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汎用旋盤とは何か?CNC旋盤と何が違い、どこまで任せられるか?

汎用旋盤は、作業者がハンドルとレバーで刃物台を送り、寸法を都度測りながら仕上げる旋盤です。[3] CNC旋盤との違いは削れる形ではなく送りの与え方にあり、単発の試作や特殊形状は汎用旋盤、繰り返しの数量はCNC旋盤が向きます。発注先を選ぶときは、まず数量と公差がどちら寄りかを判断します。[2]

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汎用旋盤とCNC旋盤のどちらに出すか決まらない段階から相談する

図面がまだなくても構いません。削りたい物の外径と全長、素材、必要な本数、いつまでに要るかをメモにして、Meta-Naviのお問い合わせから送ってください。公差が未定でも、汎用旋盤で受けるか、NC旋盤や研削を含む工程で受けるかの見当から一緒に整理します。

まず確認すること

汎用旋盤は古い機械という文脈で語られやすいのですが、規格の側では今も独立した分類です。JIS B 6202は汎用の普通旋盤だけを対象に、ベッド案内面の真直度や主軸の振れなど静的精度15項目と、実際に削って測る作業精度3項目の検査方法を定めています。[1] 一方でNC旋盤は、汎用旋盤に数値制御装置を組み込んだ機械として説明されます。[2] 両者は別系統の機械ではなく、刃物台の送りを人が与えるか、プログラムが与えるかで分かれています。[3] 深江特殊鋼も汎用旋盤(滝沢鉄工所TAL560、φ300×2,000mm)を1台稼働させたうえで、NC旋盤3台を併用しています。[5] どちらに出すかは、機械の新旧ではなく、数量と公差と形状で決まります。

素材の種類と熱処理状態(生材のまま削るか、焼入れ後か、焼入れ前に荒取りするか)
外径、全長、いちばん細い部分の径と、その長さの比
図面の公差指示(寸法公差、振れ、真直度)と、どの面を基準に取るか[1]
数量と繰り返しの有無(単発の試作か、月次で続く供給か)
研削、熱処理、表面処理を弊社側で持つか、そちらで持つかの分担[6]
素材を支給いただくか、こちらで手配するか

納期が遅れやすいポイント

  • 汎用旋盤とCNC旋盤のどちらに出すべきか、図面を見ても決めきれない
  • 作業者の腕次第と言われると、どこまで精度を期待してよいか読めない
  • 試作品を一本だけ削ってほしい依頼を、受けてくれる加工先が見つからない
  • 見積を頼む前に何を伝えれば話が早いのか分からない
  • 自社に旋盤がなく、削り方の妥当性を自前で検証できない

Q. 汎用旋盤とはどんな機械か?

A. 主軸に取り付けた素材を回転させ、固定した刃物を当てて削る旋盤のうち、刃物台の送りを作業者がハンドルとレバーで与える機械です。[3][4] 旋盤加工そのものは、回転する素材に固定した刃物(バイト)を当てて、外径、端面、内径などを削り出す切削加工です。[4] 加工の種類は、外径加工、内径加工、端面加工、ねじ切り、溝入れ、穴あけ、テーパー加工まで、汎用旋盤でもNC旋盤でも共通です。[2] 汎用旋盤だから削れない形がある、という切り分けではありません。[2] 汎用旋盤では寸法を都度測定しながら仕上げるため、仕上がりが作業者の熟練度に左右されます。その代わりプログラムを書かずに段取りを変えられるので、単発の試作や特殊形状には融通が利きます。[3] 精度は感覚の問題ではなく、検査項目として規格化されています。JIS B 6202は、ベッド案内面の真直度、往復台の運動の真直度、主軸端と主軸中心線の振れ、心押軸の平行度、送りねじの累積ピッチ誤差など15項目の静的精度と、丸削りした試験片の真円度と直径の差、正面削り面の平面度、ねじ切りの累積ピッチ誤差という3項目の作業精度を定めています。[1] しかも許容値は機械の大きさで分かれます。ベッド上の振り500mm以下かつ心間1,500mm以下を精密旋盤として厳しい値を与え、それより大きい旋盤には緩い値を割り当てます。[1] 汎用旋盤という名前は同じでも、機械の大きさが変われば規格上の合否ラインそのものが変わります。[1]

Q. CNC旋盤とは何が違い、どちらに出すべきか?

A. 違いは刃物台の送りをプログラムが与えるかどうかで、数量が増えるほどCNC旋盤、図面が固まっていないほど汎用旋盤が合います。[2][3] NC旋盤は、汎用旋盤に数値制御装置を組み込んだ機械と定義されます。[2] 制御はNC装置、操作盤、サーボモータの3要素で成り立ち、プログラムに書いた数値どおりに動くため0.001mm単位の位置決めができ、同じプログラムで削るかぎり完成品の精度がそろいます。[2] CNC旋盤はこのNC旋盤にコンピュータを組み込んで制御を高度化したもので、複雑形状や高速加工では現在の主流です。[2] この違いが効くのは精度の上限ではなく、ばらつきの小ささと数量への強さです。同じ形を何本も作るなら、寸法を毎回読み直さずに済むCNC旋盤が向きます。反対に1本だけ、あるいは図面が確定していない試作では、プログラム作成と試し削りの時間が実加工の時間に対して重くなるため、汎用旋盤で削るほうが早く上がることがあります。[3] 見落とされやすいのは、自動化される範囲です。CNC旋盤でも、チャッキング、工具原点合わせ、試し削りといった段取りは人が行います。自動で動くのは加工中の送り制御だけなので、ロットが小さいほど段取り時間が加工費に占める比率は上がります。[3] 「CNCだから段取りも省ける」という前提で数量1本の見積を比べると、実態と合わない結論になります。[3]

Q. 弊社に汎用旋盤の加工を相談いただくとき、事前に何を確認しているか?

A. 材質、外径と全長、公差の指示、数量、後工程の分担の5点です。この5点が決まると、対応可否と見積をまとめて回答できます。[5][6] 深江特殊鋼は自社設備として汎用旋盤を1台稼働させています。滝沢鉄工所製TAL560で、加工範囲はφ300×2,000mm、制御方式は汎用です。[5] 同じ旋盤の区分にNC旋盤が3台あり、φ1,200×15,000mm、φ490×5,000mm、φ380×2,000mmと大きさが分かれています。[5] 外径と全長を聞くのは、この4台のどこに乗るかで段取りも見積も変わるからです。[5] 公開している加工事例では、SKS3の順送プレス金型用長尺パンチ(φ25×L450mm)を、旋盤粗加工、応力除去焼鈍、仕上げ旋盤、塩浴焼入れ、センタレス研削の順で加工し、公差h6、面粗度Ra0.4、硬度HRC60±1で月産64本を出荷しています。[6] 汎用旋盤が効くのはこうした細長比の大きい小径部品で、しかも最終の真直度0.015mm/450mmは研削で作っています。[6] 旋盤で形を作る範囲と研削で最終値を作る範囲は工程として分かれているため、図面の公差指示がどちらの工程に載るかで見積の組み方が変わります。[6] 公差の指示を先に聞くのも同じ理由です。JIS B 6202の作業精度では、丸削り試験片の真円度を0.007〜0.02mm、正面削り面の平面度を直径300mmあたり0.015〜0.025mmという水準に置いて、機械そのものの合否を判定しています。[1] 図面の要求がこの水準より厳しければ、旋盤の仕上げだけで受けずに研削を含む工程で見積を組みます。[1] 自社の汎用旋盤がφ300×2,000mmであること自体は、相談できる範囲の上限ではありません。[5] 外径と全長がこの1台に収まるか、公差が旋盤の仕上げで足りるか、焼入れや研削を後工程に置くかを見たうえで、対応可否と見積をまとめてお伝えします。素材を支給いただくか弊社で手配するかも、同じ段階で決めておきます。

図面で見ておきたい条件

  • 汎用旋盤の加工範囲は機械ごとに決まります。弊社の汎用旋盤はφ300×2,000mmで、これを超える外径や全長はNC旋盤側へ振り分けます。[5]
  • JIS B 6202が定めるのは幾何精度と作業精度だけです。振動、異音、スティックスリップといった運転試験や、主軸回転数と送り速度の特性試験は規格の対象外なので、機械の静粛性や駆動特性は別に確認することになります。[1]
  • CNC旋盤の0.001mmという数値は位置決めの値であり、仕上がり寸法の公差等級を示すものではありません。[2]

相談前に知っておきたいこと

  • 汎用旋盤で削ったときの寸法公差の絶対値は、材質と熱処理状態、全長に対する径の比、研削を後工程に置くかどうかが決まってから算出します。[6]
  • JIS B 6202:1998の条文と数値は第三者ミラー経由で確認したもので、日本規格協会が頒布する原本との一字一句の照合はしていません。[1]
  • 弊社が公開している汎用旋盤の加工事例はSKS3の長尺パンチが中心です。同じ機械でも材質が変われば切削条件と仕上がりは変わるため、他材質の結果をこの事例から外挿することはできません。[6]

関連するものづくりトピックス

業界での実機事例(参考)

SKS3プレス金型用長尺パンチの旋盤加工の加工写真

SKS3プレス金型用長尺パンチの旋盤加工

lathegrindingheat-treatmentsks

よくある質問

図面がまだ手書きのメモでも相談できますか?+
できます。外径、全長、削りたい部分、数量が分かれば、汎用旋盤で受けるか、NC旋盤や研削を含む工程で受けるかの見当は付きます。公差や表面粗さが未定でも、その場で未確定として分けて整理します。
一本だけの試作でも受けてもらえますか?+
多くの場合、受けられます。単発の試作はプログラム作成の手間が加工時間に対して重くなるため、汎用旋盤で削る前提のほうが早く上がることがあります。素材の手配が必要かどうかで回答の速さが変わるので、支給の有無も合わせてお知らせください。
汎用旋盤とNC旋盤で、見積の出方はどう変わりますか?+
数量の効き方が変わります。NC旋盤は最初にプログラム作成と試し削りの費用が乗り、その後は本数が増えるほど1本あたりが下がります。汎用旋盤は段取りが軽い代わりに、削っている時間が本数分そのまま積み上がります。数量を先に伝えていただくと比較しやすくなります。
公差の指示がない図面でも見積できますか?+
できます。ただし公差が決まっていないと、旋盤の仕上げで足りるのか、研削を足す必要があるのかが決まらず、金額の幅が広くなります。はめ合い部だけでも要求を教えていただけると、幅を狭められます。
材質は何まで相談できますか?+
炭素鋼、合金鋼、工具鋼、ステンレスは自社設備での相談を受けています。それ以外の材質は、削りやすさと熱処理の要否を確認したうえで、対応可否と見積をお答えします。対応できないという意味ではなく、受け方が変わるという意味です。
焼入れした材料をそのまま汎用旋盤で削れますか?+
硬さによります。焼入れ後の硬い材料は旋削では削りにくく、研削へ回すのが一般的です。弊社の公開事例でも、旋盤で形を作ってから焼入れし、最後にセンタレス研削で真直度と面粗度を仕上げる順にしています。熱処理の前後どちらで削るかは、図面の公差を見て決めます。
既存の加工先が廃業して困っています。同じ物を作れますか?+
図面か現品があれば確認できます。汎用旋盤で作られていた部品は、図面に公差が入っていないことがあり、その場合は現品の実測から寸法を起こす相談になります。ロットと納入間隔も合わせてお知らせいただけると、供給を続けられる体制かどうかを判断できます。
汎用旋盤で加工した部品の検査データはもらえますか?+
指定いただければ出せます。何をどの測定器で測るかは、図面の基準面の取り方で変わるため、見積の段階で検査項目を決めておくと後戻りがありません。全数か抜取りかも先に決めます。
海外で作った図面(インチ表記)でも相談できますか?+
相談できます。インチ表記はミリへ換算して確認しますが、はめ合いやねじの規格は換算だけでは決まらないため、どの規格に合わせるかを確認させてください。
大きい部品も汎用旋盤で削れますか?+
弊社の汎用旋盤はφ300×2,000mmまでです。これを超える外径や全長も、NC旋盤3台(最大φ1,200×15,000mm)を含めて対応可否と見積を回答します。まず外径と全長をお知らせください。
納期はどのくらいかかりますか?+
材質の手配、熱処理や研削を挟むか、数量で変わります。公開事例では、旋盤加工から焼入れ、研削、検査までを含む長尺パンチで16営業日です。工程が少なければ短くなり、素材の手配が入ると長くなります。
相談したら必ず発注しなければいけませんか?+
その必要はありません。汎用旋盤とNC旋盤のどちらが合うかを確認するだけの相談も受けています。他社の見積と比べるための条件整理としてお使いいただいて構いません。

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