輪郭度とは
読み: りんかくど
輪郭度とは、図面に指示された理論的に正確な形状(線または面)に対し、実際の形状がどれだけ逸脱してよいかを規定する幾何公差である。線の輪郭度(線輪郭度)と面の輪郭度(面輪郭度)の2種類があり、自由曲線・曲面や非円形形状の精度を管理するために使う。
概要
図面上の寸法公差だけでは、円弧や自由曲線、非対称な輪郭形状の精度は管理できない。輪郭度はこの隙間を埋める幾何公差で、理論的に正確な寸法(TED、四角囲みの数値)で定義された基準形状に対し、実際の形状が許容できるずれの帯(公差域)を規定する。
公差域は基準形状を中心とした帯状の空間で、実際の輪郭線・輪郭面はその帯の中に収まらなければならない。
線輪郭度と面輪郭度
輪郭度には2種類がある。線輪郭度は、投影された断面上の輪郭線を対象とし、断面ごとに狭い帯状の公差域で管理する。面輪郭度は、対象を面全体として扱い、公差域は面を挟む2つの曲面の間の空間になる。
同じ形状でも、断面ごとにばらつきを許すか、面全体で一括して押さえるかで使い分けが分かれる。自由曲面をもつ金型のキャビティ面や、非円形の輪郭をもつ部品の外形などで指示されることが多い。
データムの有無
輪郭度はデータムを指定せずに使う場合と、データムを基準にして使う場合の両方がある。データムなしの輪郭度は、形状そのものの正しさ(理論的形状からの逸脱量)だけを管理する。
データム付きの輪郭度は、形状に加えて、その形状が基準面や基準軸に対してどの位置・向きにあるべきかまで管理する。図面の要求が形状だけか、位置決めまで含むかによって、データムを付けるかどうかが決まる。
他の幾何公差との違い
平面度は平坦な面、真円度は円形状に限定されるのに対し、輪郭度は理論的に正確な寸法で定義できる形状であれば、直線・曲線・平面・曲面のどれにも適用できる汎用的な公差である。このため、単純な幾何形状には平面度や真円度など専用の公差記号を使い、自由曲線・曲面や複合的な輪郭には輪郭度を使う、という使い分けになる。
深穴加工との関係
深穴加工そのものは円筒穴の真直度・真円度・円筒度が管理対象になることが多く、輪郭度が指示される場面は限られる。ただし、深穴をもつ部品の外形が非円形・自由曲面の場合や、穴の入口・出口の形状を輪郭で規定する場合には、輪郭度による管理が必要になる。
よくある誤解
✕ 輪郭度は円形状の精度を管理する公差である。
○ 輪郭度は円に限らず、理論的に正確な寸法で定義できるあらゆる形状(直線・曲線・平面・自由曲面)に使える。円形状専用の公差は真円度である。
✕ 輪郭度を指示すればデータムは常に不要である。
○ 輪郭度にはデータムなしとデータム付きの2種類がある。データムを付けると、形状の正しさに加えて基準に対する位置・向きまで管理でき、要求内容に応じて選ぶ。
✕ 線輪郭度と面輪郭度は使い分けなくても結果は同じである。
○ 線輪郭度は断面ごとに個別の許容を与えるのに対し、面輪郭度は面全体を一括で管理するため、同じ形状でも管理の厳しさが異なる。
よくある質問
輪郭度と平面度はどう違いますか。+
線輪郭度と面輪郭度、図面ではどちらを選べばよいですか。+
データム付きの輪郭度を指示された場合、加工側で何が変わりますか。+
輪郭度はどうやって測定しますか。+
関連用語
出典
- JIS B 0021(製品の幾何特性仕様(GPS)-幾何公差表示方式-形状、姿勢、位置及び振れの公差表示方式)
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