ハステロイとは
読み: はすてろい
ハステロイとは、ニッケルを主体にクロムやモリブデンを組み合わせた耐食合金の総称であり、強酸や塩化物を含む腐食性の強い環境で高い耐食性を発揮する材質である。
概要
耐熱・耐食合金はニッケルを主体とするものが多く、ハステロイとモネルはインコネルと並んで代表的な系統に挙げられる[1]。ハステロイはニッケルを主体とし、クロムやモリブデンなどを組み合わせた合金であり、高い耐腐食性を特徴とする。
「ハステロイ」自体は特定の元合金メーカーの商標名で、モリブデン量やクロム量が異なる複数のグレード(B系、C系など)が存在する。グレードによって耐えられる腐食環境が異なるため、選定時にはどのグレードかを明確にする必要がある。
耐食性が高い理由
モリブデンは還元性の強酸(塩酸など)に対する耐食性を高め、クロムは酸化性の環境での耐食性に寄与する。ハステロイの各グレードは、このモリブデンとクロムの配合比率を変えることで、還元性・酸化性いずれの環境にも対応できるよう設計されている。
この耐腐食性の高さから、化学品プラントのバルブ・配管や、廃棄物処理設備など、腐食性が強い薬液や高温ガスに常時さらされる設備で用いられる[1]。
加工上の注意点
ハステロイはインコネル同様に加工が難しい難削材に分類される[1]。ニッケル基合金全般に共通する性質として熱伝導率が低く、切削熱が刃先にこもりやすいうえ、加工硬化も起こしやすい。
深穴加工では切りくずの排出経路が長くなる分、この発熱と加工硬化の影響が拡大しやすいため、切削油の圧力・流量の管理と、材質グレードに応じた切削条件のノウハウが工具寿命と仕上がりを左右する。
よくある誤解
✕ ハステロイは1種類の材質名である。
○ ハステロイは合金メーカーの商標名であり、モリブデン・クロムの配合が異なる複数のグレードが存在する。腐食環境(還元性か酸化性か)によって適したグレードが変わるため、グレードの指定が必要である。
✕ 耐食合金は硬くないので加工しやすい。
○ ハステロイは硬度自体は高くないが、熱伝導率の低さと加工硬化のしやすさから難削材に分類される。切削熱がこもりやすく工具摩耗が進みやすいため、専用の切削条件が必要になる。
よくある質問
ハステロイにはどんな種類がありますか。+
ハステロイの深穴加工は対応できますか。+
ハステロイとインコネルはどう違いますか。+
関連用語
出典
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