純チタンとは
読み: じゅんちたん
純チタンとは、合金元素をほとんど添加せずチタンをほぼそのまま使う材質であり、JISでは酸素・鉄の含有量に応じて1種から4種に分類され、番号が大きいほど強度が高く加工性は下がる。
概要
チタン系材料は大きく分けて、合金元素をほとんど加えない純チタンと、アルミニウム・バナジウムなどを添加したチタン合金(Ti-6Al-4Vなど)に分かれる。純チタンはJIS H 4600で1種・2種・3種・4種に分類され、酸素・鉄の含有量が増えるほど番号が大きくなり、強度は上がるが加工性・成形性は下がる。
合金元素を加えないため、チタン合金より強度は低いが、耐食性と生体適合性に優れる。この特性から、化学プラント配管や医療機器のように、強度より耐食性・安全性を優先する用途に選ばれる。
耐食性・生体適合性の理由
チタンは表面に薄く強固な酸化被膜(不動態被膜)を自然に形成し、これがステンレス鋼以上の耐食性を生む。合金元素を加えない純チタンは、この不動態被膜の性質を最も素直に発揮できる状態にある。
人体組織との反応性が低いことも純チタンの特徴で、インプラントや手術器具などの医療機器に使われる理由になっている。海水・薬液環境への耐性も高く、化学プラントや海洋機器の部品にも採用される。
チタン合金との違い
Ti-6Al-4Vに代表されるチタン合金は、アルミニウムとバナジウムの添加によって純チタンより高い強度を得ている。純チタンは強度面でチタン合金に劣るが、耐食性と加工性のバランス、コストの面で有利な場合がある。
加工性の面では、純チタンの方が延性が高く、切削・成形ともにチタン合金より扱いやすい傾向がある。ただしチタン系材料に共通する性質として、熱伝導率が低く切削熱がこもりやすい点は純チタンにも当てはまる。
主な用途
医療機器(インプラント、手術器具)、化学プラントの配管・熱交換器、海洋機器、建築の装飾外装材などに使われる。強度より耐食性・生体適合性が優先される用途で選ばれることが多い。
深穴加工の対象になる場合は、化学プラント配管や熱交換器のチューブが代表例で、耐食性を活かした水路・流路加工での採用が見られる。
よくある誤解
✕ チタンはすべて同じ強度・加工性を持つ。
○ 純チタンはJIS1種〜4種で酸素・鉄の含有量が異なり、番号が大きいほど強度が上がり加工性は下がる。さらにTi-6Al-4Vのようなチタン合金は合金元素の添加で純チタンより高い強度を持つ。用途に応じてJIS種別・合金の有無を選ぶ必要がある。
✕ 純チタンはチタン合金より劣る材質である。
○ 強度ではチタン合金に劣るが、耐食性・生体適合性・加工性では純チタンが有利な場合がある。医療機器や化学プラントのように強度より耐食性・安全性を優先する用途では純チタンが選ばれる。
よくある質問
純チタンとチタン合金はどう使い分けますか。+
純チタンのJIS1種〜4種はどう違いますか。+
純チタンは深穴加工に対応できますか。+
関連用語
出典
- JIS H 4600(チタン及びチタン合金-板及び条)
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