トレパニングとは
読み: とれぱにんぐ
トレパニングとは、素材を穴の全断面ではなく環状(ドーナツ状)に切削し、中心部に円柱状の芯材を残しながら大径の穴をあけるBTA加工の方式である。トレパン加工とも呼ばれ、無垢の素材全体を削り取るソリッドボーリング加工に比べて切削量を抑えられる。
概要
BTA加工には、無垢の素材にそのまま穴をあけるソリッドボーリング加工と、中心に芯材を残して環状に削るトレパニングの2方式がある。穴径が大きくなるほど、断面全体を切削するソリッドボーリングは除去する体積が大きくなり、切削時間と工具負荷が増える。
トレパニングは、穴になる部分の外周だけを環状に削り、中心部分は芯材として残す。削り取る体積が断面全体より小さくなるため、大径の穴をあける際に切削量を抑えられる。BTA加工の3方式(ソリッドボーリング・トレパニング・カウンターボーリング)の中で、大径穴に使われる代表的な方式である。
ソリッドボーリングとの違い
ソリッドボーリング加工は無垢の素材の中心から断面全体を削り取る方式で、最も一般的なBTA加工である。中小径の穴ではこの方式が標準的に使われる。
トレパニングは穴の外周部分のみを環状に切削し、中心に円柱状の芯材が残る点が異なる。芯材が残ることで切削量そのものが減るため、大径になるほどソリッドボーリングに対する時間・工具負荷の面での差が大きくなる。どちらの方式を選ぶかは、穴径と素材のコスト、工具剛性の兼ね合いで決まる。
芯材の扱い
トレパニングで残る中心部の芯材は、削り屑として廃棄されるだけでなく、寸法や材質の条件が合えば別の部品の素材として活用できる場合がある。芯材の外径は加工する穴の内径寸法にほぼ一致するため、丸棒として転用できるかどうかは案件ごとの寸法計画に左右される。
芯材を活用する前提で加工計画を立てる場合は、穴の位置や仕上げ代を含めて事前にすり合わせておく必要がある。素材から一体で加工する分、通常の穴あけよりも段取りの検討項目が増える。
よくある誤解
✕ トレパニングは特殊な穴形状(非円形の穴など)を加工する方式である。
○ トレパニングは穴の形状そのものを変える工法ではなく、円形の大径穴を環状切削であけるBTA加工の一方式である。断面全体を削らず中心に芯材を残す点が特徴で、穴自体は通常の円形貫通穴・止まり穴になる。
✕ トレパニングを使えば必ず加工時間が短くなる。
○ 小径の穴では断面全体を削るソリッドボーリングとの切削量の差が小さく、環状切削特有の工具・治具の準備を考えると必ずしも有利にならない。トレパニングが優位になるのは主に大径の穴である。
よくある質問
トレパニングとソリッドボーリングはどちらが安く済みますか?+
トレパニングで残った芯材は使えますか?+
どのくらいの穴径からトレパニングが検討されますか?+
関連用語
出典
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