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チタン部品の精密加工を外注するとき、何を確認すべきか?

チタンは熱伝導率が低く工具に熱がこもりやすいため、切削速度と工具材質を先に確認する必要があります。[1][4] 材質グレード、公差、検査方法、工程実績を分けて聞くと、見積の精度が上がります。[2][3]

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図面や具体的なアイデアがなくてもOKです。材質グレードの候補、寸法、検査要求など、決まっている条件から相談できます。

とりあえず相談してみる元 topic: /topics/metal/titanium-precision-parts-machining-outsourcing

まず確認すること

チタン部品の精密加工を外注する前に確認すべきなのは、加工可否そのものより「材質グレード」「切削条件が自社データにあるか」「検査要求」の3点です。深江特殊鋼グループの公開データでは、5軸加工とスイス旋盤にTi-6Al-4Vの切削条件があり、5軸は自社設備(Okuma MU-8000V)による加工、スイス旋盤は協力工場ネットワーク経由です。[7] 航空宇宙・医療分野では10件の公開チタン加工事例があり、5軸加工、ガンドリル、旋盤系のいずれでも実績があります。[6] 以下では、この事例と切削条件データを起点に、外注先へ何を確認すべきかを整理します。

材質グレード: 純チタン1種・2種か、Ti-6Al-4V(64チタン)か、医療用途ならELIグレードかを明記してください[2]
寸法・公差: 外形、公差、面粗度(Ra)、真直度など、図面上の要求値[2][6]
検査要求: AS9102形式の初回品検査報告書(FAIR)、材料証明(ミルシート)、ISO 13485の要否[3]
加工工程: 5軸加工、旋盤、穴加工(ガンドリル/BTA)のどれが主工程になるか、後工程(表面処理・洗浄)の有無[7]
数量・納期: 試作か量産初期ロットか、希望納期と検査記録の提出タイミング[6]

納期が遅れやすいポイント

  • アルミやSUS加工と同じ感覚で見積を依頼し、切削速度が合わず納期や工具費が想定より膨らむ[1][4]
  • 純チタンとTi-6Al-4Vの違いを伝えず相談し、機械的性質や加工条件の前提がずれる[2]
  • 航空宇宙・医療向けの検査要求(トレーサビリティ、第一品証明)を後から追加され、納期がずれる[3]
  • 外注先の加工実績が薄削・軽切削の小物中心か、実際にチタンの量産・試作経験があるかを確認しないまま発注する[5][6]

Q. チタンはなぜ精密加工が難しいのか?

A. 熱伝導率が低く工具側に熱がこもりやすいことと、化学反応性の高さによる工具摩耗が主な理由です。[1][4] チタン合金は熱伝導率が低いため、切削で発生した熱の大部分が母材側ではなく工具側に残ります。学術文献では、切削速度75m/min相当で工具先端温度が約900℃に達するという報告があり、約500℃を超えると工具材質との化学反応が進み、付着・拡散摩耗が加速するとされています。[1] このため、鉄鋼やアルミと同じ切削速度・送りをそのまま当てはめると、工具寿命と面粗度が安定しません。粗加工で30〜50m/min、仕上げで80〜120m/min程度が目安とされ、アルミよりかなり低い速度域になります。[1] 実際の自社設備データでも、5軸加工でのTi-6Al-4V切削速度は65m/min、高圧クーラント7.0MPaという条件です。[7] 工具メーカーの技術資料でも、超硬工具にTiAlN・AlCrN系コーティングを組み合わせ、高圧クーラントでチップと工具の両方を冷却する構成が推奨されています。[5] 加えて、チタンは加工面が硬化しやすく(アルファケースと呼ばれる硬化層)、通常はアップカット主体で切削するものの、この硬化層を除去する工程だけはダウンカットに切り替える場合があるという整理もあります。[5]

Q. 外注先に何を確認すべきか?

A. 材質グレード、切削条件の実績、検査要求、加工事例の4点を分けて確認してください。 「チタンの加工はできますか」と聞くと、多くの場合「対応できます」という返答になります。確認すべきは、純チタンかTi-6Al-4Vか、医療用途ならELIグレードかという材質グレードの違いと、その材質での加工実績です。[2] 深江特殊鋼グループの場合、5軸加工とスイス旋盤にはTi-6Al-4Vの数値条件がありますが、ガンドリルやBTA、汎用旋盤、マシニング、放電加工は「対応材料」に挙がるだけで、チタン固有の切削条件は公開していません。[7] 外注先に同じ整理を求めると、実データがある工程とない工程の違いが見えます。 航空宇宙・医療向けでは、検査要求も先に確認が必要です。AS9102形式の初回品検査報告書(FAIR)は、材料証明や特殊工程の証明書まで含めた3種類の様式で構成され、初回ロットや工程変更時に求められます。[3] ISO 13485が必要な医療部品、AS9100相当の品質体制が必要な航空宇宙部品では、外注先がどの体制で対応するかも合わせて確認してください。深江特殊鋼グループでは、この体制はグループ会社の由紀精密が担っており、深江特殊鋼単独の認証ではありません。[7] 最後に、近い形状・近い材質グレードでの加工事例があるかを聞いてください。深江特殊鋼グループには、Ti-6Al-4V航空機ハウジング(5軸、公差±0.02mm)、AS9100対応のTi-6Al-4Vスピンドル(真直度±0.008mm達成)、Ti-6Al-4V人工股関節ステム(ISO 13485、公差±0.05mm)、内部冷却穴のガンドリル加工事例(穴位置公差±0.02mmに対し±0.015mm達成)など、10件の公開チタン事例があります。[6] 事例の工程、材質グレード、公差が自社図面とどれだけ近いかで、見積の確度が変わります。

図面で見ておきたい条件

  • チタンは熱伝導率が低いため、切削熱が工具側にこもりやすく、鉄鋼・アルミと同じ切削速度は使えません。[1][4]
  • 自社の関連工程のうち、5軸加工と旋盤系(スイス旋盤)にはTi-6Al-4Vの切削条件データがありますが、BTA、ガンドリル、汎用旋盤、マシニング、放電加工は「対応材料」として挙がるのみで、チタン固有の数値条件は公開していません。[7]
  • AS9100相当の品質体制はグループ会社の由紀精密が保有しており、深江特殊鋼単独の認証ではありません。航空宇宙案件では、どちらの体制で対応するか先に確認してください。[7]

関連するものづくりトピックス

業界での実機事例(参考)

よくある質問

図面や具体的なアイデアがまだ固まっていなくても相談できますか?+
はい。純チタンかTi-6Al-4Vかが決まっていなくても、図面や手書きメモ、既存品の写真があれば、必要な強度や耐食性から材質グレードの候補を絞り込めます。5軸加工とスイス旋盤にはTi-6Al-4Vの切削条件データがあるため、形状が近ければ加工可否の見立ても早くなります。
純チタンとTi-6Al-4Vのどちらか分からない場合は?+
使用環境(強度が必要か、生体適合性が優先か)を伝えてもらえれば、候補材質の絞り込みから相談できます。医療用途で生体適合性を重視する場合は、純チタンかTi-6Al-4V ELIグレードかで加工条件も変わります。
アルミやSUS加工と同じ感覚で見積を頼んでも大丈夫ですか?+
見積自体は依頼できますが、チタンは切削速度をアルミより大きく落とす必要があり、工具摩耗も早いため、加工時間・工具費がアルミ基準の想定より上振れすることがあります。事前に近い材質・形状の加工実績を確認することをおすすめします。
AS9100やISO13485がなくても相談できますか?+
相談は可能です。ただし、AS9100相当の品質体制はグループ会社の由紀精密が保有しており、深江特殊鋼単独の認証ではありません。案件で航空宇宙規格が必須かどうかを先に伝えてください。
初回品検査報告書(FAIR)は毎回必要ですか?+
初回ロット、設計変更、製造工程の変更、2年以上の生産中断からの再開などで必要になるのが一般的です。案件ごとに要否が変わるため、必要な場合は発注時に伝えてください。
5軸加工とガンドリル、どちらで相談すればよいですか?+
形状で決まります。内部に深穴がある部品はガンドリル、複雑形状の一体加工は5軸が主工程になることが多いです。どちらが主工程になるか分からない場合は、図面や形状のイメージを見せてもらえれば整理できます。
短納期でも相談できますか?+
相談できます。ただしチタンは材料自体が受注都度の調達になりやすく、材料手配の期間が納期の律速になる場合があります。材料支給か材料込みかを先に伝えると回答が早くなります。
試作1個だけでも対応できますか?+
対応できます。チタンは受注都度の調達になりやすく、試作1個でも材料手配のリードタイムが工程全体の律速になることがあります。材料を支給するか調達を依頼するか、初回品検査報告書(FAIR)が必要かどうかを先に伝えると、見積と納期の精度が上がります。
海外調達品の追加工や修正加工も相談できますか?+
現物、図面、材質情報があれば相談できます。追加工では基準面、既加工面、熱処理状態を先に確認します。
問い合わせ後にどんな回答が返ってきますか?+
加工可否、追加で必要な条件(材質証明や検査要求など)、概算見積に進むための確認事項を返します。純チタンかTi-6Al-4Vか迷っている段階でも、候補材質からの回答になります。

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参考事例・文献

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