キー溝加工とは
読み: きーみぞかこう
キー溝加工とは、軸とプーリーやギヤなどのボス(穴側部品)にキーをはめ込むための溝を切削加工で作る工程であり、両者の間でトルクを伝達するために行われる。
概要
軸に取り付けたプーリーやギヤを、軸の回転と一緒に回すには、軸とボスの間でトルクを伝える機構が必要になる。キー溝加工は、軸の外周とボスの内周にそれぞれ溝を作り、そこにキーと呼ばれる角材状の部品をはめ込むことで、この機構を実現する工程である。
キーが軸とボスの両方の溝にまたがってはまることで、軸が回転した際にキーの側面が力を受け止め、トルクがボス側に伝わる。摩擦だけに頼るよりも確実にトルクを伝えられるため、動力伝達を伴う回転部品では広く使われている。
加工方法
軸側のキー溝は、エンドミルを使ったフライス加工で削られることが多い。溝の両端の形状によって、エンドミルが溝の途中で止まる止まり溝と、軸の端まで貫通するタイプに分かれる。
ボス側(穴の内側)のキー溝は、ブローチという多数の刃を持つ工具を穴に通して一気に溝を作るブローチ加工や、専用の溝削り工具を使う方法で加工される。ボス側の内径が深い場合や量産数が少ない場合は、汎用の工作機械で少しずつ削る方法が選ばれることもある。
寸法公差での注意点
キー溝の幅は、キーとのはめあいによってトルクの伝わり方や、組み付け時のがたつきが変わる。溝が広すぎるとキーががたついて衝撃的な力を受けやすくなり、狭すぎると組み付けができない。このため、キー溝の幅にはJIS規格で定められたはめあい公差が適用されることが多い。
溝の深さも重要で、深さが浅いとキーがボス側まで十分にはまらずトルク伝達力が不足し、深すぎると軸の断面が欠けて強度が下がる。図面には溝の幅・深さそれぞれに公差を指定し、加工先にはどの程度のはめあいを想定しているかを伝えておくと手戻りが少ない。
よくある誤解
✕ キー溝はどこにあけても、トルク伝達には影響しない。
○ キー溝の位置は軸の断面剛性を局所的に下げるため、応力が集中しやすい箇所(段付き部やねじ部の近く)に配置すると、そこから疲労破壊が始まることがある。位置と深さは強度計算とあわせて検討する必要がある。
✕ 軸側とボス側のキー溝は、同じ工法で加工される。
○ 軸側の外周の溝はフライス加工が一般的だが、ボス側の内周の溝はエンドミルが届きにくいため、ブローチ加工や専用工具による溝削りが使われることが多い。両者は工具も工程も異なる。
よくある質問
キー溝の幅公差はどのくらい厳しく指定すればよいですか?+
軸の途中にキー溝を追加工することはできますか?+
ボス側(穴側)のキー溝はどんな工法で加工しますか?+
関連用語
出典
- JIS B 1301(平行キー及びキー溝)
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