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傾斜度とは

読み: けいしゃど

傾斜度とは、データムに対して90度以外の指定された角度をもつ形状要素(面・軸・線)が、その理論的に正確な角度からどれだけ傾いてよいかを規定する幾何公差である。姿勢公差の一種で、直角度・平行度と並び、角度に関する精度を管理するために使う。

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概要

部品には、基準面に対して90度でも0度(平行)でもない、任意の角度で交わる面や穴がしばしばある。傾斜度は、そうした「基準に対する角度」の精度を管理する幾何公差である。理論的に正確な角度(TED)で図面に指示された角度に対し、実際の形状がその角度からどれだけずれてよいかを、公差域という帯状の空間で規定する。

直角度・平行度との関係

姿勢公差には、角度0度を扱う平行度、角度90度を扱う直角度、それ以外の任意角度を扱う傾斜度の3種類がある。三者は基本的に同じ考え方(データムに対する理論的に正確な角度からのずれを管理する)に基づいており、対象となる角度が0度か90度かそれ以外かで呼び名が変わる。

適用対象

傾斜度は面(傾斜面)にも、軸線(斜め穴の中心軸)にも指示できる。斜め穴の場合は、穴の中心軸がデータム軸または平面に対して指定角度からどれだけ傾いてよいかを管理する。テーパ穴や、部品の取り付け面に対して斜めに配置された穴のある部品で使われることが多い。

深穴加工との関係

深穴加工でも、主軸に対して斜めに穴をあける交差穴やテーパ穴では、穴の中心軸の角度精度が問題になる。傾斜度公差が指示されている場合、加工側はワークの段取り角度そのものが最終精度に直結するため、治具設計の段階で角度精度を作り込む必要がある。

よくある誤解

傾斜度は直角度の一種である。

傾斜度と直角度は別の公差記号であり、角度が90度のときに使うのが直角度、90度以外のときに使うのが傾斜度である。

傾斜度は角度寸法の公差(度・分・秒の許容差)と同じである。

角度寸法の公差は角度そのものの数値の許容差だが、傾斜度は理論的に正確な角度を基準に、実際の面や軸線が公差域という帯の中に収まるかどうかを幾何学的に管理する。両者は表記方法も評価方法も異なる。

よくある質問

傾斜度と角度公差(±の角度指示)はどう違いますか。+
角度公差は角度の数値そのものに許容差を付ける寸法公差的な表記である。傾斜度は幾何公差で、理論的に正確な角度を基準にした帯状の公差域に、実際の面や軸線が収まっているかを評価する。同じ角度精度の要求でも、評価方法が異なる。
傾斜度はどんな部品でよく指示されますか。+
基準面に対して斜めに交わる面や穴をもつ部品、たとえば斜め穴のあるブロック部品やテーパ形状をもつ部品で指示される。
傾斜度公差のある斜め穴の加工で注意すべき点は何ですか。+
段取り時のワーク角度が最終的な穴の角度精度にそのまま影響するため、治具での角度出しの精度と、加工中の工具のたわみによる角度変化の両方を管理する必要がある。

関連用語

出典

  1. JIS B 0021(製品の幾何特性仕様(GPS)-幾何公差表示方式-形状、姿勢、位置及び振れの公差表示方式)

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