NC旋盤とは
読み: えぬしーせんばん
NC旋盤とは、数値制御(Numerical Control)装置により主軸の回転や刃物台の送りをプログラムで自動制御する旋盤である。座標と送り速度をあらかじめ指定して加工するため、汎用旋盤に比べて寸法の再現性が高く、連続運転にも向く。
概要
旋盤加工は、素材を回転させ固定した刃物を当てて削る点は汎用旋盤もNC旋盤も変わらない。違うのは刃物台の動かし方で、NC旋盤はあらかじめ入力した座標・送り速度のプログラムに従って刃物台が自動で動く。作業者は都度ハンドルを操作する必要がなく、同じ形状を繰り返し加工しても寸法のばらつきが小さい。
この自動制御の恩恵は特に量産や長時間の連続加工で大きくなるため、産業機械・工作機械向けの部品加工で広く使われている。
汎用旋盤との違い
汎用旋盤は作業者がハンドルやレバーで刃物台を動かし、寸法は都度測定しながら仕上げる。熟練度によって仕上がりが変わりやすい一方、単発の試作や特殊形状には柔軟に対応できる。
NC旋盤はプログラムに従って動くため、同一プログラムであれば繰り返し精度が高く、無人での連続運転も可能になる。ただし段取り作業(チャッキング、工具原点合わせ、プログラムの試し削り)自体は人が行う必要があり、自動化されるのはあくまで加工中の送り制御である点には注意が要る。
長尺・大径加工での役割
NC旋盤は小型の汎用機から、チャック径や芯間距離(センタ間の最大加工長)が数メートルを超える大型機まで幅広い。深江特殊鋼では、チャック径φ1,200×芯間15,000の超大型NC旋盤と、φ490×5,000の大型NC旋盤を保有しており、長尺シャフトやロール部品の外径加工に対応している。
こうした大型NC旋盤は、深穴加工(BTA加工・ガンドリル加工)の前工程として、素材の外径・基準面を先に作る役割も担う。旋盤加工と深穴加工を同じ会社で一貫対応できると、工程間の運搬・管理の手間を減らせる。
精度を左右する要因
NC旋盤はプログラム通りに動くが、それだけで寸法精度が自動的に保証されるわけではない。加工中の摩擦熱による主軸や工具の熱変位、連続加工による工具摩耗は、そのままにしておくと寸法がわずかにドリフトする原因になる。
実務では、一定サイクルごとに寸法を測定してプログラム側の補正値を更新する、暖機運転で機械を安定した温度域に持っていくといった管理が必要になる。長尺物では、たわみを抑えるための振れ止めの使用有無も精度に影響する。
深江特殊鋼のNC旋盤保有設備の目安
| 機種区分 | チャック径 | 芯間(最大加工長) |
|---|---|---|
| 超大型NC旋盤 | φ1,200 | 15,000mm |
| 大型NC旋盤 | φ490 | 5,000mm |
※ 対応範囲は深江特殊鋼の保有設備での実績値。設備・素材・形状により変わるため個別確認が必要。
よくある誤解
✕ NC旋盤は自動なので段取りの手間もかからない。
○ 自動化されるのは加工中の刃物台の送り制御であり、チャッキングや工具原点合わせなどの段取り作業自体は依然として人が行う。段取りにかかる時間はロット数が少ないほど加工時間全体に占める割合が大きくなる。
✕ NC旋盤ならプログラム通りに寸法が出続ける。
○ 連続加工では摩擦熱による熱変位や工具摩耗によって寸法がわずかにドリフトする。定期的な測定とプログラム補正の運用がないと、プログラムが正しくても仕上がり寸法は徐々にずれていく。
✕ NC旋盤は量産向けで小ロットには向かない。
○ 段取り替えの手間さえプログラム流用や治具の工夫で抑えられれば、小ロットや試作でもNC旋盤の繰り返し精度は有効に働く。向き不向きはロット数だけでなく形状や公差の要求水準にもよる。
よくある質問
NC旋盤と汎用旋盤は何が違うのですか。+
どのくらいの長さ・径までNC旋盤で加工できますか。+
NC旋盤で仕上げた素材にそのまま深穴をあけられますか。+
小ロットの試作品でもNC旋盤で対応してもらえますか。+
関連用語
出典
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