質体制は判断できません。JAQG(SJAC傘下)の規格解説では、JIS Q9100はAS9100・EN9100と技術的にほぼ同一の規格で、ISO9001に構成管理、FAI、重要特性管理、模造部品防止、特殊工程妥当性確認、供給者管理を追加したものとされています。[1] 深江特殊鋼グループでは、この認証を深江特殊鋼自身ではなくグループ会社の由紀精密が保有しており、深江特殊鋼が材料調達と旋盤・フライス加工、ガンドリルによる前工程を、由紀精密が認証の必要な5軸仕上げ加工を担当する二社体制で対応しています。[3] 公開加工事例では、航空機操縦翼面用アクチュエータハウジングの案件でAS9100認証に加えFAIの完全なトレーサビリティが求められ、全数についてAS9102 Form1-3の電子記録を作成した実例もあります。[4] この規格構造と体制、実例を起点に、発注前に何を確認すればよいかを整理します。

要求規格: AS9100D/EN9100/JIS Q9100のどれを求めているか、適用範囲(設計・製造いずれか、または両方)[1]
認証保有主体: 発注先の法人自身が保有しているか、グループ会社・協力工場が保有しているか[3]
特殊工程: 熱処理や非破壊検査、表面処理、溶接などが図面に含まれるか、含まれる場合はNadcapの要否、材料証明の要否[2]
FAI: 初回品質検査の要否と記録形式(例: AS9102 Form1-3)、対象数量(全数か抜取りか)、材料ロットの記録要否[4]
トレーサビリティ: ロット・工程ごとの記録方法、保管期間、開示範囲[1]
その他: 重要特性(キャラクタリスティック)管理の対象箇所、模造部品防止の確認事項[1]

納期が遅れやすいポイント

  • 発注先が「AS9100取得済み」と言っても、認証を保有しているのが発注先自身かグループ会社かが分かりにくい[3]
  • Nadcapが必要な案件かどうかの判断軸が分からず、AS9100/JIS Q9100とまとめて聞いてしまう[2]
  • FAI(初回品質検査)やトレーサビリティ記録の求められる粒度が案件によって違い、事前に基準が読めない[4]
  • 図面の要求規格欄に「AS9100準拠」とだけ書かれていて、AS9100D/EN9100/JIS Q9100のどれを指すか、適用範囲まで書かれていない[1]
  • 見積り依頼の段階で認証証の提示を求めるのは失礼にあたるのではと迷い、結局「AS9100取得済み」という一言だけで発注可否を決めてしまう

Q. JIS Q9100とAS9100、EN9100、Nadcapの違いは何か?

A. JIS Q9100はAS9100(米)・EN9100(欧)と技術的にほぼ同一の規格で、Nadcapは熱処理・非破壊検査などの特殊工程に対する別の認証です。材料そのものの規格とは別に確認するもので、JIS Q9100/AS9100の認証範囲には含まれません。[1][2] JAQG(SJAC傘下)がJIS Q9100を策定しており、AS9100(米SAE)・EN9100(欧)と技術的に整合した内容で、35以上の言語に翻訳され事実上の世界標準として扱われています。[1] ISO9001をベースに、構成管理、外部提供工程の承認、初回品質検査(FAI)、重要特性(キャラクタリスティック)管理、模造部品防止、特殊工程の妥当性確認、供給者管理、材料証明の提出といった航空宇宙固有要求が追加されています。[1] 現行版はJIS Q9100:2016で、2016年9月に発行され、旧版(2000年版・2008年版)を置き換えています。[1] 一方、Nadcapは熱処理、非破壊検査、表面処理、溶接などの特殊工程に対する個別の認証制度で、AS9100/JIS Q9100の認証範囲には含まれません。[2] 航空宇宙加工では、AS9100(相当)が発注先の品質体制のベースラインとして扱われ、OEMによってはNadcapを追加で要求するケースがあります。[2] 図面や仕様書に「AS9100準拠」とだけ書かれている場合、Nadcapが必要な特殊工程を含む案件か、材料証明が別途必要な案件かは、別に確認する必要があります。[2]

Q. 発注先の認証保有をどう確認すればよいか?

A. 認証番号や登録事業所名だけでなく、保有主体が発注先自身か、グループ会社かを確認してください。[3] 「AS9100取得済み」という表示だけでは、認証を保有しているのが発注先の法人そのものか、グループ会社かまでは分かりません。深江特殊鋼自身はJIS Q9100/AS9100を保有しておらず、グループ会社の由紀精密(由紀ホールディングス)が認証を保有しています。[3] 案件によっては、深江特殊鋼がチタン等の材料調達と旋盤・フライス加工、ガンドリルによる素材加工・粗加工を担当し、認証を保有する由紀精密が5軸の認証仕上げ加工を担当する二社体制で対応します。由紀精密はJAXAとの長期取引や、Axelspace・Astroscaleといった衛星関連企業への部品供給実績があり、フランス・リヨンの現地法人を通じて欧州側のサプライチェーンにも対応しています。[3] したがって発注先を確認する際は、深江特殊鋼と由紀精密のように認証保有事業所と実際の加工事業所が分かれるケースを想定し、認証証を提示してもらったうえで、そこに書かれた事業所名と有効期限が今回の加工を担当する事業所と一致しているかを見積り依頼の時点で聞いておくと、後工程での認識違いを防げます。[3]

Q. 見積り前に何を規格書・図面に明記すべきか?

A. 要求規格の正式名称、FAIの要否と記録形式、重要特性管理の対象、特殊工程の有無を明記してください。[1][4] 図面や仕様書の要求規格欄には「AS9100準拠」ではなく、AS9100D/EN9100/JIS Q9100のどれを求めているか、適用範囲(設計・製造いずれか、または両方)まで明記すると、発注先が保有認証と照合しやすくなります。[1] FAI(初回品質検査)が必要な案件では、記録形式(例: AS9102 Form1-3)まで指定すると、電子記録としてどこまで残すかの認識がそろいます。公開事例では、マルエージング350製・220×160×95mmの航空機操縦翼面用アクチュエータハウジング加工で、AS9100認証に加えてFAIの完全なトレーサビリティが求められ、公差±0.015mmに対し加工後±0.012mm・硬度HRC56を確認した上で全数についてAS9102 Form1-3の電子記録を残し、規定の10^7サイクルの疲労試験もクリアしています。[4] このように、認証の有無だけでなく、公差や硬度の検査結果、FAIの記録粒度や試験条件まで案件ごとに具体化しておくと、見積り段階での手戻りを減らせます。 重要特性(キャラクタリスティック)管理や特殊工程の妥当性確認、供給者管理、材料証明(ミルシート)の確認といった要求も、JIS Q9100が定める追加要求に含まれます。[1] 特殊工程(熱処理や非破壊検査、表面処理、溶接など)が図面に含まれる場合は、その工程についてNadcapが必要かどうかを、AS9100/JIS Q9100の確認とは別に聞いておく必要があります。[2]

図面で見ておきたい条件

  • JIS Q9100/AS9100の認証は、深江特殊鋼ではなくグループ会社の由紀精密が保有しており、案件によって深江特殊鋼と由紀精密の工程分担が異なる。[3]
  • Nadcapは特殊工程ごとの別認証であり、AS9100/JIS Q9100の認証範囲に自動的に含まれるわけではない。図面に熱処理や非破壊検査、表面処理、溶接などの特殊工程が含まれる場合は別途確認が必要。公開加工事例では、インコネル718製φ60×L700mmのジェットエンジン部品向けシャフト(φ4のガンドリル冷却穴、真直度0.08mm/700mm)で、AS9100認証とNadcap特殊工程認証の両方が前提条件になった実例がある。[5]
  • FAIの記録形式(例: AS9102 Form1-3)を案件側で指定していない場合、記録粒度は案件ごとに個別確認が必要になる。[4]
  • 公開加工事例の数値(マルエージング350で公差±0.012mm・HRC56、インコネル718シャフトで真直度0.08mm/700mm)は、それぞれ個別の部品・材質条件で得られたものであり、他の航空宇宙部品に同じ公差や特性値がそのまま適用できるとは限らない。[4]

相談前に知っておきたいこと

  • 本ページはJIS Q9100/AS9100/EN9100/Nadcapの一般的な違いと確認ポイントを整理したもので、個別事業所の最新の認証保有状況は認証証の提示・確認をお願いする。[1][3]
  • JIS Q9100の認証事業所数や認証機関の審査運用の詳細は、参照した外部資料からは確認できていない。[1]

関連するものづくりトピックス

業界での実機事例(参考)

よくある質問

図面や仕様がまだ固まっていなくても相談できますか?+
はい。要求規格(AS9100D/EN9100/JIS Q9100のいずれか)、公差、数量、希望納期がすべて固まっていなくても、現時点の図面や仕様メモから確認できます。認証保有主体とFAIの記録形式だけ先に分かる範囲で伝えていただくと、残りの条件は見積り作成と並行して詰められます。
JIS Q9100とAS9100、どちらの表記で聞けばよいですか?+
どちらでも構いません。JIS Q9100とAS9100、EN9100は内容がほぼ同一の規格のため、呼称が混在していても、適用範囲や登録事業所が分かれば確認できます。
深江特殊鋼自身はJIS Q9100を保有していますか?+
深江特殊鋼自身は保有しておらず、グループ会社の由紀精密が保有しています。案件によっては、材料調達・粗加工を深江特殊鋼、認証が必要な仕上げ加工を由紀精密が担当する体制で対応します。
Nadcapが必要かどうか分からない場合も相談できますか?+
相談できます。まず熱処理や非破壊検査、表面処理、溶接などの特殊工程が図面に含まれるかどうかから確認し、必要な場合は認証保有先を含めて回答します。
FAI(初回品質検査)の記録形式を指定していない場合はどうなりますか?+
記録形式の希望がなければ、案件ごとに一般的な形式を提案します。AS9102 Form1-3のような形式指定がある場合は、見積り依頼の時点で伝えてください。
海外規格(AS9100D・EN9100)の呼称でも相談できますか?+
できます。AS9100D、EN9100、JIS Q9100いずれの呼称でも、要求範囲(設計・製造)と適用先が分かれば確認できます。
試作1個からでも品質体制の確認はできますか?+
できます。数量にかかわらず、要求規格、公差、検査項目、希望納期を伝えていただければ、対応可否と体制を確認します。
短納期案件でも認証確認の対応可否を見てもらえますか?+
見られます。短納期では、材料が支給か手配込みか、FAIや特殊工程の要否で回答速度が変わります。まず現時点の条件で確認できます。
公開されている加工事例の数値はそのまま見積りに使えますか?+
マルエージング350の公差±0.012mmやインコネル718の真直度0.08mm/700mmは、それぞれ個別の部品と材質、要求規格の組み合わせで得られた実測値です。今回の案件で材質や要求規格、FAIの記録形式がどう変わるかを確認したうえで、案件ごとに個別回答します。
図面の要求規格欄に「AS9100準拠」としか書かれていない場合、どこまで確認してから見積りを依頼すればよいですか?+
AS9100D/EN9100/JIS Q9100のどれを指すかと適用範囲、特殊工程の有無、FAIの要否、材質、数量、希望納期を伝えてください。特に認証を保有する事業所名までは図面に書かれていないことが多いので、現時点で分かる範囲だけでも伝えていただければ、その場で認証保有主体と工程分担を確認しながら回答します。

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参考事例・文献

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