金属加工の内製化は、外注よりコストで有利なのか?
有利かどうかは加工そのものの単価ではなく、設備、工具、測定器、作業者を自社で持ち続ける年間費用で決まります。まず、現在の外注費と、その4つを社内に置いた場合の年間費用を同じ単位で並べて判断します。[4][7]
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内製化を決める前の条件整理から相談する
内製化と外注のどちらが安いか迷っている段階で構いません。現在の外注費、材質、寸法、公差、年間数量のうち分かっているものをメモにして、Meta-Naviのお問い合わせから送ってください。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!条件の整理から一緒に進められます。
まず確認すること
内製化を1回の設備投資として見積もると、金額が合いにくくなります。深江特殊鋼は1964年に特殊鋼と一般鋼材の販売会社として始まり、1975年にBTA深穴加工、1990年にマシニングとフライスの部門、2000年に24時間無人の切断ライン、2010年にφ600の大型BTA機と、加工能力を段階的に足してきました。[5] 現在は深穴加工機から6面フライス自動ライン、最大φ1,200×15mの大型旋盤までを持っていますが、これは60年かけて積み上げた結果です。[3] 内製化の可否は、設備を買えるかどうかだけでは決まりません。工具、治具、測定器、作業者の技能まで含めた年間費用を、今の外注費と同じ単位で並べられるかどうかで決まります。[7]
納期が遅れやすいポイント
- 外注費が積み上がっており、社内に加工設備を持った方が安いのではないかと考えている[1]
- 設備を入れたあと、工具、治具、測定器、保守にいくらかかり続けるのかが見えない[7]
- 比較材料が加工単価だけになっていて、外注費と内製費が同じ単位で並んでいない[4]
- 図面の普通公差が仕上げ相当のままで、内製でも外注でも加工時間が落ちない[6]
- 一部の材質や寸法だけ社内設備の範囲を外れ、内製化しても外注が残る[3]
Q. 内製化と外注、どちらが安いかは何で決まるのか?
A. 加工単価ではなく、設備、工具、測定器、作業者を自社で持ち続ける年間費用と、その年に流れる加工数量で決まります。[3][7] 外注費は、加工を頼んだ分だけ発生します。内製化するとこれが設備の償却費と人件費に変わり、数量が落ちた年でも同じ額が残ります。年間数量が読める部品ほど内製化の計算は合いやすく、繁閑の振れが大きい部品ほど合いにくくなるのはこのためです。深江特殊鋼の場合、BTA深穴加工機4台、ガンドリル加工機3台、門型マシニングセンタ3台、5軸マシニングセンタ11台、6面フライス自動ライン20基、NC旋盤と大型旋盤4台(最大φ1,200×15m)を保有していますが、これはどれかが常に動いている前提で成り立つ構成です。[3] 設備を入れれば精度が出るわけでもありません。加工精度を決める要因として、工作機械の性能、工具の状態、切削条件、加工環境、材料特性、切削油剤、治具とチャック、工程順序、測定機器の精度、作業者の技能の10項目が挙げられています。[7] 機械の剛性が足りないと切削抵抗で工具とワークがたわみ、寸法と形状の誤差になります。ボールねじやリニアガイドが摩耗すれば精度は経年で落ち、室温が変われば機械と材料が伸縮して寸法が動きます。[7] 内製化は、この10項目を自社の管理対象として引き受けることでもあります。 図面の側にも費用要因があります。JIS B 0405の普通公差では、6〜30mmの寸法に対する許容差が中級(m)で±0.2mm、粗級(c)で±0.5mmと決まっており、等級を1段変えるだけで許容差が倍以上動きます。[6] この規格は個々の寸法に公差を書かず、等級を1行指定するだけで要求水準を渡せる仕組みなので、社内の加工部門にも外注先にも同じ言葉で条件を出せます。[6] 公差等級が実際の要求より厳しいままだと、内製化しても加工時間は落ちません。
Q. 外注のままでコストを下げる余地は残っていないか?
A. 材料の形と調達ルートを変えて下がった例があります。工具や設備を増やす前に、この2つを先に確認します。[1][2] 深江特殊鋼グループの公開コラムには、韓国、中国、台湾の粗鍛造と粗加工のパートナー約15社を使った調達で、国内比おおよそ20〜40%の価格差が出た例があります。[1] 具体例として、S45Cのタイロッド4本が国内調達で約1,100万円だったところ、韓国調達ルートで約830万円になり、約25%下がりました。[1] SF490Aのロールローラー1本(φ475×5950)では、国内調達の約65営業日が約40営業日になっています。[1] 工法を変えた例もあります。φ470×4000のタイバー部品を自由鍛造とL1加工の組み合わせに切り替え、あわせて韓国調達ルートへ変えたところ、約20%のコスト削減と約1ヶ月の納期短縮になりました。[2] 素材の形が完成形に近づいた分だけ削り取る量が減るため、粗取りの加工時間そのものが要らなくなります。[2] ただし、これらは海外への粗鍛造と粗加工の調達事例です。素材から削り出す一般の切削加工に同じ削減率が出るとは限りません。[1][2] それでも、現在の外注費が材料費と粗取り工数のどちらに寄っているかを先に見ておかないと、内製化で削れるのがどちらの費用なのか分からないまま設備を選ぶことになります。
Q. 弊社に相談いただくとき、事前に確認させていただく条件は何か?
A. 材質、寸法、公差等級、年間数量、現在の外注費の5点です。[4][6] 深江特殊鋼は、自社設備で削る場合と、認定パートナーのネットワークから加工先を手配する場合の両方で案件を受けています。ターゲット調達では全国150社超の認定パートナーから条件に合うサプライヤーを選び、選定に1〜2営業日、見積比較に3〜5営業日を見ています。[4] 対応寸法はφ3mmからφ1,000mm超、最大長さ12,000mm、数量は試作1個から月10,000個まで、工程は深穴加工、旋削、3軸から5軸のフライス、研削、ワイヤ放電、熱処理、表面処理が含まれます。[4] 自社設備に乗る図面かどうかは寸法で切り分けます。BTA深穴加工機はφ20〜300mm(最大φ600mm)で最大深さ13m、ガンドリル加工機はφ4〜32mm(最大φ200mm)で最大深さ1,500mm、大型旋盤は最大φ1,200×15mです。[3] この範囲を外れる材質や寸法でも、要求精度と数量が決まれば対応可否と見積を回答します。 現在の調達ネットワークは国内が中心で、海外調達は個別の相談として扱っています。[4] 国内加工は品質の作り込み、連絡の速さ、納期の短さの面で扱いやすいという整理です。[4] 内製化の判断材料として必要なのは、外注を続けた場合の年間費用と、社内に設備、工具、測定器、作業者を置いた場合の年間費用を同じ単位で並べたものです。金額そのものは、材質、寸法、公差等級、年間数量が決まってから算出します。[7]
相談前に知っておきたいこと
- 内製化と外注のどちらが安いかの金額は、材質、寸法、公差等級、年間数量、稼働見込みが決まってから算出します。現時点の図面と現在の外注費が分かれば、比較の前提だけは先に整理できます。[4][7]
- 公開コラムの約25%、約20%、約40%という数値は、韓国など海外への粗鍛造と粗加工の調達事例です。素材から削り出す一般の切削加工に同じ削減率が出るとは限りません。[1][2]
よくある質問
内製化するかどうかを決めていない段階でも相談できますか?+
内製と外注の見積を比べるとき、何を同じ単位に揃えればよいですか?+
一部の工程だけ内製化して、残りを外注する形でも相談できますか?+
自社に設備がない材質や大きさの部品も引き受けてもらえますか?+
海外調達も比較の選択肢に入れられますか?+
初回の見積回答はどれくらいで来ますか?+
試作1個の案件でも、月に数千個の案件でも同様に相談できますか?+
公差等級はどう指定すると加工費が下がりますか?+
内製化した場合、測定と検査の体制はどこまで必要になりますか?+
現在の外注先を切り替えるつもりはなく、比較だけしたい場合も相談できますか?+
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参考事例・文献
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