止まり穴とは
読み: とまりあな
止まり穴とは、ワークの反対側まで貫通せず、途中で終わる穴のことである。
概要
穴あけ加工であける穴は、ワークを完全に貫通する貫通穴と、途中で終わる止まり穴の二つに大別できる。ねじ穴やピン穴、部品内部にとどめる冷却穴などは止まり穴として設計されることが多く、反対側の面に穴を出したくない、あるいは出せない構造で使われる。
ガンドリル加工では、小さな止まり穴から長い貫通穴まで幅広い深さの穴に対応できることが特長の一つとされており、止まり穴は深穴加工が扱う穴の代表的な形態の一つである。
貫通穴との違いと加工上の差
貫通穴は工具が反対側に抜けるため、切りくずや切削油の一部が出口側からも排出されるのに対し、止まり穴は穴底が閉じているため、切りくずが逃げ場を失いやすい。特に穴が深くなるほど、切りくずが穴底に溜まったまま加工が進むリスクが高まり、工具の摩耗や欠損につながりやすくなる。
このため、止まり穴の深穴加工では、切削条件(送り速度・送り量)や切削油の圧力・流量を、貫通穴以上に慎重に管理する必要がある。
深さ管理と穴底形状
止まり穴では、穴の深さそのものを正確に管理する必要がある。ドリル形状によって穴底は完全な平面ではなく、先端角に応じたすり鉢状の形状になるため、図面上で指定する深さが「穴底の最深点まで」なのか「円筒部の深さまで」なのかを明確にしておかないと、仕上がり寸法の解釈に食い違いが生じることがある。
また、後工程でねじ加工やリーマ加工を行う場合は、有効ねじ長さや仕上げ代を確保できる深さまであけておく必要があり、止まり穴の深さ設定は後工程の要求から逆算して決めることが多い。
用途と発注時の確認事項
止まり穴は、金型のエジェクタピン穴やヒータ穴、ノックピン穴、部品内部の冷却穴・潤滑穴など、反対側に穴を出したくない設計で幅広く使われる。用途によって求められる深さの精度や穴底形状への要求が異なるため、発注時には穴径・深さに加えて、穴底形状の指定(先端角の有無、平底の要否)を明確にしておくと手戻りが少ない。
深さがL/D比で見て大きい止まり穴は、切りくず排出の難しさから貫通穴以上に加工難度が上がることがあるため、対応可否や納期への影響をあわせて確認するとよい。
よくある誤解
✕ 止まり穴は貫通穴より浅いので、加工は必ず簡単になる。
○ 止まり穴は穴底が閉じている分、切りくずの逃げ場がなく、深さによっては貫通穴より排出性の管理が難しくなることがある。深さ・径の比率次第で難易度は変わる。
✕ 図面に深さの数値さえ書けば、穴底形状の解釈で食い違いは起きない。
○ ドリル形状によって穴底はすり鉢状になるため、深さが穴底の最深点までか円筒部までかを明示しないと、仕上がり寸法の解釈が加工先によって変わることがある。
よくある質問
止まり穴の深さは、穴底のどこまでを指しますか。+
深い止まり穴は貫通穴より加工費が高くなりますか。+
止まり穴の穴底を平らにすることはできますか。+
関連用語
出典
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