ミルシートとは
読み: みるしーと
ミルシートとは、鋼材などの素材メーカーが発行する、化学成分・機械的性質(引張強さ・硬度など)を証明する材料証明書である。
概要
ミルシート(Mill Sheet、材料証明書)は、素材が発注仕様や規格(JISなど)の要求する化学成分・機械的性質を満たしていることを、素材メーカーが試験結果とともに証明する文書である。鋼材のロットごとに発行され、成分分析値や引張試験の結果などが記載される。
記載される内容
一般的には材質記号(S45C、SUS304など)、ロット番号、化学成分の分析値(C、Si、Mn、Crなど)、引張強さ・降伏点・伸びといった機械的性質の試験値が記載される。特殊鋼商社を経由して調達する場合、素材メーカーが発行したミルシートを商社経由で発注者に提供する形になる。
深穴加工の発注における役割
深穴加工では、素材のロットによって被削性や熱処理後の硬度にばらつきが出る場合がある。ミルシートで成分値を確認しておくことで、想定していた材質・熱処理条件と実際の素材が一致しているかを事前に把握できる。トレーサビリティが求められる航空宇宙・医療・半導体分野の案件では、ミルシートの添付が発注条件になっていることが多い。
よくある誤解
✕ ミルシートがあれば加工後の寸法も保証されている。
○ ミルシートは素材の化学成分・機械的性質を証明するものであり、加工後の寸法や幾何公差を保証するものではない。加工後の検査結果は検査成績書で別途確認する。
✕ ミルシートはどの素材にも標準で付いてくる。
○ 素材のロットや調達経路によっては、ミルシートの発行に追加の手配や時間が必要になる場合がある。トレーサビリティが必要な案件では、発注時にミルシートの要否を明示しておく必要がある。
よくある質問
ミルシートはどんな場合に必要ですか?+
素材の成分・機械的性質を証明する必要がある案件で必要になる。航空宇宙・医療・半導体分野などトレーサビリティが重視される発注では、標準的に要求される。
ミルシートと検査成績書はどちらが素材の証明になりますか?+
素材そのものの成分・機械的性質を証明するのはミルシートである。検査成績書は加工後の部品の寸法・形状の検査結果であり、対象が異なる。
支給材にもミルシートは付きますか?+
発注者が支給する材料の場合、支給時にミルシートが添付されているかどうかで対応が変わる。トレーサビリティが必要な場合は、支給時点でミルシートの有無を確認しておく必要がある。
関連用語
出典
- EN 10204(金属材料の検査書類の種類、3.1証明書など)の一般的な位置づけ
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