SUJ2とは
読み: えすゆーじぇいに
SUJ2とは、JIS G4805に定める高炭素クロム軸受鋼のうち、最も一般的に使われる等級である。炭素とクロムを多く含み、焼入れ・焼戻し後に高い硬度と耐摩耗性、寸法安定性を持つため、転がり軸受(ベアリング)の内輪・外輪・転動体に使われる。
概要
SUJ2は、ベアリングに代表される転がり軸受用の鋼材として開発された材質である。軸受は繰り返し荷重を受けながら高い寸法精度を長期間維持する必要があり、そのためSUJ2には焼入れ後の硬度の高さだけでなく、熱処理による寸法変化の少なさ(寸法安定性)も求められる。
軸受部品以外にも、高い硬度・耐摩耗性が必要な精密軸物や治具部品に応用されることがある。ただし本来は転がり軸受用に成分設計された鋼材であり、汎用の構造用鋼(S_C材)とは用途の前提が異なる。
加工性、焼入れ前後の違い
SUJ2は焼入れ前(球状化焼なまし状態)であれば、炭素鋼に近い感覚で切削加工ができる。球状化焼なましは炭素化合物を球状に分散させる熱処理で、この状態での硬度は比較的低く抑えられている。
焼入れ後は非常に高い硬度になり、通常の切削工具での加工は困難になる。そのため軸受部品の製造工程では、球状化焼なまし材の状態で切削・穴あけなどの加工を行い、焼入れ後の仕上げは研削加工・ラップ加工で行うのが基本的な流れになる。深穴加工が必要な軸物にSUJ2を使う場合も、この加工順序を前提に計画する必要がある。
深穴加工・精密加工での位置づけ
SUJ2そのものが深穴加工の主要な対象になる場面は多くないが、軸受を組み込む精密軸やハウジング部品の材質として選ばれることがある。精密軸物では、深穴の真直度・内径公差に加えて、軸受が実際に嵌合する部分の表面粗さ・寸法精度が組立品質を左右する。
難削材というほどではないが、焼入れ前後で加工性が大きく変わる材質のため、荒加工・深穴加工・熱処理・仕上げ研削という工程順序をあらかじめ決めておくことが、精度と納期の両方を安定させる要点になる。
よくある誤解
✕ SUJ2は軸受用の特殊材だから、一般的な深穴加工の対象にはならない。
○ 軸受そのもの以外にも、高い耐摩耗性・寸法安定性が必要な精密軸物やハウジング部品の材質として使われることがある。焼入れ前の球状化焼なまし状態であれば通常の深穴加工の対象になる。
✕ SUJ2は焼入れ後でも通常の切削工具で穴あけ加工ができる。
○ 焼入れ後は非常に高い硬度になり、通常の切削工具での加工は著しく困難になる。穴あけ・深穴加工は焼入れ前の球状化焼なまし状態で行い、焼入れ後は研削・ラップ加工で仕上げるのが基本である。
よくある質問
SUJ2は深穴加工の対象になりますか?+
SUJ2の加工は他の構造用鋼と何が違いますか?+
SUJ2の精密軸で真直度を確保するには何を確認すればよいですか?+
関連用語
出典
- JIS G4805(高炭素クロム軸受鋼鋼材)
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