Meta-NaviProduced by 深江特殊鋼株式会社

深穴加工とは何か?定義・工法一覧・選び方をどう判断すればよいか?

深穴加工とは、穴径に対して深さが5倍を超える穴(L/D比>5)をあける加工の総称で、代表的な工法はガンドリル加工とBTA加工です。結論から言うと、まず穴径とL/D比を数値で確認し、細く深く精度重視ならガンドリル、太く除去速度重視ならBTAを軸に選びます。[1]

確認項目を見る

Meta-Navi bridge

Meta-Naviの深穴加工の記事から相談へ進む

深穴加工とは何か、ガンドリルとBTAのどちらに向く穴なのか迷うなら、穴径・深さ・精度要求をメモにして、Meta-Naviのお問い合わせから送ってください。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!条件の整理から一緒に進められます。

とりあえず相談してみる元 topic: /topics/glossary/deep-hole-machining

まず確認すること

最初に確認すべきなのは、径だけではありません。深穴加工とは、穴径に対して深さが5倍を超える穴(L/D比>5)の加工を指します。[1] 自社ではガンドリル加工(φ4〜32mm、最大深さ1,500mm)とBTA加工(φ20〜300mm、最大深さ13,000mm)の2工法で対応しています。[2][3] 径だけを比べると重なって見える案件でも、深さと精度要求まで見ると、どちらの工法が向くかがはっきり分かれます。[1][4]

穴条件: 穴径、加工長、L/D比、貫通穴か止まり穴か[1]
精度要求: 真直度、真円度、面粗度(Ra)の数値[2][3]
材料: 材質、熱処理状態、難削材かどうか(ガンドリルはアルミ・銅も対応、BTAの対応材料リストにアルミ・銅は含まれない)[2][3]
数量と工程: 数量、後工程との連携、検査項目
参考事例: 径・深さが近い過去の加工実例があるかどうか[6][7]

納期が遅れやすいポイント

  • 「深穴加工」という言葉を聞いても、普通のドリル加工と何が違うのか分からない[1]
  • ガンドリルとBTA、どちらの工法を指しているのか分からないまま見積を依頼してしまう
  • L/D比という言葉の意味が分からず、自社の穴が深穴加工の対象かどうか判断できない[1]
  • 工法を決めずに複数社へ「深穴加工できますか」と聞くと、前提の違う見積が返ってきて比較できない[6][7]

Q. 深穴加工とは何か?普通のドリル加工と何が違うのか?

A. 深穴加工とは、穴径に対して深さが5倍を超える穴(L/D比>5)をあける加工の総称です。[1] 深穴加工とは、穴の深さそのものが絶対的に深いという意味ではなく、穴径との比率(L/D比)で決まる分類です。[1] 一般的なマシニングセンタのドリルでも、穴径のおおむね30倍程度までは加工できますが、それを超えると切りくずの排出と工具剛性の両方を同時に満たせなくなり、専用の工法が必要になります。[1] 深穴が難しい理由は、穴が深くなるほど切りくずが穴の外へ出にくくなること、そして工具が細く長くなるほどたわみやすくなることの2つです。[1][5] ガンドリル加工とBTA加工は、どちらもこの2つの課題を、クーラントの供給経路と切りくずの排出経路を工夫することで解決する専用工法です。[1][5]

Q. ガンドリル加工とBTA加工は、それぞれどんな工法か?

A. ガンドリル加工は工具内部からクーラントを送り外周のV溝で切りくずを排出する工法、BTA加工は外部からクーラントを送りボーリングバー内部で切りくずを排出する工法です。[1][5] ガンドリル加工は、工具の内部にあけたクーラント穴からクーラントを送り込み、切りくずはクーラントと一緒に工具外周のV字溝を通って排出されます。[5] 自社設備では、対応径φ4〜32mm(拡張最大φ200mm)、最大深さ1,500mm、真直度0.3mm/1,000mm以下、真円度0.01mm以下、面粗度Ra0.8〜3.2程度まで対応しています。[3] BTA加工は逆に、工具の外側からクーラントを送り込み、切りくずはボーリングバーの内部を通って外へ排出されます。工具とワークの間を密閉するための機構が必要になる点もガンドリルとの違いです。[5] 自社設備では、対応径φ20〜300mm(拡張最大φ600mm)、最大深さ13,000mm、真直度0.5mm/1,000mm以下、真円度0.02mm以下、面粗度Ra1.6〜6.3程度まで対応しています。[2] このほか、通常のマシニングセンタに搭載できるエジェクタ方式という工法もあり、工具とワーク側の密閉が不要な二重管構造で、対応径はおおむねφ18〜200mm程度とされています。[5]

Q. 径・深さ・精度で、ガンドリルとBTAのどちらを選ぶべきか?

A. 目安として、穴径φ32以下で精度重視ならガンドリル、φ33以上または除去速度重視ならBTAを軸に判断します。[1] 自社の実務目安では、穴径φ32以下をガンドリル加工、φ33以上をBTA加工で対応しており、到達精度そのものは両工法で大きくは変わらないため、径がまず一次的な判断基準になります。[1] 径だけで判断がつかない場合は、深さとL/D比、そして真直度・真円度といった精度要求まで数値で並べて確認します。 業界一般の目安でも、ガンドリル加工はΦ1〜35mm・深さ最大4,000mm程度、BTA加工はΦ15〜500mm・深さ最大10,000mm程度とされ、径の重なる領域では精度要求で使い分ける整理が一般的です。[4] 真直度は深さ1,000mmあたり曲がり1mm以下、径公差はJISのはめあい公差でH7〜H9程度が一つの目安になります。[4] 自社の加工事例では、BTA加工でφ80×深さ5,000mm(L/D比62.5)を真直度0.3mm/5,000mmで仕上げた例、ガンドリル加工でφ8×深さ600mmの交差穴16か所を位置精度±0.08mmで仕上げた例があり、径、深さ、到達精度が近い実例があるかどうかも工法選定の判断材料になります。[6][7] φ20〜32mm前後の重なり域や判断がつきにくい条件は、径と深さの数値に加えて精度要求までそろえたうえで、個別に確認するのが確実です。

図面で見ておきたい条件

  • 穴径φ20〜32mm前後は、ガンドリルとBTAのどちらでも対応できる重なり域であり、径の数値だけでは工法を一つに絞れないため、深さと精度要求を必ず併せて確認する必要がある。[1][4]
  • 精度の目安(孔径公差、真直度)は自社の実務上のルールであり、公的な標準規格として定められた数値ではないため、案件ごとに個別確認が必要になる。[1][4]

相談前に知っておきたいこと

  • φ32/33付近を境目とする分け方は、自社の実務目安と加工事例から見える目安である。[1] 業界一般の径帯整理でも近い傾向が示されているが、材質や熱処理状態、精度要求によって最適な工法は変わる。[4][5]

関連するものづくりトピックス

業界での実機事例(参考)

SCM440油圧シリンダーのBTA深穴加工の加工写真

SCM440油圧シリンダーのBTA深穴加工

btalathegrindingsurface-treatmentscm
SKD61ダイカスト金型のガンドリル冷却穴加工の加工写真

SKD61ダイカスト金型のガンドリル冷却穴加工

gundrillmillingmachiningheat-treatmentskd61

よくある質問

深穴加工とBTA加工、ガンドリル加工は同じ意味ですか?+
同じではありません。深穴加工はL/D比5超の穴加工全般を指す総称で、ガンドリル加工とBTA加工はその中の代表的な2つの工法です。
穴径とL/D比しか分かっていない段階でも、工法の相談はできますか?+
はい。穴径とおおよその深さからL/D比が5を超えるかどうかさえ分かれば、深穴加工の対象かどうか、ガンドリルとBTAどちらの土俵かは先に仮決めできます。材料や数量、希望納期、精度要求は現時点の図面や手書きメモ、既存品の写真から確認し、正式な図面が固まってから詰めれば十分です。
径がφ20〜32mm前後で、どちらの工法か判断がつきません。どうすればいいですか?+
その帯域は両工法とも対応可能な重なり域のため、径だけでは決められません。深さとL/D比を確認したうえで、真直度と真円度の精度要求を数値で並べ、径・深さが近い過去の実例があるかどうかも合わせて判断します。
海外規格(DIN/ISOなど)の図面でも相談できますか?+
相談できます。真直度や公差がDIN・ISO表記でも、mm/μmに換算すれば自社のガンドリル(真直度0.3mm/1,000mm以下)、BTA(真直度0.5mm/1,000mm以下)の基準値と直接比較できます。
ガンドリルとBTA、費用面ではどちらを優先して検討すべきですか?+
この用語ページの定義だけで費用の優劣までは決まりません。除去速度を優先しやすいBTAが有利な条件もあれば、精度要求が厳しくガンドリルでないと成立しない条件もあります。φ32/33の径目安に自社の穴を当てはめて工法の土俵を先に絞り、そのうえで費用は個別の見積で比較する順番が実務的です。
アルミや銅でも深穴加工はできますか?+
できます。自社のガンドリル加工は対応材料にアルミ・銅を含みますが、BTA加工の対応材料リストにはアルミ・銅は含まれません。材料と径・深さを合わせて確認します。
工法がまだガンドリルかBTAか決まっていない状態で、短納期の案件を相談してもいいですか?+
相談できます。ただし短納期では工法をまたいだ比較見積の時間が取りにくいため、径φ20〜32mm前後の重なり域にある案件は、先に精度要求を確定させてから見積を出した方が早く回答できます。
深穴加工とは何かの説明段階、つまり試作1個からでも工法を確定させる相談はできますか?+
できます。試作1個の段階では、まず精度(真直度0.3mm/1,000mm以下、真円度0.01mm以下)を満たせるかどうかが先に問われるため、φ32以下の径であればガンドリル側で仮確定させることが多いです。量産に移り数量がまとまって除去速度を優先する条件に変われば、同じ径帯でもBTA側を再検討します。
貫通穴でも深穴加工はできますか?片側だけの加工で済みますか?+
貫通穴は基本的に両側から加工することが多く、径・深さによっては片側からの通し加工が可能な場合もあります。図面の穴条件を確認したうえで判断します。
外注先には何を聞くと初回回答が早くなりますか?+
穴径、穴深さ、貫通穴か止まり穴か、材料、数量、希望納期、精度要求(真直度・真円度)を伝えると早いです。特にφ20〜32mm前後の重なり域は径だけでは工法が決まらないため、深さと精度要求を先に伝えると、ガンドリル/BTAどちらの前提かが初回からそろいます。

あわせて読みたい情報

参考事例・文献

このページの情報は役に立ちましたか?

Meta-Navi bridge

ここまでご覧いただいた方へ

条件が固まっていなくても大丈夫です。図面や仕様が手元になくても、まずはMeta-Naviにご相談ください。