チタン加工はなぜ難しいのか?対策として何を確認すべきか?
チタン加工が難しい主因は、熱伝導率の低さによる工具側への蓄熱、高強度・高弾性率によるびびり、化学反応性の高さによる工具摩耗の3つです。[1][2] 対策は、合金グレード別の切削条件、クーラント条件、工具保持剛性を分けて確認します。[1][2]
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まず確認すること
チタン加工が難しいと言われるとき、原因は一つではありません。熱伝導率の低さによる刃先への蓄熱、高強度・高弾性率によるびびり、送りが緩んだときに進む加工硬化は、それぞれ別の対策が必要です。[1][2] 自社の5軸加工では、Ti-6Al-4Vの切削速度65m/min、送り0.05mm/tooth、高圧クーラント7.0MPaという条件データがあり、[5] 航空宇宙用ハウジングの公開事例では加工硬化と熱変形がまさに課題になり、クーラント条件の見直しで寸法精度±0.02mmを達成しています。[4] 以下では、この原因の切り分けと、外注先に確認すべき材料規格まで整理します。
納期が遅れやすいポイント
- 鉄鋼やアルミと同じ切削条件をチタンにも当てはめ、工具摩耗が早まり寸法や面粗度が安定しない[1][2]
- 送りを緩めて様子を見た結果、かえって加工硬化が進み次のパスが削りにくくなる[2]
- クーラント条件(濃度、ろ過、圧力)を明文化せず、外注先ごとに仕上がりがばらつく[2]
- 純チタンとTi-6Al-4Vを区別せず同じ切削条件で見積もり、想定より工具費・加工時間が上振れする[1]
- 図面のJIS表記と外注先のASTM表記が対応しておらず、材料規格の確認に時間がかかる[3]
Q. チタン合金はなぜ加工が難しいのか?
A. 熱伝導率の低さ、高強度・高弾性率によるびびり、工具摩耗、クーラント条件の見落としが重なるためです。[1][2] Ti-6Al-4Vの熱伝導率は6.7W/m-Kで、同じチタン材料でも純チタングレード2の16.4W/m-Kの半分以下しかなく、切削熱が工具側にたまりやすくなります。[1] 切削で生じた熱が切りくず側に逃げにくく、刃先に熱が集中しやすくなります。[1] 加えてTi-6Al-4Vの引張強度は約950MPaとグレード2の約345MPaより高く、弾性率も高いためたわみやすく、びびりや切りくずの乱れにつながりやすいとされています。[1] Sandvik Coromantの資料では、チタンの熱伝導性の低さが刃先の熱を工具側に閉じ込める断熱材のような挙動を示し、これが工具摩耗を早める要因として説明されており、クーラント条件の見直しが対策の一つとされています。[2] さらに送りを緩めて刃先が滑る状態が続くと、その部分の表面が硬くなる加工硬化が起きやすいともされます。[2] 自社の航空宇宙用ハウジング加工でも、加工硬化と熱変形が課題として挙がった公開事例があります。[4]
Q. 対策として何を確認すべきか?
A. 合金グレード別の切削条件、送りを絶やさない運用、クーラント条件、工具保持剛性の4点です。[1][2] Makinoの試験では、Ti-6Al-4Vが切削速度50m/minで工具寿命約60分だったのに対し、熱伝導率が高く強度の低い純チタングレード2という材料は、同じ工具寿命を145m/minで達成しており、速度で約2.9倍の差が出ています。[1] つまり「チタンだから一律に遅く」ではなく、合金グレードごとに条件を分けて確認する余地があります。[1] Sandvik Coromantの資料では、粗加工の目安を約60m/min、仕上げを約180〜240m/minとし、クーラントは濃度10%以上、ろ過25ミクロン以上、供給圧力500psi以上を工具内部から通す方式を条件として挙げています。[2] 送りを緩めて刃先を滑らせないこと、工具保持は焼きばめ・油圧チャックなど抜けにくい方式にすることも挙げられています。[2] 自社の5軸加工でのTi-6Al-4V切削条件は切削速度65m/min、送り0.05mm/tooth、高圧クーラント7.0MPaで、この考え方に沿った運用です。[5]
Q. 外注先や材料調達で何を確認すべきか?
A. 材料規格(JIS/ASTM)とグレード呼称の対応関係、検査要求を含めた近い形状・グレードでの加工実績の2点です。[3][4] 国内ではJIS H 4600(板・帯)とJIS H 4650(棒)、米国ではASTM B265(板・帯)とASTM B348(棒)がチタン・チタン合金材の規格として使われています。[3] 代表的なTi-6Al-4Vは、JISでは60種/TAB6400、ASTMではB348グレード5に対応するため、JIS基準とASTM基準のサプライヤーから見積を取る場合はこの対応関係で規格をそろえて確認すると、材質の食い違いを減らせます。[3] 規格が合っていても、加工実績が近いかは別に確認が必要です。自社ではTi-6Al-4V航空宇宙用ハウジングの5軸加工で、加工硬化と熱変形が課題になった実例があり、クーラント条件の最適化で寸法精度±0.02mmを達成しています。[4] 外注先には、規格名だけでなく、近い材質グレード・形状での加工実績と、そこで何が課題になったかまで聞くと、見積の精度が上がります。[3][4]
図面で見ておきたい条件
- 本文の切削速度・クーラント条件は5軸加工でのTi-6Al-4Vデータであり、ガンドリルやBTA、汎用旋盤でのチタン固有の数値条件は自社データベースに公開していません。[5]
- 純チタン(グレード1〜4)とTi-6Al-4Vでは熱伝導率・強度が大きく異なるため、本文の数値をそのまま純チタンに当てはめず、グレードごとに条件を確認してください。[1]
業界での実機事例(参考)

Ti-6Al-4V航空宇宙用ハウジングの5軸加工

Ti-6Al-4V医療用インプラントの5軸加工
よくある質問
純チタンかTi-6Al-4Vか、材質グレードすら決めきれていない段階でも問い合わせてよいですか?+
純チタンとTi-6Al-4Vはどちらが加工しやすいですか?+
アルミやSUSと同じ感覚で見積を依頼しても大丈夫ですか?+
JISとASTM、どちらの規格で図面を出せばよいですか?+
工具メーカーを変えるだけで難削材の問題は解決しますか?+
短納期でも相談できますか?+
試作1個だけでも対応できますか?+
海外調達したチタン材の追加工も相談できますか?+
チタンの加工事例はどんな分野で公開されていますか?+
材質グレードが未確定のまま問い合わせると、どこまで回答してもらえますか?+
あわせて読みたい情報
参考事例・文献
外部資料
内部事例
- [4] 深江特殊鋼グループ 公開加工事例: Ti-6Al-4V航空機用センサーハウジング
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