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真空チャンバーとは

読み: しんくうちゃんばー

真空チャンバーとは、内部の空気を排気して大気圧より低い圧力(真空)に保つための密閉容器で、半導体製造装置や成膜装置など、真空環境での処理を必要とする工程に使われる部品である。

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概要

半導体製造の成膜・エッチング工程や、真空蒸着、電子顕微鏡などは、空気中の分子が処理に干渉しないよう真空環境で行われる。真空チャンバーはこの真空環境を作り出す容器そのもので、内部を排気しても変形せず、外気を巻き込まない気密性を保つ構造が求められる。

真空度が高くなるほど(真空チャンバー内の圧力が低くなるほど)、わずかな隙間からもリーク(漏れ)が起こりやすくなる。このため真空チャンバーは、単なる容器としての強度に加えて、溶接部・穴部・接合面のすべてで気密性を確保する設計・加工が要求される。

水冷穴・配管穴と気密性の関係

真空チャンバーには、内部の熱を逃がすための水冷穴や、ガス・配線を通すための貫通穴を側壁にあけることが多い。これらの穴は、真空側と大気側を隔てる壁を貫通するため、穴の内面に傷や巣(微小な空洞)があると、そこがリークパスになる可能性がある。

水冷穴のように長い穴をあける場合はL/D比が大きくなりやすく、通常のドリルでは真直度と内面品位の両立が難しいため、ガンドリル加工やBTA加工が使われることがある。穴の出口側にOリング溝を設けてシール(気密封止)する構造も多く、この場合は穴径だけでなく溝の位置公差も気密性を左右する。

材質と大型化への対応

真空チャンバーの材質は、耐食性や非磁性が求められる用途ではSUS304・SUS316などのステンレス鋼、軽量化を優先する用途ではアルミニウム合金が使われることが多い。半導体製造装置向けの真空チャンバーは、装置の大型化に伴いチャンバー自体も大型・厚肉になる傾向があり、六面すべての面精度と穴加工を一貫して管理できる設備が求められる。

よくある誤解

真空チャンバーの穴は、貫通していれば気密性は問題にならない。

穴の内面に傷や巣があると、そこが微小なリークパスになりうる。真空度が高い用途ほど、穴の内面品位とシール構造(Oリング溝の位置公差など)まで含めた設計・加工の管理が必要になる。

真空チャンバーはアルミでもステンレスでも、気密性の確保方法は同じである。

材質によって熱伝導率や加工時の変形挙動が異なり、水冷穴の配置や溶接・接合部の設計も変わる。用途(耐食性・非磁性・軽量化のどれを優先するか)に応じた材質選定が前提になる。

よくある質問

真空チャンバーの水冷穴はどの工法で加工しますか?+
穴径と深さの比(L/D比)が大きい場合はガンドリル加工やBTA加工が使われます。穴径がおおむねφ32以下であればガンドリル加工、それ以上であればBTA加工が使い分けの目安になりますが、境界付近は個別に確認します。
真空チャンバーの材質はどう選べばよいですか?+
耐食性や非磁性が必要な用途ではSUS304・SUS316などのステンレス鋼、軽量化を優先する用途ではアルミニウム合金が選ばれることが多いです。使用するガス・薬液や磁場への配慮が必要かどうかで選定が変わります。
真空チャンバーの穴あけで気密性を保証してもらえますか?+
穴の内面品位や寸法公差は加工側で管理できますが、最終的な気密性(リークテストの合格基準)はシール構造全体の設計に依存します。穴加工の仕様と併せて、Oリング溝など封止構造の図面を共有することが必要です。

関連用語

出典

  1. 真空技術における真空容器・リーク管理の一般的知見(真空工学教科書的知見)

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