タイバーとは
読み: たいばー
タイバーとは、射出成形機やプレス機において固定盤と可動盤(型締め装置の板状部材)を平行に結び、型締め時にかかる大きな引張力を支える長尺の軸部品である。
概要
射出成形機は、金型を閉じた状態で樹脂を高圧で注入するため、型が開かないように大きな力(型締め力)で挟み続ける必要がある。この型締め力は固定盤と可動盤の間で発生し、両者を平行に保ちながら力を伝えるのがタイバーの役割である。多くの射出成形機は4本のタイバーを四隅に配置し、型締め力を均等に分散させる構造を取る。
タイバーはプレス機でも同様の役割で使われることがあり、いずれも大きな引張荷重を繰り返し受ける部品であるため、材質選定と表面仕上げの両方が耐久性を左右する。
中空タイバーと深穴加工
タイバーは無垢材で作られることもあるが、軽量化や検査用の内部空間確保のために中心に穴をあけた中空構造のタイバーもある。タイバーは長尺の丸棒であり、中心穴をあける場合はL/D比(穴径に対する深さの比)が大きくなりやすいため、ガンドリル加工やBTA加工などの深穴加工が使われる。
深江特殊鋼にはSCM440材でφ480×長さ4,200mmのタイバー部品の加工実績がある。長尺で大径の丸棒に対する旋盤加工と、中心穴の深穴加工を組み合わせて仕上げる。
材質と要求精度
タイバーは繰り返し引張荷重を受ける部品であるため、SCM440などの構造用合金鋼が使われることが多い。ねじ部(固定盤・可動盤との締結部)の疲労強度や、中間部の真直度が製品寿命に直結する。
中空タイバーの場合、中心穴の同軸度が外周に対してずれていると、荷重を受けたときの応力分布が偏り、疲労破壊のリスクが高まる。このため、外周の真直度と中心穴の同軸度の両方を管理する必要がある。
よくある誤解
✕ タイバーは型締め力を支えるだけの部品なので、外周精度さえ出ていれば問題ない。
○ 中空タイバーの場合、中心穴が外周に対して偏心していると荷重を受けたときの応力分布が偏り、疲労破壊のリスクが高まる。外周精度と中心穴の同軸度は別々に管理する必要がある。
✕ 長尺のタイバーは、途中で継ぎ合わせて作っても強度上問題ない。
○ タイバーは繰り返し引張荷重を受ける部品であり、継ぎ目は応力集中と疲労破壊の起点になりやすい。長尺の一本材から加工するのが基本で、長尺対応の旋盤・深穴加工設備の有無が発注先選定の条件になる。
よくある質問
タイバーの長さはどのくらいまで加工できますか?+
タイバーは中実(無垢)と中空、どちらが一般的ですか?+
タイバーの材質はSCM440以外も選べますか?+
関連用語
出典
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