深穴加工に使うBTAマシンとガンドリルマシンは何が違い、どちらを検討すべきか?
BTAマシンは工具内部で切粉を排出する深穴加工専用機で、φ33mm前後から265mm程度までの中〜大径・長尺穴に向きます。φ32mm以下の小径・高精度深穴はガンドリルマシンが適しています。まず穴径で機械を絞り込み、深さと材質で最終判断します。[4][5]
Meta-Navi bridge
Meta-Naviの深穴加工記事から相談へ進む
BTAマシンとガンドリルマシンのどちらで見積を取ればよいか迷うなら、穴径・深さ・要求精度をメモにして、Meta-Naviのお問い合わせから送ってください。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!条件の整理から一緒に進められます。
まず確認すること
最初に確認すべきなのは、穴径です。深江特殊鋼のBTAマシンはφ33mm前後から265mm程度、ガンドリルマシンはφ4〜32mm程度を実務レンジとしており、この境目付近では材質や深さも合わせて判断します。[4][5] 公開加工事例では、S45C特殊径パイプ(φ60外径×φ40内径×L640mm)とA5052ローラー(外径φ260mm、加工長3,000mm)をいずれもBTA機で加工しており、中〜大径・長尺側の実績として参照できます。[7][8]
納期が遅れやすいポイント
- BTAマシンとガンドリルマシンの違いがわからず、どちらに相談すればよいか決められない
- 図面の穴径だけでは、機種選定の判断材料が足りないと感じる[4][5]
- 外注先が「対応できます」と答えても、実際にどの機械で加工するのか見えない[2]
- 口径だけは図面に書いてあっても、どこまでの深さとどの程度の真直度なら機械が変わるのかが、社内の基準として文書に残っていない
- メーカーが公表する精度・面粗度の数値と、自社案件の要求精度の関係が読めない[2][6]
Q. BTAマシンとガンドリルマシンは、機械としてどう違うのか?
A. 切粉を排出する経路と、工具を支持する仕組みが違います。[4][5] BTAマシンは、ポンプで加圧した切削油を圧力ヘッドから送り込み、穴壁とボーリングバー外径の隙間を通して刃先まで届けます。切粉は油と一緒にボーリングバーの内部を通って外に排出され、チップキャッチャーや磁気フィルターで分離してタンクに戻します。[1][4] 深江特殊鋼は自社開発のGS1445を含む4台のBTA機を保有し、最大加工サイズφ600×13,000mm、実務上の機械選定は穴径φ33〜265mm程度を目安にしています。[4] ガンドリルマシンは、制御盤、主軸ユニット、ガンドリル工具、チップボックス、ガイドブッシュ、ワークステージ、クーラントタンク、遠心分離機・フィルターで構成されます。工具先端から出る高圧クーラントが切粉を運び出し、ガイドブッシュが工具の偏心を抑えることで直進性を保ちます。[5] 深江特殊鋼はGS-1400を含む3台のガンドリル機を保有し、対応径φ4〜32mm、最大加工長1,500mmが実務レンジです。[5] この機構差から、φ32mm以下ならガンドリルマシン、φ33mm以上ならBTAマシンを先に検討するという目安が生まれます。ただし境目に近い径では材質や深さも合わせて確認します。[4]
Q. 自社の案件はBTAマシンとガンドリルマシンのどちらで検討すべきか?
A. 穴径だけでは決まりません。境目付近では対応径が重なるため、深さと真直度要求、狙う材質まで見て初めて機種が決まります。[6][3] 設備データ上のスペックでは、BTAは対応径φ20〜300mm(拡張時φ600mm)、最大深さ13,000mm、真直度0.5mm/1000mm以下、真円度0.02mm以下です。ガンドリルは対応径φ4〜32mm(拡張時φ200mm)、最大深さ1,500mm、真直度0.3mm/1000mm以下、真円度0.01mm以下です。[6] 対応径だけを見ると重なる領域もあるため、実際の機種選定では、加工長がL/D比をどこまで押し上げるか、材質が工具摩耗にどう効くかまで見て詰めます。 公開加工事例では、S45C特殊径パイプ(φ60外径×φ40内径×L640mm、公差±0.03mm、真円度0.03mm、同心度0.05mm、Ra6.3)と、A5052ローラー(外径φ260mm、内径φ190mm、加工長3,000mm)を、いずれもBTA機(bta-03)で加工しています。[7][8] どちらも穴径がφ32mmを超える中〜大径案件です。 加工条件と品質の関係については、送りと加工深さを上げると穴径や面粗度が悪化しやすく、回転数を上げると面粗度が下がり圧縮残留応力が増える傾向がある、という研究知見もあります。深穴加工では機種選定だけでなく、送り・回転数の設定も仕上がりに影響します。[3]
Q. 機械メーカーや外注先には、選定時に何を確認すべきか?
A. 機種名、対応径・深さのレンジ、精度・面粗度の基準、対応材質を具体的に聞いてください。[2][6] 装置メーカーの公表値では、BTA加工の寸法公差は直径あたり±0.02mm程度、面粗度はRa1〜6μm程度が達成条件として挙げられています。工具径はロウ付けタイプφ8〜65mm、スペードドリルタイプφ10〜114mm、シングルインサートタイプφ16〜28mm、マルチインサートタイプφ25mm以上に分かれます。[2] これはあくまで機械メーカー自身の公表条件で、材質や深さの組み合わせごとに保証された数値ではないため、案件条件を伝えた上で個別に確認する必要があります。[2] 深江特殊鋼の設備で言えば、BTA機は九州東芝機械DBH25100S(φ20〜600mm、最大深さ13,000mm)を含む4台、ガンドリル機はミロク機械MHG-1200-1500NC(φ4〜32mm、最大深さ1,500mm)を含む3台があり、対応材質はS45C、SCM440、SUS304、SUS630、SKD11、インコネル718などの加工パラメータデータを持ちます。[6] BTA深穴加工事業は1975年から続けており、機種選定の相談だけでなく工程全体を含めて確認できます。[9]
図面で見ておきたい条件
- BTAマシンは工具(ボーリングバー)の内部を通して切粉を排出するため、φ33mm前後を下回る細い穴では工具剛性の面から採用しにくくなります。[1][4]
- ガンドリルマシンはガイドブッシュで工具を支持するため、案内なしでの高速回転はできません。対応径はφ4〜32mm程度が目安です。[5]
相談前に知っておきたいこと
- 外部メーカーが公表する寸法公差(直径あたり±0.02mm程度)や面粗度(Ra1〜6μm程度)は、その機械メーカー自身が最も条件の良いケースで達成した数値であり、自社案件がどの材質でどの深さの穴を狙うかまでは保証しません。[2]
- 深江特殊鋼のBTAマシンが公表するφ33〜265mm程度という実務レンジは、保有4機の運用実績に基づく目安で、機種ごとの個別スペック(φ20〜600mm)とは別の見方です。案件ごとに機種を確認する必要があります。[4][6]
業界での実機事例(参考)

S45C特殊径パイプのBTA加工

A5052不織布設備ローラーのBTA深穴加工
よくある質問
穴径が確定していない段階でも、BTAとガンドリルどちらに向くか相談できますか?+
穴径がBTAとガンドリルの境目付近(φ30〜35mm程度)の場合はどうすればよいですか?+
BTAマシンとガンドリルマシンで、精度に大きな差はありますか?+
BTAかガンドリルか自分で判断できないまま問い合わせる場合、何を伝えると絞り込みが早くなりますか?+
S45CやA5052以外の材質でも同じ機種選定の考え方で確認できますか?+
1本の穴の中に径や深さが異なる区間がある場合、機種選定はどうなりますか?+
短納期案件でも機種選定の相談はできますか?+
試作段階でも機種を確定する必要がありますか?+
海外規格の材質やミルシートがある場合も相談できますか?+
BTAマシンとガンドリルマシン以外の選択肢もありますか?+
あわせて読みたい情報
参考事例・文献
外部資料
内部事例
- [7] 加工事例: S45C特殊径パイプのBTA加工
- [8] 加工事例: A5052製ローラーのBTA加工
このページの情報は役に立ちましたか?