ロボット溶接とは何か?品質が決まる場所と、弊社が溶接を含む案件で先に確認する条件
ロボット溶接は、ロボットアームの先端に溶接トーチを持たせ、トーチの軌跡をモーション制御しながらアークで金属を接合する方式です。[1] 品質は溶接部のビード形状が揃うかで決まるため、まず確認するのは材料と板厚、継手形状、求める品質水準と溶接部の検査の範囲です。[1][2]
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ロボット溶接で進めるか迷っている段階なら、材質、板厚、継手形状、数量の見込み、溶接後にどこまで加工と検査が要るかをメモにして、Meta-Naviのお問い合わせから送ってください。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!条件の整理から一緒に進められます。
まず確認すること
ロボット溶接で自動化されているのは、熱をどこへ、どの速さで当て続けるかという部分です。アークは最高で約2万℃に達し、この温度でほとんどの金属が素早く溶ける状態になります。[1] 溶かすこと自体は、人が持つトーチでもできます。差が出るのは、溶けた材料が作るビードの形が毎回揃うかどうかで、トーチの軌跡を精密にモーション制御すれば、同じ経路を同じ速度で通せます。[1] ところが、溶接品質を発注側が確かめる仕組みは、人の技量を検定する側に作られてきました。半自動溶接の技術検定であるJIS Z 3841は、本文で自動溶接とロボット溶接を対象外としています。[3] 溶接部の検査をどこまで行うかも、この枠の違いを踏まえて決めることになります。[2]
納期が遅れやすいポイント
- ロボット溶接なら品質が揃うと考えていますが、ビード形状を何で判定するかが図面に書かれていません[1]
- 有資格の溶接技能者が何人いるかで見ていますが、その技量検定は自動溶接を対象にしていません[3]
- 求める品質水準がJIS Z 3400の附属書B、C、Dのどの段に当たるかを決めないまま、溶接施工要領書の有無だけを聞いています[2]
- 開先と合わせ形状を誰が加工するかが決まらず、溶接前の段取りが人手のまま残っています[7]
- 溶接後の機械加工と塗装をどこまで含めるかが決まらず、素材寸法と検査条件が固まりません[4]
- ワークを保持するポジショナーなど周辺設備の大きさを見込まずに、自動化の可否だけを検討しています[1]
Q. ロボット溶接とは、何をどこまで自動化した溶接ですか?
A. 溶接トーチをロボットアームの先端に持たせ、トーチの軌跡をモーション制御で再現する方式です。接合の原理そのものは、人が行うアーク溶接と同じです。[1] 電極である溶接ワイヤに電流を流し、接合する金属に接触させてスパークを発生させます。そこからアーク放電が起き、母材が溶けて接合できる状態になります。[1] アークの温度は最高で約2万℃に達し、ほとんどの金属がこの温度で素早く溶けます。[1] 材料を溶かす部分は自動化の対象ではなく、溶かした後の熱の当て方が対象です。 溶接品質は、どれだけキメの細かい均一なビード(溶接部の盛り形状)を作れるかで決まります。[1] トーチの軌跡を精密にモーション制御すると、同じ経路を同じ速度で通せるため、溶接スピードを上げながらビード形状を揃えられます。[1] 均一さは、溶接部の外観の検査で最初に見る対象でもあります。[3] 品質を落とす側の要因がスパッタで、溶けたワイヤの材料が母材に溶け込まず微細な粒になって飛び散る現象です。これを抑えるために、溶接電流の制御とワイヤ送給の制御が開発されてきました。[1] トーチを運ぶのはロボットの側なので、ワークを溶接姿勢に合わせて保持するポジショナーなどの周辺設備が大きくなります。[1] 可搬質量15kg程度の小型ロボットでも広い面積を接合できますが、その周辺設備の設置場所と、材料の形状に合わせた治具は別に見ます。[1] 採用が最も多いのは自動車産業で、マフラー、車体骨格部、EV用二次電池ケースのアルミ溶接などに使われています。[1] 可搬質量10kgの人協働ロボットにトーチを装着し、人が行っていた溶接をそのまま置き換える取り組みも進んでいます。[1]
Q. 手動溶接と比べたとき、品質の見方はどこが変わりますか?
A. 溶接そのものの再現性は装置側の制御で上がり、品質を確かめる枠組みは人の技量検定から製造事業者の管理体制へ移ります。同じ材料と板厚でも、確認する対象と検査の組み立て方が変わります。[1][2] 手動と半自動の溶接には、溶接する人の技量を確かめる検定があります。JIS Z 3841は半自動溶接の技術検定で、試験材の板厚区分(薄板3.2mm、中板9.0mm、厚板19.0mm)と溶接姿勢ごとに区分し、外観の検査と約180度の曲げ試験で合否を判定します。[3] 不合格の基準は数値で決まっており、3.0mmを超える割れがあること、3.0mm以下の割れの合計が7.0mmを超えること、ブローホールと割れの合計が10個を超えることが挙げられています。[3] この規格は、本文で自動溶接とロボット溶接を対象外としています。[3] 有資格の溶接技能者が何人いるかという確認は、ロボット溶接のラインにはそのまま当てはまりません。材料と板厚が同じでも、結果を決めるのは溶接する人の手ではなく、プログラムと装置の状態だからです。[1][3] 見る対象は、装置の管理記録と溶接部の検査の側へ移ります。[2] 代わりに使えるのが、製造事業者の品質管理能力を見る側の規格です。JIS Z 3400(ISO 3834に対応)は、金属材料の融接の品質要求事項を、附属書B、附属書C、附属書Dという3つの水準に分けています。附属書Bは高い安全性が求められる製品向け、附属書Cは通常の安全性を考慮した一般的な製品向け、附属書Dは最小限の安全性を考慮した製品向けという段の付き方です。[2] どの水準を求めるかの判断基準は箇条5にあり、安全性が重視される製品の重要度、製造の複雑さ、異種材料の使用範囲、金属学的問題の生じやすさなどが挙げられています。[2] 水準が上がるほど、施工要領と検査に対する要求が増えます。[2] 水準ごとに要求が変わります。附属書Bと附属書Cでは、溶接施工要領書を作って製造開始前に承認することが必須で、JIS Z 3410に準拠した溶接管理技術者を確保することも求められます。附属書Dにはこの2つの特定要求がありません。[2] 設備の保守も、附属書Bでは保守計画の文書化と記録が必須、附属書Cでは推奨、附属書Dでは正常操業に適した設備が保守されていればよい、と段が付いています。[2] 検査の要員資格や溶接施工法の承認、溶接後熱処理、計測機器の校正に関する規格は、水準ごとに参照する形でまとめられています。[2] 材料の識別と記録の扱いも同じ枠に入り、品質記録の保管は3水準とも最低5年です。[2] この保守と校正の記録は、ロボット溶接では特に効きます。同じプログラムを流しても、トーチの狙い位置や送給の状態がずれれば、ビードは前回と同じになりません。[1] 装置の保守計画と計測機器の校正をどう記録しているかは、材料や検査条件と並べて確認する項目です。[2]
Q. 溶接を含む案件を弊社にご相談いただくとき、先に確認させていただくのは何ですか?
A. 材料と板厚、継手形状、数量、求める品質水準、そして溶接前後の機械加工と検査をどこまで含めるかです。[2][5] 深江特殊鋼の自社設備一覧に溶接機はありません。公開している協力企業ネットワークは国内300社超で、そこで扱う溶接工程はTIG、MIG、レーザーの3つです。[6] この公開情報では、協力先が手で溶接しているかロボットのセルを持っているかまでは区分していません。[6] そのため、材料、板厚、継手形状、数量と、溶接部の検査をどこまで求めるかが決まった段階で、対応可否と見積を確認して回答します。 溶接を含む製品では、溶接した後にそのまま機械加工まで進められる先が少ないという事情があります。[5] 弊社の製缶機械加工では、材料調達、溶接業者と機械加工業者の手配、メッキと塗装、熱処理、焼鈍までを20社以上の協力会社と一括で対応しています。[5] 対応する材料は普通鋼(SS400ほか)、型鋼、ステンレス鋼、アルミニウムで、協力工場を含めた寸法はT2,500×W3,500×L10,000mmまでです。[5] 公開事例には、材質SS(炭素鋼)の大型架台を寸法クラス2000mmで製作し、塗装まで含めて対応したものがあります。[4] ロボットが同じ経路を通っても、部材の合わせが毎回違えば結果は揃いません。開先の形、切欠き、穴の位置は、材料を切り出した後の部材加工で決まり、ここは公差を持たせた機械加工の話になります。弊社は3Dレーザーとプラズマによる部材加工を提供しており、これを使う前は繰り返し発注の大型架台で、お客様側の職人3人が丸3日ほどかけて合わせ作業をしていた、という例を公開しています。[7] 自動化の可否を検討する前に、この前工程がどこまで機械加工で決まっているかを見ます。[7] ご相談の段階で伺うのは、材料と板厚、継手形状、溶接線の長さ、数量と形状の繰り返し性、求める品質水準がJIS Z 3400のどの水準に当たるか、そして溶接後の機械加工と検査をどこまで含めるかです。[2] 数量が読めない段階でも、図面と現物の写真があれば、対応可否と見積を分けて回答します。[5][6]
図面で見ておきたい条件
- ロボット溶接はトーチを運ぶ側が固定された工程なので、ワークを溶接姿勢に合わせて保持するポジショナーなどの周辺設備が要ります。[1] 可搬質量15kg程度の小型ロボットで広い面積を接合できても、周辺設備の設置場所と治具は別に見ます。[1]
- 半自動溶接の技術検定であるJIS Z 3841は、本文で自動溶接とロボット溶接を対象外としています。[3] 有資格者が何人いるかという確認では、ロボット溶接のラインの品質は確かめられません。見るのは装置の管理記録と、溶接部の検査です。[2]
- JIS Z 3400で最も要求の多い附属書Bの水準を求める場合、溶接施工要領書の製造開始前の承認、溶接管理技術者の確保、設備保守計画の文書化と記録が必須になります。[2] 異種材料を含むかどうかも水準の選択基準に入るため、求める水準を先に決めないと、検査の範囲も見積の前提も揃いません。[2]
相談前に知っておきたいこと
- 深江特殊鋼の自社設備一覧に溶接機はなく、公開している協力企業ネットワークの溶接工程もTIG、MIG、レーザーとしか区分していないため、ロボット溶接のセルを持つ協力先かどうかは、材質と板厚と数量が決まってから案件ごとに確認して回答します。[6]
- 溶接速度、繰返し位置精度、1台あたりの適用板厚といった機種レベルの数値は、このページの根拠では確認していません。[1] 必要な場合は、継手形状と板厚を決めてから装置側の仕様で照合します。
- JIS Z 3400は品質水準の選び方と管理項目を定めた規格であり、手動溶接とロボット溶接のどちらが安定するかを比較した規格ではありません。[2] 再現性の根拠は装置側のモーション制御と溶接電流の制御にあります。[1]
- 機械化溶接と自動溶接のオペレータの技量検定はISO 14732としてJIS Z 3400の関連規格表に挙がっていますが、対応する日本語版のJIS番号は、このページの根拠では確認できていません。[2]
よくある質問
図面がまだ無い段階でも相談できますか?+
ロボット溶接で受けられるかどうかを、先に教えてもらえますか?+
有資格の溶接技能者がいるかを確認すれば、品質は確かめられますか?+
求める品質水準はどう決めればよいですか?+
数量が少なくてもロボット溶接に向きますか?+
溶接後の機械加工だけを依頼できますか?+
溶接前の部材加工から相談できますか?+
初回の回答を早くするには、何を伝えればよいですか?+
大きな構造物はどこまで対応できますか?+
溶接部の検査はどこまで必要ですか?+
材料の手配から相談できますか?+
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