材料支給と材料込み発注、加工はどちらで頼むべきか?
材料支給か材料込みかは、ミルシートの紐付けを発注側と加工側のどちらが担うか、そして材料手配が納期のボトルネックになる案件かどうかで判断が変わります。証明書の管理を自社で回せる体制があるか、丸棒や特殊材の調達に時間がかかる案件かを先に見極めると、選ぶべき発注方法が固まります。[1][7]
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材料支給と材料込み、どちらで発注すべきか迷うなら、現在の材料手配状況と検査証明書の有無をメモにして、Meta-Naviのお問い合わせから送ってください。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!条件の整理から一緒に進められます。
まず確認すること
材料支給と材料込み、どちらで発注すべきかは、案件ごとの検査証明書の管理体制と、材料手配のリードタイムで変わります。BTA加工の相談ガイドでは、長尺の丸棒は材料手配が納期の山になりがちなので、材料込みで相談した方が全体は速いことが多いとしています。[2] 深穴加工の相談ガイドでは、深穴用の素材は余肉の取り方に癖があるため、支給材がその癖に合っていないと手戻りが起きやすく、材料込みの方が手戻りが少ないとしています。[3] どちらも「材料込みが常に有利」という話ではなく、案件条件によって判断が変わるという整理です。自社案件の材料手配リードタイムと検査証明書の管理体制を、この2つの観点と比べることが最初のステップになります。[2][3]
納期が遅れやすいポイント
- 支給材にミルシートが付いていない、または現物と紐付かず、加工業者から出荷証明書を出してもらえない[7]
- 材料込みで見積を頼んだのに、支給材の有無や熱処理条件を後から聞かれ、見積が二度手戻りになる[2][3]
- 長尺の丸棒や特殊材を自社で手配しようとして、材料手配自体が納期の山になっている[2]
- 支給材のロットや部位で硬さがばらつき、同じ加工条件でも寸法や工具寿命が変わってしまう[9]
- 設計変更や発注取消で、材料込みで仕入れた特注材が転用できずスクラップ扱いになりかけた[8]
Q. なぜ材料支給と材料込みで、見積や納期の前提が変わるのか?
A. 検査証明書(ミルシート)の管理責任と、納期のボトルネックの所在が変わるからです。[7] JIS G0415は、鋼材メーカーが発行する検査文書の種類(2.1、2.2、3.1、3.2)と、購入者向けの証明範囲を定めた規格です。加工業者が仕入れた一次材料を使って自社製品を作る場合、トレーサビリティが必要ならその一次材料の検査文書を保持・提示する義務が残ります。[7] 材料支給では、この検査文書の管理と紐付けの責任が発注者側に残ります。ミルシートが欠けている、または現物と紐付かない支給材だと、加工業者は自社の出荷証明書で材質を保証できません。[7] 材料込みで発注する場合は、加工業者が検査文書の種類を選んで材料を仕入れるため、証明書の連鎖を発注側で管理する必要がなくなります。深江特殊鋼の「ターゲット調達」では、S45C、SCM440、SUS304/316/630、SKD11/SKD61、インコネル、チタン、アルミ、銅合金まで材料グレードをカバーし、納品時にミルシートを添付する調達フローを持っています。[4] 納期面では、材料手配そのものが律速になる案件があります。BTA加工の相談ガイドでは、長尺の丸棒は材料手配が納期の山になりがちなので、材料込みで相談した方が全体は速いことが多いとしています。[2] 深穴加工では別の理由も働きます。深穴用の素材は余肉の取り方に癖があり、支給材がその癖に合っていないと手戻りが起きやすいため、材料込みの方が手戻りが少ないという整理です。[3]
Q. 材料込みで発注する場合、何を確認して伝えるべきか?
A. 支給材の有無、熱処理、表面処理、後工程、検査証明書の種類を分けて伝えることです。[2][8] BTA加工の相談ガイドでは、材料込みの相談なら、支給材の有無と熱処理と表面処理と後工程を分けて書くだけで見積の前提が固まるとしています。深穴加工の相談ガイドでも同様に、支給材の有無、熱処理、表面処理、後工程を分けて伝えると見積の前提がそろうとしています。[2][3] 検査証明書の種類も先に決めておく項目です。JIS G0415は、鋼材の検査文書を2.1(試験結果なし)、2.2(試験結果あり・非specific検査)、3.1(specific検査・メーカー自己証明)、3.2(specific検査・第三者証明)の4種類に分けています。材料込みで発注する時点でこの種類を伝えないと、後から証明書の取り直しになることがあります。[7] 価格面では、METIの金属業界取引適正化ガイドラインが、材料費を市場価格に連動させ、加工賃と分けて示す価格モデルを実務例として挙げています。材料込みの発注書に、材料費と加工賃を分けて記載してもらうと、材料相場が動いた時の交渉がしやすくなります。[8] 同ガイドラインは、案件専用のミルシート付き特注材を仕入れた後に設計変更や発注取消があると、その材料は他案件に転用しづらく、加工業者側にスクラップ・保管コストが残るリスクにも触れています。材料込みで発注する場合は、仕様変更時の材料費負担をどちらが持つか、発注時点で確認しておくと後のトラブルを避けられます。[8]
Q. 外注先には何を聞くべきか?
A. 検査証明書の管理体制と、材料調達を含めた実例があるかどうかです。 「材料込みでも対応できますか」と聞くと、多くの加工業者が対応できると答えます。確認すべきなのは、検査証明書(ミルシート)をどう管理しているか、材質グレードごとにどこまで在庫・調達網を持っているかです。深江特殊鋼は特殊鋼と一般鋼材の販売を持ちながら、BTA深穴、ガンドリル、マシニング、旋盤、フライス、研削加工までを同一社内で行う鋼材商社で、材料調達と加工を分けずに答えられる体制です。[1] 公開事例では、SCM440油圧シリンダー案件で、材料調達からめっきまでの手配が煩雑だった状態から、材料込みの一貫対応に切り替えています。SKD61ダイカスト金型の冷却穴加工案件でも、材料調達、切断、6面フライス、深穴、熱処理の手配先が分散していた状態から一貫対応に切り替えています。[5][6] 材料支給を選ぶ場合は、支給材の品質ばらつきも確認材料になります。S45C系材料での比較試験では、同一条件でも硬い部位と柔らかい部位で背分力が変わり、寸法差が約13μm生じた例が報告されています。支給材で硬さのばらつきが疑われる場合は、この点も外注先に確認しておくと安心です。[9]
図面で見ておきたい条件
- 材料込みで相談する場合は、支給材の有無、熱処理、表面処理、後工程を分けて伝えると、見積の前提がそろいます。[2][3]
- 検査証明書の種類(2.1、2.2、3.1、3.2)は、材料込みで発注する時点で指定します。指定がなければどの種類が発行されるかは仕入先の運用次第になります。[7]
- 支給材を使う場合は、ミルシートが現物と紐付いているかを先に確認します。紐付かない場合、加工業者は自社の出荷証明書で材質を保証できません。[7]
- 深穴加工では、支給材の余肉の取り方が専用機の加工前提と合っていないと手戻りが起きやすいため、材料込みの方が手戻りが少ない場合があります。[3]
相談前に知っておきたいこと
- 材料込みが常に材料支給より速い・安いとは限りません。長尺丸棒や特殊材で材料手配自体が律速になる案件では材料込みが有利になりやすいという傾向であり、すべての材質・数量で同じ結果になるとは限りません。[2]
- 支給材の硬さばらつきによる寸法差(S45C系での比較試験で約13μm)は特定条件での試験例であり、すべての材質・加工条件に一般化はできません。[9]
業界での実機事例(参考)
よくある質問
図面や仕様がまだ固まっていなくても、材料支給か材料込みかの相談はできますか?+
支給材にミルシートが付いていない場合でも相談できますか?+
材料込みで発注すると、材料支給より費用は高くなりますか?+
材料込みと材料支給、案件の途中で切り替えることはできますか?+
海外で仕入れた支給材でも相談できますか?+
短納期の案件では、材料支給と材料込みのどちらが有利ですか?+
少量・試作でも材料込みの相談はできますか?+
支給材のロットによって硬さがばらつく場合、どう対応してもらえますか?+
検査証明書は2.1と3.1のどちらを選べばよいですか?+
材料込みにすると必ず納期は短くなりますか?+
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参考事例・文献
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