通り止まりゲージとは
読み: とおりとまりげーじ
通り止まりゲージとは、対象の寸法が公差の上限・下限のどちら側にあるかを、通り側・止まり側という2つの限界寸法との実測の当たり外れだけで合否判定する検査方式の総称である。栓ゲージやリングゲージなど、対象の形状に応じた具体的な工具として実現される。
概要
通り止まりゲージの考え方は単純で、通り側は公差の上限(または下限)に相当する寸法を持ち、対象に無理なく入る(または通る)ことを確認する。止まり側はもう一方の限界寸法を持ち、対象に入らない(通らない)ことを確認する。両方の条件が満たされれば、対象の寸法は公差内にあると判定できる。
数値そのものを読み取るわけではないため、測定者による読み取り誤差が入りにくく、量産現場での全数検査や抜き取り検査に向いている。
栓ゲージ・限界ゲージとの関係
通り止まりゲージという言葉は検査の考え方・方式を指す一般的な呼び方であり、実際に使われる工具の名称は対象によって変わる。穴を検査する場合は栓ゲージ、軸を検査する場合はリングゲージやスナップゲージが使われる。
限界ゲージという言葉も、通り止まりゲージとほぼ同じ意味で使われることが多い。厳密には、限界ゲージは「上限・下限という2つの限界値で合否を判定するゲージ」全般を指す、より広い分類名として理解しておくと整理しやすい。
実務での使い分けと注意点
通り止まりゲージは合否判定に特化しているため、検査は速いが、実際の寸法値がどの程度公差の中央値に近いかは分からない。工程能力を把握したい、あるいは寸法のばらつき傾向を管理図で追いたい場合は、数値を読み取れる測定器(マイクロメータ、内径測定器、CMMなど)を併用する必要がある。
また、ゲージ自体も使用とともに摩耗するため、定期的な校正・管理が必要である。校正記録がない古いゲージを使い続けると、判定基準そのものがずれている可能性がある。
よくある誤解
✕ 通り止まりゲージで検査すれば、寸法のばらつき傾向も把握できる。
○ 通り止まりゲージは合否だけを判定する方式であり、実際の寸法値は分からない。工程能力やばらつき傾向を管理したい場合は、数値を読み取れる測定器を併用する必要がある。
✕ ゲージは金属製で摩耗しないので校正の必要はない。
○ ゲージも使用によって摩耗し、判定基準となる寸法がわずかに変化する。定期的な校正・管理を行わないと、合格・不合格の判定そのものが信頼できなくなる。
✕ 通り止まりゲージと限界ゲージはまったく別の検査方式である。
○ 両者はほぼ同じ考え方を指す言葉であり、厳密な使い分けが必要な場面は少ない。限界ゲージは通り・止まりの2つの限界値で判定するゲージ全般を指す、より広い分類名として理解しておくと整理しやすい。
よくある質問
通り止まりゲージと栓ゲージは同じものですか?+
通り止まりゲージで検査すれば十分ですか?+
ゲージ自体の精度管理はどうなっていますか?+
関連用語
出典
- JIS B 7420(限界プレーンゲージ)
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