金属加工の発注先、BCP対応は何を確認すれば判断できますか?
結論から言うと、BCP対応の確認は計画書の有無ではなく、事業影響度分析、演習、目標復旧時間の三つを先に聞きます。JIS Q 22301は方針の設定から演習と見直しまでを要求事項に含めており、文書があるだけでは被災後にいつ納品が戻るかは読めません。[1]
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確認項目の整理から相談する
発注先のBCP対応をどこまで聞くか迷うときは、対象部品、現在の発注先数、在庫日数だけメモにして送ってください。図面や具体的なアイデアがなくてもOK!材料手配と検査工程まで含めて、確認する順番の整理から一緒に進められます。
まず確認すること
BCPの有無だけを尋ねると、返ってくる答えは策定済みか未策定かの二択になります。二択の答えからは、計画書があることは分かっても、納品がいつ戻るかは読めません。JIS Q 22301は、方針の設定から事業影響度分析、事業継続計画の文書化、演習、内部監査、マネジメントレビューまでを要求事項として並べています。[1] この並びは、そのまま発注先への質問の順番として使えます。深江特殊鋼(金属加工ジャパン)の側でも、材料の切断から検査記録までを社内でどう保っているかは、設備の数値で答えられる範囲に限って開示しています。[3]
納期が遅れやすいポイント
- 取引先から調達先のBCP確認を求められたが、何を聞けばよいか決まっていない
- 発注先から事業継続計画書の表紙だけ送られてきて、中身を評価できない
- 被災時にいつ納品が戻るかを尋ねても、努力しますという回答しか返ってこない
- 一社に集約した加工が止まったとき、代わりに削れる会社の当てがない
- 停電や主要な機械の故障のような、地震以外の停止要因まで聞けていない
Q. 発注先のBCPは、計画書があるかどうか以外に何を確認すればよいですか?
A. 事業影響度分析をしているか、演習をしているか、目標復旧時間をどう置いているかの三つです。[1][2] JIS Q 22301は、事業継続マネジメントシステムの要求事項を箇条4から箇条10までの7章に分けています。方針を決める箇条5だけでなく、事業影響度分析とリスクアセスメント、事業継続戦略、演習プログラムを含む箇条8、内部監査とマネジメントレビューを含む箇条9まで、運用と点検が要求事項に入っています。[1] 計画書は作った時点でいったん完成しますが、担当者の異動や設備の入れ替えで中身は古くなります。演習と見直しの記録を尋ねると、その古さがどこまで直されているかが分かります。 目標復旧時間は、内閣府の事業継続ガイドラインでは影響度の評価を踏まえて設定する前提作業とされ、3時間後、3日後、10日後といった設定例が挙げられています。[2] 業種ごとの標準値ではないので、発注先の回答が3日でも10日でも、その数字だけでは良し悪しになりません。判断できるのは、その時間が自社の在庫日数と検査待ちを足した猶予に収まるかどうかです。 聞く順番を、対象範囲、事業影響度分析、目標復旧時間、演習、見直しの五つにそろえておくと、回答が抜けた箇所がそのまま分かります。[1] 材料の入手経路と検査工程まで含めて聞いておくと、加工機だけ無事でも動けない条件が先に見えます。[2]
Q. 停電や機械の故障まで含めると、設備側は何を聞けばよいですか?
A. どの資源が止まると生産を再開できないか、その資源に代わりがあるかです。[2][3] 内閣府のガイドラインは、そこが復旧しない限り生産の再開や業務復旧ができない資源をボトルネックと呼び、機械、金型、工具、材料に加えて、物流、担当者、データ、システムを例に挙げています。[2] 地震だけを想定した質問では、停電や主要な機械の故障が抜けます。JIS Q 22301も、事業の中断や阻害になり得る事象を、火災、停電、主要設備の故障、感染症、サイバー攻撃まで含む広い概念として扱っています。[1] 深江特殊鋼の側で数値を出せる範囲を挙げると、鋼材無人切断倉庫は制御盤をPLC2重化構成とし、停電時はUPSで30分のリテンションタイムを確保しています。格納対象は丸棒φ20からφ350、板厚t3からt120で、バンドソーの切断精度は±0.3mm/mです。[3] ただしこの30分は倉庫の制御盤を保持して安全に止めるための時間であり、停電中も加工機が削り続けられる時間ではありません。復電してから加工を再開できるまでの時間は、対象部品の工程と数量が決まってから見積もります。 図面と受発注のデータも、機械と同じく止まると困る資源です。受発注システムのメタナビNetは、通信をTLS1.3に強制し、保管をAES-256で暗号化したうえで、権限をAdmin、Sales、Supplier、Viewerの役割と案件単位で分けています。[3] 発注先を選ぶときは、図面と材料手配の履歴、検査記録をどこに置き、担当者が不在でも取り出せるかまで聞いておくと、復旧の話が加工機だけに寄りません。
Q. 被災したときに代わりに作ってもらえるかは、どう確かめますか?
A. 平時に候補を探せる母集団の広さと、緊急時にすぐ動ける工場の数を、分けて聞きます。[4][5] 内閣府のガイドラインは、供給が継続している状態を被災工場の早期復旧に限らず、被災地以外の拠点での代替生産、他社工場での生産、在庫の活用まで含めて考えるとしています。[2] さらに、代替のない一社だけが作っている部品や材料については、適正在庫の考え方を見直す点も挙げています。[2] 発注先に聞くべきなのは、自社工場が何日で戻るかだけではなく、戻らないあいだ誰がどこで、どの材料と検査条件で作るかです。 深江特殊鋼は、自社で削らない案件も含めて対応可否と見積りを一括で回答します。ターゲット調達では、要件を聞いたうえで150社超の認定パートナーから候補を3社から5社に1営業日から2営業日で絞り、3営業日から5営業日で同時見積りの比較レポートを出します。[5] 緊急時の枠は別に持っており、加工救急隊はライン停止や欠品を対象に、24時間受付、受付から製造開始まで平均8時間、最短48時間納品、パートナー80社超という体制で、全数検査とミルシート発行まで含めます。[4] ただし150社超と80社超は集計の対象が違い、重複関係が社内資料に書かれていないため、合算した社数としては扱えません。[4][5] 実際に供給先を入れ替えた例としては、自動車のセンサハウジング(材料記号SUM24L、φ12×L28mm)があります。サプライチェーンの逼迫を理由に海外調達を国内へ切り替えた案件で、内径同軸度0.008mm、工程能力Cpk1.82で、月産41,000個を24か月連続で供給しています。[6] これは単独の供給元として、発注先を海外から国内へ入れ替えた事例です。[6] 代わりに削る会社の技術水準を測る物差しとしては、加工協力ネットワークへの参画基準である工程能力指数Cpk1.33以上と、ISO 9001またはIATF 16949の運用経験が使えます。[3]
相談前に知っておきたいこと
- 鋼材無人切断倉庫のUPS30分は、制御盤を保持して倉庫を安全に止めるための時間であり、停電中も加工機が削り続けられる時間ではありません。復電してから加工を再開できるまでの時間は、対象部品の工程と数量が決まってから見積もります。[3]
- 設備の諸元は2022年2月に公開した内容です。現在の運用と一致しているかは、案件ごとに確認してから回答します。[3]
- 認定パートナー150社超と、緊急時に動けるパートナー80社超は集計の対象が違います。重複関係が社内資料に書かれていないため、合算した社数としては扱えません。[4][5]
業界での実機事例(参考)

SUM24自動車センサハウジングのスイス式旋盤加工
よくある質問
自社にBCPの様式がまだ無い状態でも相談できますか?+
見積依頼と一緒に、BCPの確認項目を送ってもよいですか?+
目標復旧時間は何日と答えてもらえれば安心と考えてよいですか?+
深江特殊鋼は事業継続の第三者認証を持っていますか?+
一社に集約している加工を、いま分散したほうがよいですか?+
海外調達を国内へ戻す相談もできますか?+
急に発注先が止まったとき、どのくらいで代わりが見つかりますか?+
材料の手配も含めて依頼できますか?+
図面を出さずに、確認項目だけ相談することはできますか?+
確認した結果は、どんな形で受け取れますか?+
あわせて読みたい情報
参考事例・文献
内部事例
- [6] 事例: 自動車センサハウジング(SUM24L) 海外調達から国内切替
設備・会社情報
- [3] 金属加工ジャパン コラム: 加工協力ネットワークの特徴と参画基準
- [4] 深江特殊鋼 加工救急隊(緊急対応サービス)
- [5] 深江特殊鋼 ターゲット調達サービス
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