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ガス溶接とは何か。他の溶接方法とどう使い分け、どこへ発注すればよいか?

ガス溶接は、燃料ガスと酸素を混ぜて燃やした炎を熱源にし、溶けた母材へ溶加棒を別に送り込んで接合する方法です。[1][2] まず決めるのは、母材の材料と板厚、継手の形状、作業する場所、溶接後に必要な機械加工と検査です。ここが決まると、手配先と見積の幅が絞れます。[5]

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材料と板厚、接合したい箇所、溶接後に機械加工が要るかどうかの3つだけで始められます。図面や具体的なアイデアがなくてもOKです。Meta-Naviの肉盛溶接と補修の記事を見てから、条件の整理はこのページで進めてください。

とりあえず相談してみる元 topic: /topics/995

まず確認すること

ガス溶接の装置は、燃料ガスと酸素の2本のボンベから始まり、圧力調整器、調整器の近くの逆火防止器、2本のホース、トーチ側の逆止弁を通って、先端のノズルで2つのガスが混ざって燃えるところで終わります。[1] この並びの部品はどれも、炎がどこへ向かうかを決めるためにあります。トーチを母材へ近づけすぎたり、ノズルが部分的に詰まったりすると、炎がトーチの中へ戻る逆火が起きます。ホースの中に一方のガスが逆流して混合気ができ、そこへ火が回ると、調整器やボンベまで達することがあります。[1] 溶接の条件だけでなく、作業の手順そのものが仕様の一部になる工法です。

母材: 軟鋼か、ステンレス鋼か、アルミ合金かという材料の別と、板厚(mm)。支給材か材料手配込みかも合わせて決めます。[2]
溶加棒: JIS Z 3201の等級(GA46、GB43など)と成分区分(GI種、GII種)を指定するかどうか。直径は1.0、1.6、2.0、2.6、3.2、4.0、5.0、6.0mmの系列から選びます。[2]
継手: 突合せかすみ肉かの別と、開先の形状、溶接線の長さ(mm)。溶接順序で歪みの出方が変わるため、加工の基準面と合わせて決めます。[6]
検査: 溶加棒の等級表示(刻印または端面の彩色)を受入で確認するかどうか。溶接部の外観と寸法をどこまで成績書に載せるか。[2]
作業場所: 部品を工場へ持ち込むのか、据え付け済みの装置に対して現地で作業するのか。可燃物が残る、または残っていた可能性のあるタンクやドラムが対象に含まれるかどうか。[1]
溶接後工程: 応力除去焼鈍の要否、基準面や穴の機械加工の有無、図面の普通公差の等級。[6]

納期が遅れやすいポイント

  • 図面に「ガス溶接」とだけ書かれ、母材の材料と板厚、継手の形状が指定されていないと、足りない条件を各社が自社の得意なレンジで補って読むため、見積の前提が揃いません。[2]
  • 溶加棒の等級を決めないまま発注すると、納品後に何をたどれるかが決まりません。JIS Z 3201は軟鋼用の溶加棒に等級と成分区分を定めており、図面で指定できる項目です。[2]
  • 炎を使う工程なので、作業する場所の条件が固まらないと手配先が回答を出せません。酸素と燃料ガスの炎は、木材、紙、布、ゴム、プラスチックを短時間で着火させる強い着火源とされています。[1]
  • 溶接後に基準面の機械加工が必要な部品を、溶接と機械加工で別々の会社に分けると、歪みをどちらの工程で吸収するかが決まらず、公差の責任範囲があいまいになります。[6]
  • 母材が軟鋼でない場合、ガス溶接用の溶加棒規格がそのままは当てはまりません。JIS Z 3201の適用は軟鋼と同等の強度をもつ鋼に限られているため、材料名が分かるまで工法の可否も確定しません。[2]

Q. ガス溶接は、他の溶接方法と何がどう違うのか?

A. 熱源が電気のアークではなく、燃料ガスと酸素を燃やした炎である点が違います。[1] 違いは装置の並びに出ます。燃料ガスと酸素の2本のボンベがあり、それぞれに圧力調整器が付き、調整器の近くに逆火防止器、トーチ側に逆止弁が入り、2本のホースがトーチへ集まって、先端のノズルで2つのガスが混ざって燃えます。[1] 熱を出しているのは炎そのものなので、母材のどこがどれだけ暖まるかは、トーチと母材の距離、ノズルの大きさ、ガスの圧力の組合せで変わります。[1] 溶加材の系統も別です。ガス溶接で軟鋼を接合するときの溶加棒はJIS Z 3201が定めており、GA46やGB43といった等級、GI種とGII種という成分区分、直径1.0mmから6.0mmまでの寸法系列、標準長さ1000mmが規定されています。[2] 溶着金属の引張強さは310〜500N/mm2、伸びは15〜28%の範囲で等級ごとに決められ、試験片は溶接後熱処理をするPと溶接のままのAに分かれます。[2] 材料の側でどこまで指定できるかが、規格として先に決まっている工法です。 使い分けの軸は、母材が受ける熱の量に集まります。弊社が公開している肉盛補修の記事では、補修にはTIG溶接を使うのが一般的である一方、母材に大きな影響を与えるため精密金型部品には応用しにくいこと、レーザー溶接とレーザー肉盛のほうが熱歪みと酸化が少なく、狭い溝やトーチの届きにくい箇所にも入ることを書いています。[3] ガス溶接を続けるかどうかも同じ軸で決まります。溶接後に基準面の機械加工が残る部品なら、歪みが横収縮、縦収縮、縦曲り、角変形、回転変形、座屈変形のどれで出るかと、削り代を何mm見込むかまで含めて考えます。[6]

Q. 発注する前に、どの条件を決めておけばよいか?

A. 母材の材料と板厚、継手の形状、溶加棒の等級、作業する場所、溶接後の機械加工と検査の5つです。[2][6] 溶加棒は図面で指定できます。ただしJIS Z 3201が対象にしているのは軟鋼と同等の強度をもつ鋼なので、母材がステンレス鋼やアルミ合金なら、この規格の等級をそのまま当てはめることはできません。[2] 材料名が先に決まっていると、溶加棒の指定が要るかどうかがその場で分かります。 受入で何を確認するかも、規格の側に手がかりがあります。JIS Z 3201では、溶加棒の種類を刻印または端面の彩色で識別すると規定されています。[2] 現物で等級をたどりたい場合は、この表示の確認を検査項目に入れておくと、納品後に材料を照合できます。 作業する場所の条件は、見積の前段で効きます。酸素と燃料ガスの炎は、木材、紙、布、ゴム、プラスチックを短時間で着火させる強い着火源とされ、火花と高温のスパッタも出ます。[1] 可燃物が入っていた、または入っていた可能性のあるタンクやドラムに炎を当てると爆発することがあり、空に見える容器でも底や継ぎ目に残留物が残ります。[1] 部品を工場へ持ち込むのか、据え付け済みの装置に現地で作業するのかで、手配できる先が変わります。[5]

Q. 弊社はガス溶接を含む案件をどう引き受けるのか?

A. 溶接の工程は協力企業へ手配し、溶接後の機械加工と検査条件の詰めを弊社が受け持ちます。[5] 弊社の保有設備一覧はBTA深穴加工機、ガンドリル、マシニングセンタ、旋盤、研削盤などで構成され、溶接機は載っていません。自社設備にない加工は国内300社超の協力企業ネットワークで受けており、溶接の対応内容としてはTIG、MIG、レーザーが挙がっています。[5] ガス溶接はこの記載に含まれていないので、母材の材料と板厚、継手、作業場所が決まった段階で、対応可否と見積を回答します。 溶接と機械加工をまたぐ部分は自社で持ちます。公開している加工事例では、材料SSの2000mmクラスの大型架台を、溶接組立から機械加工、塗装まで一括で手掛けています。[4] 工程を分けないほうがよいのは、歪みをどちらの工程で吸収するかと、図面の普通公差をどの等級で合わせるかが、溶接側と機械加工側の間で決まらないまま残りやすいからです。[6] 見積が固まる順序も決まっています。材料と板厚、継手形状、溶接線の長さ、検査項目、数量がそろえば、溶接工程と機械加工工程を分けた金額を出せます。[6] 単価と納期を先に確定させたい場合でも、手配先が決まるまでは幅のある回答になります。[5]

図面で見ておきたい条件

  • JIS Z 3201が対象にしているのは、軟鋼と同等の強度をもつ鋼に使う溶加棒です。ステンレス鋼、アルミ合金、銅合金の溶加材の等級や成分値をこの規格から読み替えることはできないため、母材の材料名が決まるまで溶加棒の指定は保留にします。[2]
  • 溶着金属の引張強さ310〜500N/mm2、伸び15〜28%という値は、等級と、溶接後熱処理をするPか溶接のままのAかで変わる規格上の区分です。実際の継手がどこまで持つかは、板厚、開先形状、溶接条件、検査方法が決まってから見ます。[2]
  • ガス溶接の作業に国内で求められる資格や届出は、作業場所と作業内容によって変わります。ここで引用している安全の手引きは英国の規制機関がまとめた実務の目安なので、国内の要件はこれとは別に、手配先と一緒に確認します。[1]
  • 溶接後に機械加工が残る部品では、歪みが横収縮、縦収縮、縦曲り、角変形、回転変形、座屈変形のどれで出るかによって削り代が変わります。板厚が30mmから40mmを超える圧力容器などでは溶接後熱処理が要求される場合があり、対象の材料と板厚を先に確認します。[6]
  • 深江特殊鋼の保有設備一覧に溶接機はなく、公開している加工事例にも溶接の方式までは書かれていません。[5] ガス溶接そのものの対応可否と費用は、母材の材料と板厚、作業場所が決まってから回答します。溶接後の機械加工と検査の条件は、大型架台の一括対応事例[4]を参考にご相談ください。

相談前に知っておきたいこと

  • ガス溶接そのものの単価と納期は、母材の材料と板厚、継手の形状、溶接線の長さ、検査項目、数量が決まり、手配先が確定してから算出します。手配先が決まるまでの段階では、金額と日数を確定しません。[5]
  • 歪みが横収縮、縦収縮、縦曲り、角変形、回転変形、座屈変形のどれで出るかは、継手の形状と溶接の順序に加えて、炎をどこにどれだけ当てたかでも変わります。[6] 削り代は溶接後の現物で歪み量をmm単位で測ってから決めるため、実測前の段階では、仕上げ後の寸法も、応力除去焼鈍を工程のどこに入れるかも確定できません。[6]

関連するものづくりトピックス

よくある質問

図面がまだ固まっていなくても相談できますか?+
できます。材料、板厚、寸法、数量、希望納期がすべて決まっていなくても、現時点の図面、手書きのスケッチ、既存品の写真から確認を始められます。未確定の条件は、見積を出す前に分けて整理します。
図面にガス溶接と指定されていますが、他の方法に変えたほうがよい場合はありますか?+
変更を検討する余地があるのは、溶接後に基準面の機械加工や高い平面度が必要な場合、母材が軟鋼以外の場合、そして接合ではなく摩耗部の補修が目的の場合です。ただし指定の背景に既存設備や社内基準があることも多いため、まず指定の理由をうかがってから比較します。
母材がステンレス鋼やアルミ合金でも相談できますか?+
相談できます。ガス溶接用の溶加棒の日本産業規格は軟鋼向けなので、その材料では溶加材の選定から別に決めることになります。材料名と板厚が分かれば、どの溶接方法を含めて手配するかを整理して回答します。
溶加棒の等級まで図面で指定する必要がありますか?+
必須ではありませんが、指定があると受入の確認が楽になります。軟鋼用の溶加棒には等級と成分区分が規格で決められており、現物は刻印または端面の彩色で識別できます。強度や後熱処理の条件が決まっている部品では、指定しておくことをお勧めします。
溶接済みの部品の機械加工だけを依頼できますか?+
できます。むしろ弊社が自社設備で受け持つのはこの範囲です。歪みの実測、基準面の設定、穴位置と公差の確認から始めますので、溶接前の図面と溶接後の現物の両方があると判断が早くなります。
据え付け済みの装置に対する現地での溶接作業も手配できますか?+
作業場所と対象物の条件がそろえば、手配先を探す形で確認します。周囲の可燃物の有無、換気の状態、対象がタンクや配管など内部に残留物を持つ構造かどうかで、受けられる先が変わります。場所と対象物の写真があると確認が進みます。
溶接部の検査成績書は出せますか?+
求める検査項目が決まっていれば、手配先と合わせて可否を確認します。外観と寸法までなのか、非破壊検査まで必要なのかで、費用と日数の見え方が変わります。判定の基準値まで図面に書かれていると、確認が一度で済みます。
見積の回答が早くなるのは、何を伝えたときですか?+
材料と板厚、継手の形状、溶接線のおおよその長さ、溶接後の機械加工の有無、数量、希望納期の6つです。すべてそろっていなくても、図面があれば不足している条件のほうを先にお伝えします。
材料の手配も含めて依頼できますか?+
含められます。弊社は特殊鋼の商社機能を持っているため、材料の調達から溶接工程の手配、溶接後の機械加工までを一つの見積にまとめられます。支給材で進める場合は、材料の証明書の有無を先に確認します。
納期はどのくらいで回答できますか?+
溶接工程が協力企業への手配になるため、手配先が決まるまでは幅のある回答になります。材料の調達期間、溶接の日数、溶接後の機械加工と検査の日数を分けて示し、確定した順に更新します。

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